BtoBマーケ支援
リスティング広告とは?BtoB企業が取り組むべき理由
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンにおいて、ユーザーが入力したキーワードに連動して表示される広告です。検索連動型広告とも呼ばれ、「いま情報を探しているユーザー」にピンポイントでアプローチできる手法として、BtoB企業でも活用が進んでいます。
BtoB商材は検索ボリュームが少ない反面、1件あたりの受注額が大きい傾向があります。そのため、少ないクリック数でも確度の高いリードを獲得できるリスティング広告は、費用対効果の面で非常に有効です。
とくにWeb広告をこれから始める企業にとって、リスティング広告は最初に取り組む施策として最適です。この記事では、BtoB企業がリスティング広告を始めるための具体的な手順とコツを、初心者向けにわかりやすく解説します。
リスティング広告の仕組みと基本用語
リスティング広告を始める前に、基本的な仕組みと用語を理解しておきましょう。
掲載の仕組み
リスティング広告は「オークション制」で掲載順位が決まります。広告主が設定した入札単価と、広告の品質スコア(関連性やクリック率の見込みなど)の掛け合わせで算出される「広告ランク」が高い広告ほど、上位に表示されます。つまり、入札額だけでなく広告文やランディングページの品質も結果に影響します。
課金方式
リスティング広告はクリック課金制(CPC:Cost Per Click)を採用しています。広告が表示されただけでは費用は発生せず、ユーザーが広告をクリックした場合にのみ課金されます。BtoB企業の場合、1クリックあたり200〜2,000円程度が目安です。業界や競合状況によって変動します。
覚えておきたい基本用語
用語 | 意味 | BtoBでの目安 |
|---|---|---|
CPC(クリック単価) | 1クリックあたりの広告費用 | 200〜2,000円 |
CTR(クリック率) | 広告が表示された回数に対するクリック数の割合 | 2〜5% |
CVR(コンバージョン率) | クリック後にお問い合わせや資料請求に至る割合 | 1〜5% |
CPA(獲得単価) | 1件のコンバージョンを獲得するのにかかった費用 | 5,000〜50,000円 |
品質スコア | 広告とキーワードの関連性をGoogleが1〜10で評価した指標 | 7以上を目指す |
インプレッション | 広告が検索結果に表示された回数 | — |
ROAS | 広告費用に対する売上の割合 | 業種による |
これらの用語は運用レポートや管理画面で頻繁に登場するため、事前に確認しておくとスムーズに取り組めます。CTRは広告文の改善で向上させることが可能です。
リスティング広告を始める前の準備
いきなり広告管理画面を操作する前に、次の3つを整理しておきましょう。
1. 広告の目的を明確にする
リスティング広告で何を達成したいのかを最初に定めます。BtoB企業の場合、主な目的は「資料請求」「お問い合わせ」「デモ申し込み」「ウェビナー登録」などです。目的が明確であれば、キーワード選びや広告文の方向性がブレにくくなります。
2. ランディングページ(LP)を用意する
広告をクリックしたユーザーが最初に訪問するページがLP(ランディングページ)です。BtoB向けのLPでは、サービスの特徴・導入メリット・事例・CTA(問い合わせボタンなど)が明確に配置されていることが重要です。LPの品質は広告の品質スコアにも影響するため、広告出稿前に整備しておきましょう。
3. 予算と期間を決める
BtoB企業がリスティング広告を始める場合、月額10万〜30万円程度からスタートするケースが一般的です。最初の1〜2か月はデータ収集を目的とし、3か月目以降に本格的な改善サイクルに入ることをおすすめします。少額でも継続的に運用することで、どのキーワードやメッセージが効果的かを把握できます。
💡 三森の実務メモ:リスティング広告は「出したら終わり」ではなく、出してからが本番です。最初の2か月で得たデータを元にキーワードや広告文を調整していくことで、獲得単価を大きく改善できます。焦らず、まずはデータを貯めることを意識してみてください。
Google広告アカウントの開設手順
