AI・マーケトレンド
30秒で分かる結論
GA4でAI経由の流入を見る最短の方法は、探索レポート(自由形式)で「セッションの参照元」をchatgpt.comやperplexity.aiなどの正規表現で絞り込むことです。標準レポートではReferralにまとめられて埋もれるため、専用の探索レポートを作るのが確実です。この記事のコピペ用正規表現を使えば5分で完成します。
ただしGA4で分かるのは「クリックされてサイトに来た分」だけです。AIの回答内で自社がどれだけ言及されたか(原因側の指標)は別のツールで測る必要があり、本記事の後半でセット運用の型を紹介します。
▶ 動画で学ぶ:AI活用×BtoBマーケティングの実践ノウハウは、YouTubeチャンネル「ドヤマーケAI」でも解説しています。
1. AI経由の流入はGA4でどう見えるか
ChatGPTやPerplexityの回答内のリンクがクリックされると、GA4には参照元(リファラー)付きのセッションとして記録されます。主な参照元は次のとおりです。
chatgpt.com:ChatGPT経由(旧ドメインのchat.openai.comから移行)
perplexity.ai:Perplexity経由。出典リンクが多くクリックされやすい
gemini.google.com:Gemini経由
copilot.microsoft.com:Microsoft Copilot経由
注意点として、AIが自社名を回答に出してもリンクがクリックされなければGA4には一切記録されません。またアプリ内ブラウザ経由などで参照元が欠落し、「Direct」に分類されるケースもあります。GA4の数字は「AI経由の最低ライン」と捉えるのが正確です。
2. 最短5分:探索レポートで専用ビューを作る手順
GA4左メニューの「探索」から「自由形式」を新規作成する
ディメンションに「セッションの参照元」と「ランディングページ」、指標に「セッション」と「エンゲージメント率」を追加する
行に「セッションの参照元」、値に「セッション」をドラッグする
フィルタで「セッションの参照元」→「正規表現に一致」→次章のパターンを貼り付ける
期間を設定して「AI経由流入」の名前で保存する
3. コピペで使える参照元の正規表現
chatgpt\.com|chat\.openai\.com|perplexity\.ai|gemini\.google\.com|copilot\.microsoft\.com|claude\.ai新しいAIサービスからの流入が増えたら、このパターンに「|ドメイン名」を追加するだけで拡張できます。
三森の実務メモ:当メディアでもこのレポートで比較記事へのChatGPT・Perplexity経由の流入を確認しています。量は検索経由より少ない一方で、エンゲージメント率は高い傾向があります。AI経由は「量より質」で見てください。
4. GA4では測れないもの:言及されたのにクリックされない分
GA4に記録されるのはリンクがクリックされた分だけです。実際には次のように「GA4に見えないAI接触」が大量にあります。
AIが自社名を回答に出したが、リンクは貼られなかった
リンクは貼られたが、読者は回答文だけで満足してクリックしなかった
そもそも自社が回答に出てこなかった(競合だけが推薦された)
特に3つ目の「そもそも出ていない」は機会損失が最大です。原因と対策はChatGPTに自社が出てこない5つの原因と対策で解説しています。
5. 言及率×流入のセット運用:原因と結果を両方測る
GA4は「結果(流入)」の計測です。一方、「原因(AIの回答でどれだけ言及・推薦されているか)」はドヤAIOで測れます。ChatGPT・Gemini・Claude・Perplexityの4エンジンで自社の言及・引用・順位を無料でスキャンできるので、月に1度スキャンしてGA4のAI経由セッションと並べるだけで、施策の効果検証ができるようになります。
三森の実務メモ:レポートでは「言及率(ドヤAIO)→流入(GA4)→問い合わせ」の3段で見せると、AI対策の投資判断が一気に通りやすくなります。数字が小さくても、伸び率で語れるのがこの領域の強みです。
作ったレポートの読み方 — 見るべき3つの数字
レポートは作って終わりではありません。AI経由の流入は母数が小さいため、普通のアクセス解析と同じ見方をすると判断を誤ります。見るべきなのは次の3つです。
① セッション数の絶対値ではなく「前月比の伸び率」
月に数十セッションの世界なので、絶対値は数件の変動で大きくブレます。「先月20→今月35」のように伸び率で追うと、施策の効きが判断できます② エンゲージメント率を「検索経由」と並べて比較する
