ABM(アカウントベースドマーケティング)
ABM(アカウントベースドマーケティング)とは、ターゲットとなる企業(アカウント)を個別に特定し、その企業に最適化されたマーケティング・営業活動を行うBtoB特有の戦略手法のことです。
読み方: えーびーえむ / 英語: Account-Based Marketing
ABM(アカウントベースドマーケティング)の詳細
ABMは、「広くリードを集めて絞り込む」従来のファネル型アプローチとは逆に、「最初からターゲット企業を絞り込み、その企業に集中的にアプローチする」戦略です。
ABMの基本的な考え方
従来型マーケティング(ファネル型):
広くリードを集める → 育成 → 絞り込む → 商談 → 受注
(全体の数%が受注に至る)
ABM:
ターゲット企業を選定 → 企業ごとにカスタマイズしたアプローチ → 商談 → 受注
(選定企業の高い割合が受注に至る)
ABMの3つのアプローチ
1:1 ABM(Strategic ABM):
- 最重要ターゲット企業1社ごとに個別のマーケティングプランを設計
- 対象:年間取引額が数千万円以上の大口顧客
- 施策:経営層向けの個別セミナー、カスタム提案書、パーソナライズドLP
1:Few ABM(ABM Lite):
- 類似の課題を持つ5〜15社をグループ化してアプローチ
- 対象:業種別・課題別のセグメント
- 施策:業種特化ホワイトペーパー、セグメント別ウェビナー
1:Many ABM(Programmatic ABM):
- 数百〜数千社のターゲットリストに対してテクノロジーで最適化
- 対象:ターゲットICP(理想顧客プロファイル)に合致する企業群
- 施策:ターゲティング広告、パーソナライズドメール、IP判定による出し分け
ABMの実践に必要な要素
1. ICP(Ideal Customer Profile)の定義
- 業種、企業規模、売上、従業員数、技術スタック等で理想的な顧客像を定義
2. ターゲットアカウントリストの作成
- ICPに基づいて具体的な企業名をリスト化
3. マーケ×営業の密な連携
- ABMは「マーケと営業が同じターゲットに向かう」ことが大前提
4. パーソナライズされたコンテンツ
- ターゲット企業の課題に合わせた個別コンテンツの制作
5. マルチチャネルでのアプローチ
- 広告、メール、電話、SNS、DM等を組み合わせた統合的な接触
なぜ重要か
ABMが重要な理由:
1. 高いROI:ターゲットを絞ることで、マーケティング投資の無駄が減り、ROIが向上
2. 大型案件の獲得:高単価商材・エンタープライズ向け商材に特に有効
3. マーケ×営業の連携強化:共通のターゲットに向かうことで、組織の一体感が生まれる
4. 受注率の向上:ターゲット企業の課題に最適化されたアプローチにより、受注率が大幅に向上
一般的に、ABMを導入した企業は従来のマーケティングと比較して、ターゲット企業からの受注率が2〜3倍に向上するとされています。
活用方法
ABM導入の実践ステップ:
- ICP(理想顧客プロファイル)の定義
- 既存の優良顧客に共通する属性を分析
- 業種、企業規模、課題、導入プロセスのパターンを整理
- ICPを明文化してマーケ・営業で共有
- ターゲットアカウントリストの作成
- ICPに基づいて100〜500社のターゲットリストを作成
- 優先度をTier1(最重要)/ Tier2 / Tier3に分類
- 各企業のキーパーソン(意思決定者・影響者)を特定
- アプローチ施策の設計
- Tier別のアプローチ方法を決定
- コンテンツのカスタマイズ(業種別ホワイトペーパー、事例記事等)
- マルチチャネルでの接触計画を策定
- 実行とPDCA
- ターゲット企業のエンゲージメント(サイト訪問、コンテンツ閲覧等)を追跡
- 営業とのウィークリーレビューで進捗を共有
- アプローチ方法の改善を継続
ドヤマーケの実務経験
ドヤマーケでは、ターゲット企業向けのパーソナライズドコンテンツ制作を中心にABM施策を支援しています。
業種別のホワイトペーパー、ターゲット企業の課題に合わせた事例記事、個社向けのLP制作など、クリエイティブの実行面を一括で対応しています。
AIを活用してターゲット企業の業界情報を分析し、パーソナライズされたコンテンツのドラフトを高速に生成することで、中小企業でも取り組めるABM体制を構築しています。
現場から得た知見
ABMの成功は「ターゲット企業の選定」よりも「その企業に刺さるクリエイティブを作れるか」にかかっています。
ターゲットリストは作れても、個社別にカスタマイズしたLP・バナー・事例資料を実際に制作できる体制がなければ、ABMは機能しません。
当社では、AIで個社向けコンテンツのドラフトを量産し、デザインチームが仕上げるフローにより、中小企業でもABMの実行を可能にしています。
実績データ
当社支援先では、パーソナライズドコンテンツを活用したABMアプローチにより、ターゲット企業からの商談獲得率が通常のリードジェネレーション比で2〜3倍に向上しています。
業種別にカスタマイズしたホワイトペーパーは、汎用版と比較してDL率が1.5〜2倍高い傾向があります。
個社別LPを制作したTier1ターゲット企業からは、高い確率で初回商談の獲得に成功しています。
専門家コメント
監修者: 三森 捷暉(みつもり かつき) 肩書: BtoBマーケティング × SEO × AI活用 専門家|株式会社スリスタ 代表 ABMこそ、個社別のLP・バナー・事例コンテンツの実行力が成果を分けます。 ターゲットリストを作っただけでABMをやった気になっている企業が多いですが、真に差がつくのは「そのターゲットに合わせたクリエイティブを実際に制作・配信できるか」です。AIで個社向けコンテンツを高速に生成し、デザインチームが品質を担保する体制があれば、中小企業でもエンタープライズ級のABMが実行可能です。
三森 捷暉(みつもり かつき)|BtoBマーケティング × SEO × AI活用 専門家|株式会社スリスタ 代表
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よくある質問
ABMは中小企業でも実践できますか?
実践可能です。大規模なABMプラットフォームがなくても、ターゲット企業を30〜50社選定し、業種別のホワイトペーパーとパーソナライズドメールを組み合わせる「1:Few ABM」から始められます。ドヤマーケ支援では、中小企業向けにスモールスタートのABM設計を支援しています。
ABMとリードジェネレーションは併用すべきですか?
併用が推奨されます。ABMは「攻め」のアプローチとして特定のターゲット企業を狙い、リードジェネレーションは「受け」としてコンテンツ経由で幅広くリードを獲得します。両者を並行して実行することで、質と量の両方を確保できます。
ABMのターゲット企業はどう選べばよいですか?
既存の優良顧客を分析し、共通する属性(業種、規模、課題、導入プロセス)からICP(理想顧客プロファイル)を定義します。ドヤAIのペルソナAIでICPを設計し、そのプロファイルに合致する企業をリスト化するアプローチが効率的です。