ここからは、Google広告を使ったリスティング広告の具体的な設定手順を解説します。BtoB企業の場合、まずはGoogle広告から始めるのが一般的です。検索シェアが高く、ターゲティング機能も充実しています。
ステップ1:Googleアカウントでログイン
Google広告(ads.google.com)にアクセスし、Googleアカウントでログインします。会社で使用しているGoogleアカウント(Gmail)を利用するか、広告運用専用のアカウントを作成してください。
ステップ2:ビジネス情報の入力
会社名、WebサイトのURL、業種などを入力します。最初にキャンペーン設定画面が表示される場合がありますが、ここでは「エキスパートモード」に切り替えることを推奨します。エキスパートモードでは、詳細な設定が可能になり、予算の無駄遣いを防げます。
ステップ3:キャンペーンの作成
キャンペーンを新規作成します。BtoB企業の場合、キャンペーン目標は「見込み顧客の獲得」を選択するケースが多いです。キャンペーンタイプは「検索」を選び、リスティング広告として配信します。
ステップ4:ターゲティング設定
配信地域と言語を設定します。全国対応のBtoBサービスであれば「日本全国」、特定地域のサービスであれば対象エリアのみを指定してください。配信デバイスは、BtoBの場合はPCからの検索が多いため、モバイルの入札単価を下げる調整も有効です。
ステップ5:予算と入札戦略の設定
1日あたりの予算上限を設定します。月額予算を30日で割った金額が目安です。入札戦略は、最初は「クリック数の最大化」を選び、十分なデータが蓄積された後(30件以上のコンバージョン)に「目標CPA」や「コンバージョン数の最大化」へ移行するのがおすすめです。
効果的なキーワード選定のやり方
リスティング広告の成果を左右する最も重要な要素がキーワード選定です。とくにBtoB領域では、限られた予算のなかで確度の高いキーワードに投資することが求められます。
キーワードの種類と選び方
キーワードは大きく次の3種類に分けられます。
指名キーワード:自社名やサービス名で検索するキーワードです。「○○ 評判」「○○ 料金」など。コンバージョン率が最も高く、CPC(クリック単価)も低い傾向があります。まずはこのキーワードから出稿しましょう。
顕在キーワード:ユーザーが課題解決策を探している段階のキーワードです。「CRM 比較」「MA ツール おすすめ」など。購買意欲が高く、リード獲得に直結しやすい特徴があります。
潜在キーワード:まだ具体的な解決策を探していないユーザーが検索するキーワードです。「営業 効率化」「売上 伸ばす」など。検索ボリュームは大きいですが、コンバージョン率は低めです。予算に余裕がある場合にテスト的に配信します。
BtoBで効果が出やすいキーワードの特徴
BtoB企業がリスティング広告で成果を出すには、以下の条件を満たすキーワードを優先して選びましょう。
購買フェーズに近いキーワード(「○○ 導入」「○○ 費用」「○○ 比較」など)、商材に直接関連するキーワード、競合が少なくCPCが抑えられるニッチなキーワード。これらの条件を満たすキーワードを中心に配信することで、限られた予算でも効率的にリードを獲得できます。
マッチタイプの設定
Google広告では、キーワードのマッチタイプを「完全一致」「フレーズ一致」「部分一致」の3種類から選べます。BtoB企業が少額予算で始める場合は、「フレーズ一致」を基本とし、確度の高いキーワードには「完全一致」を設定するのがおすすめです。部分一致は想定外の検索クエリに広告が表示されやすいため、除外キーワードの管理が必須です。
BtoBで成果が出る広告文の作り方
リスティング広告の広告文は、検索ユーザーがクリックするかどうかを左右する重要な要素です。BtoB向けの広告文では、以下のポイントを意識しましょう。
広告文のポイント
見出し(タイトル):検索キーワードを含め、ユーザーの課題に直結する内容を書きます。「無料トライアル」「導入実績○社」など、具体的な数値や訴求ポイントを盛り込むとクリック率が向上します。Google広告では最大15個の見出し(半角30文字以内)を登録可能です。
説明文:見出しでは伝えきれない補足情報を記載します。導入メリット、対象業界、サポート体制など、差別化ポイントを明確に訴求しましょう。