AI経由は、回答を読んで納得したうえで来訪するため、検索経由より高く出ることがあります。ここが高ければ「量は少ないが質が良い流入」という説明が数字で裏づけられます③ ランディングページの内訳
実務でいちばん役に立つのがこれです。どの記事がAIに引用されているかが分かるため、次に強化すべき記事、増やすべき記事の型がそのまま決まります
まとめると、AI経由の流入は「量」で勝負しません。伸び率と流入の質、そして引用されている記事の特定に使うのが、この数字の正しい活かし方です。
よくあるつまずき3つと対処
設定どおりに作ってもうまくいかないことがあります。実際に詰まりやすいのは次の3点です。
データが0件で表示される:ディメンションの取り違えが最頻出です。「参照元 / メディア」ではなく「セッションの参照元」を選んでください。あわせて期間を90日程度に広げると、母数の小ささによる0件かどうかを切り分けられます
Direct(直接)に埋もれている:AIアプリ内のブラウザから開かれた場合、参照元が引き継がれずDirectに分類されます。これは設定では解決できません。GA4の数字はあくまで下限値と割り切り、Directの増減も並べて眺めておくのが現実的です
数字が日によって大きく動く:母数が小さいことが原因です。日次で一喜一憂せず、週次か月次に丸めて見てください
よくある質問(FAQ)
Q. ChatGPTからの流入はどの参照元名になりますか?
A. 現在は主にchatgpt.comです。過去のデータには旧ドメインのchat.openai.comが残っていることがあるため、正規表現には両方を入れておくのが安全です。
Q. GoogleのAI Overviews経由は計測できますか?
A. AI Overviewsからのクリックは通常のGoogle検索(Organic Search)に含まれ、GA4では分離できないのが現状です。検索側のクリックはSearch Consoleとセットで見てください。
Q. AI経由の流入がほぼゼロでした。対策する意味はありますか?
A. あります。まずAIの回答に自社が出ているか(言及率)を確認してください。出ていなければ流入は発生しようがなく、対策の優先順位はコンテンツ整備側になります。全体像はLLMO対策 完全ガイドをご覧ください。
Q. 正規表現フィルタを設定したのに絞り込めません。
A. まずマッチタイプが「正規表現に一致」になっているかを確認してください。「完全一致」のままだと当然ヒットしません。次に多いのがディメンションの取り違えで、「参照元 / メディア」ではなく「セッションの参照元」を選ぶ必要があります。それでも0件なら、期間を90日程度に広げてみてください。AI経由は母数が小さいため、7日間だと本当に0件のことがあります。
Q. AI経由の流入がコンバージョンにつながっているか見たいのですが。
A. 同じ正規表現でセグメントを作り、それを通常のレポートに適用するのが簡単です。「AI経由セッション」のセグメントを1つ作っておけば、コンバージョン数でも、ランディングページ別でも、同じ条件で切り替えて見られます。探索の「経路データ探索」に適用すれば、AI経由の読者がサイト内をどう回遊したかも追えます。
まとめ:5分の設定で「AI時代の成果」が見える
探索レポート+正規表現フィルタでAI経由流入の専用ビューを作る
GA4の数字は最低ライン。量より質と伸び率で見る
原因側(言及率)は別途計測し、セットで効果検証する
自社がChatGPT・Gemini・Claude・Perplexityの回答でどれだけ言及されているかは、ドヤAIOで無料でスキャンできます。GA4の設定とあわせて、今日から「原因と結果」の両方を記録し始めてください。編集部の補足調査データ(2026年最新・n=400)
AI経由の流入を計測する重要性が高まる背景に、業務での生成AI利用の広がりがあります。株式会社スリスタが全国の会社員400名に実施した『企業の生成AI活用実態調査2026』では、業務での生成AIツール利用率はChatGPT 60.8%・Google Gemini 49.7%・Microsoft Copilot 41.8%・Claude 7.8%で、AI利用者の49.0%が複数ツールを併用。ChatGPT・Gemini・Copilotなど参照元が多様化するため、GA4での参照元計測も複数ドメインを横断して設計することが欠かせません。
出典:株式会社スリスタ『企業の生成AI活用実態調査2026』(n=400)。全クロス集計は職場の生成AIツールシェア実態2026、プレスリリースはPR TIMESで公開中。
▶ 動画でも解説:AI活用×BtoBマーケの実践ノウハウ|ドヤマーケAI(YouTubeチャンネル)