表示URL・パス:広告に表示されるURLの後にパス(例:/無料相談)を設定できます。ユーザーにリンク先の内容を伝える役割があるため、サービス名やカテゴリ名を入れると効果的です。
BtoB広告文の改善チェックリスト
📌 見出しに検索キーワードが含まれているか。📌 具体的な数値(導入社数・削減率など)を記載しているか。📌 競合との差別化ポイントが明確になっているか。📌 CTAが明確か(無料相談・資料請求など)。📌 BtoC向けではなくBtoB企業向けの表現になっているか。
広告文は1つの広告グループに複数パターンを登録し、A/Bテストを行います。2〜4週間ごとにクリック率やコンバージョン率を比較し、成果の高い広告文に寄せていく運用が効果的です。
コンバージョン計測の設定方法
リスティング広告を運用するうえで欠かせないのが、コンバージョン計測の設定です。コンバージョン(CV)とは、広告の目的となるアクション(資料請求・お問い合わせ・デモ申し込みなど)のことです。
コンバージョンタグの設置手順
Google広告の管理画面から「ツール」→「コンバージョン」を選択し、新規のコンバージョンアクションを作成します。「ウェブサイト」を選択して、対象ページのURLを入力してください。
発行されたタグ(グローバルサイトタグ+イベントスニペット)を、サンクスページ(お問い合わせ完了ページなど)に設置します。Googleタグマネージャー(GTM)を利用している場合は、GTM経由での設定も可能です。GTMを使うと、タグの管理が一元化でき、ページのソースコードを直接編集する必要がなくなります。
オフラインコンバージョンの計測
BtoB企業では、Web上のお問い合わせから商談・受注まで時間がかかるケースが多いです。Google広告では「オフラインコンバージョンインポート」機能を使って、CRMやSFA上の商談データをGoogle広告に連携できます。これにより、どのキーワードや広告文が最終的な受注につながったかを把握でき、より精度の高い最適化が可能になります。
運用開始後の改善サイクル
リスティング広告は、設定して終わりではなく、データに基づいた継続的な改善が成果を左右します。KPI設計を行い、改善の方向性を明確にしましょう。
日次で確認すべきこと
日々の予算消化状況とクリック数を確認します。特定のキーワードに予算が偏っていないか、想定外の検索クエリで広告が表示されていないかをチェックしてください。不要な検索クエリが見つかった場合は、除外キーワードとして追加します。
週次で確認すべきこと
キーワードごとのCTR・CVR・CPAを確認し、成果の良い/悪いキーワードを把握します。成果の出ていないキーワードは入札単価を下げるか停止し、成果の良いキーワードには予算を増やします。広告文のA/Bテスト結果も週次でチェックしましょう。
月次で確認すべきこと
月全体の予算消化率、目標に対するリード獲得数、CPAの推移を確認します。月次レポートでは、前月との比較やトレンドの変化を分析し、翌月の運用方針に反映させます。四半期に1度は、キーワード戦略の全体見直しを行うのが理想的です。
💡 三森の実務メモ:リスティング広告の改善で最もインパクトが大きいのは「除外キーワードの追加」と「広告文の改善」です。とくにBtoBでは「無料」「バイト」「求人」など、BtoCユーザーの検索クエリを除外するだけでCPAが30%以上改善するケースも珍しくありません。
BtoBリスティング広告でよくある失敗と対策
BtoB企業がリスティング広告を運用する際に陥りがちな失敗パターンと、その対策を整理します。
失敗1:BtoCユーザーの流入を放置する
BtoB商材でも、一般消費者が同じキーワードで検索するケースがあります。たとえば「クラウドサービス」で検索すると、個人利用を検討しているユーザーも含まれます。除外キーワードを適切に設定し、BtoCユーザーのクリックによる無駄な広告費を抑えましょう。
失敗2:キーワードを広げすぎる
「とにかく多くのキーワードに出稿すれば成果が出る」と考えて数百のキーワードを登録するケースがありますが、予算が分散して各キーワードのデータが蓄積されず、改善判断ができなくなります。最初は10〜30キーワード程度に絞り、データを蓄積してから段階的に拡大するのが効果的です。
失敗3:LPの導線が不十分
広告のクリック率は高いのに、コンバージョンに至らないケースは、LP側に問題がある可能性が高いです。CTA(問い合わせボタン)が見つけにくい、フォームの入力項目が多すぎる、スマホ対応していないなどの原因が考えられます。サイト改善と連動させて、LPの最適化にも取り組みましょう。
失敗4:成果を短期で判断する
BtoBの購買プロセスは長期化しやすいため、広告を開始して1〜2週間で「成果が出ない」と判断するのは早計です。少なくとも2〜3か月はデータを蓄積し、改善を繰り返した上で成果を評価してください。
リスティング広告と他のマーケティング施策の連携
リスティング広告の効果を最大化するためには、他の施策と組み合わせることが重要です。
SEOとの連携
SEO対策は中長期で効果を発揮する施策です。リスティング広告で成果の良いキーワードをSEOのコンテンツ制作に活かし、逆にSEOで上位表示できているキーワードのリスティング広告を停止して予算を効率化するなど、両者を連動させた運用が効果的です。
コンテンツマーケティングとの連携
コンテンツマーケティングで作成したホワイトペーパーや事例記事を、リスティング広告のランディングページとして活用する方法があります。直接的なお問い合わせだけでなく、情報収集段階のユーザーをリード化できるため、ファネル全体でのリード獲得数が増加します。
メールマーケティングとの連携
リスティング広告で獲得したリードに対して、メールマーケティングで継続的に情報を提供し、商談化を促進します。MAツールを活用すれば、リードの行動履歴に基づいたスコアリングやセグメント配信が可能になり、リードナーチャリングの精度が向上します。
インサイドセールスとの連携
リスティング広告経由で獲得したリードは、比較的購買意欲が高い傾向があります。インサイドセールスチームと連携し、広告経由のリードには優先的にアプローチする仕組みを構築すると、商談化率の向上が期待できます。
よくある質問(FAQ)
Q. リスティング広告の最低予算はいくらですか?
Google広告には最低出稿金額の制限はありません。ただし、BtoB企業が成果を得るためには、月額10万〜30万円程度の予算が目安です。少なすぎる予算ではデータが蓄積されず、改善のサイクルが回らないため注意が必要です。
Q. リスティング広告とSEOはどちらを先に始めるべきですか?
短期的に成果を出したい場合はリスティング広告、中長期的に安定した集客を目指す場合はSEOが適しています。理想的には両方を並行して取り組み、リスティング広告で得たキーワードデータをSEO施策に活用する方法がおすすめです。
Q. 自社運用と代理店委託のどちらが良いですか?
月額予算が30万円未満で社内にWeb広告の知見がある場合は自社運用も可能です。ただし、30万円以上の予算で複数キャンペーンを運用する場合や、専門知識がない場合は、代理店への委託を検討してください。運用手数料は広告費の20%程度が相場です。
Q. BtoBのリスティング広告でどれくらいのCPAが目安ですか?
BtoBの資料請求やお問い合わせの場合、CPAは5,000〜30,000円が一般的な目安です。ただし、商材の単価やLTV(顧客生涯価値)によって許容CPAは大きく変わります。自社の受注単価から逆算して目標CPAを設定しましょう。
Q. Yahoo!広告も同時に出稿すべきですか?
まずはGoogle広告で成果を確認してから、Yahoo!広告に展開するのが効率的です。日本の検索シェアはGoogleが約75%を占めており、Google広告だけでも十分なリーチが得られます。Google広告での最適化が完了した後、追加予算がある場合にYahoo!広告に横展開するのが一般的です。
まとめ
リスティング広告は、BtoB企業がリード獲得を効率化するための有力な手法です。検索意図の高いユーザーに直接アプローチでき、少額からテストを始められる点は大きなメリットです。
成果を出すためのポイントは、適切なキーワード選定、品質の高い広告文、コンバージョン計測の整備、そして継続的なデータ分析と改善です。最初から完璧を目指す必要はありません。小さく始めて、データに基づいて改善を重ねていくことが、リスティング広告で成果を出す最も確実な方法です。
ドヤマーケでは、BtoB企業のリスティング広告運用を含むWebマーケティング全般のご相談を承っています。「自社でリスティング広告を始めたいが何から手をつければよいかわからない」という方は、お気軽にお問い合わせください。


