AI・マーケトレンド
30秒で分かる結論
ChatGPTに自社が出てこない主な原因は、「AIが参照する場所に、自社を推薦する材料がない」ことです。原因は次の5つに分解できます。
AIが検索参照するWeb上に、自社とカテゴリ語を結びつける記述が少ない
比較・おすすめ系の記事(第三者・自社)に自社が載っていない
公式サイトの情報がAIに引用しにくい構造になっている
ブランド名の表記ゆれや情報の古さでAIが確信を持てない
そもそも計測していないため、どのプロンプトで負けているか不明
対策は「診断→引用されやすい情報の整備→言及の獲得→定点観測」の4ステップです。本記事で順に解説します。
▶ 動画で学ぶ:AI活用×BtoBマーケティングの実践ノウハウは、YouTubeチャンネル「ドヤマーケAI」でも解説しています。
1. なぜ競合は出てくるのに自社は出てこないのか
ChatGPTなどの生成AIは、おすすめを聞かれると「学習済みの知識」と「リアルタイムのWeb検索結果」を組み合わせて回答します。つまりAIの回答は、Web上にある評判・比較情報の要約に近いものです。
競合が出てくるのは、競合の名前がカテゴリ語(例:「AIバナー作成ツール」)と一緒に語られているページがWeb上に多いからです。逆に言えば、自社がそうしたページに存在しなければ、AIには推薦する材料がありません。知名度の問題というより、「AIが読める場所に材料があるか」の問題です。
2. 原因の診断方法(15分でできます)
ChatGPT(検索オン)とGeminiで「◯◯(自社カテゴリ)のおすすめは?」と日本語で質問する
回答に出てきた競合と、引用元リンク(出典)をメモする
出典を開き、自社がそのページに載る余地があるかを確認する
自社名で「◯◯とはどんな会社?」と質問し、情報の正確さと鮮度を確認する
この診断で分かるのは「その瞬間の1回分」だけです。AIの回答は変動するため、複数エンジン×複数プロンプトでの定点観測にはAI可視性ツールを使います。ツールの選び方はAIO/LLMOツール比較で解説しています。
3. 5つの原因と対策
原因1:カテゴリ語との結びつきがない → 共起を作る
プレスリリース・導入事例・SNS・外部寄稿などで、「AIバナー作成ツールのドヤバナーAI」のようにカテゴリ語とセットで語られる露出を増やします。AIは「カテゴリ語と一緒に何度も登場する名前」を推薦候補として扱います。
原因2:比較記事に載っていない → 自社発の比較コンテンツを持つ
AIはおすすめ質問に対して比較記事を強く参照します。第三者メディアへの掲載交渉と並行して、自社オウンドメディアで公平な比較記事を発信するのが現実的な近道です。
三森の実務メモ:当メディアでは比較記事を整備した結果、ChatGPTやPerplexity経由の流入が実測で確認できるようになりました。「比較・おすすめ」の質問はAI時代の一等地です。自社で持たない手はありません。
原因3:公式情報が引用しにくい → 「AIが読める」ページに直す
料金・特徴・対象ユーザーを表と箇条書きで明文化し、「◯◯とは、〜のツールです」という定義文をページ内に置きます。llms.txtの設置やFAQの構造化も有効です。具体策はLLMO対策 完全ガイドを参照してください。
原因4:情報が古い・表記ゆれがある → 基本情報を統一する
社名・サービス名の表記を統一し、公式サイトの会社情報・運営者情報を最新化します。Organization構造化データを設置して、機械可読な形で基本情報を提供します。
原因5:計測していない → 定点観測を始める
どのプロンプトで・どのエンジンに・どの企業が出ているかを毎月記録し、施策との因果を確認します。計測があって初めて「改善」ができます。
4. どのくらいで効果が出るのか
検索連携(ChatGPT検索・Perplexity等)経由:新規コンテンツがインデックスされ次第、引用対象になります(数日〜数週間)
AI Overviews:数週間単位での反映が中心です
モデルの学習知識そのもの:数ヶ月以上のスパンです
まず狙うべきは検索連携経由です。「今日書いた記事が来月のAI回答に引用される」ことは実際に起こります。
三森の実務メモ:施策を打った月と言及率が動いた月を並べて見ると、経営層への説明が一気に楽になります。効果が出る前に「いつ・何をやったか」の記録だけは先に始めておくのがおすすめです。
診断に使うプロンプト5本
前章の診断手順を、そのまま打てる形にしました。〈〉の部分だけ自社の内容に置き換えて、ChatGPT(検索オン)とGeminiの両方で試してください。1本あたり3回ずつ聞き、共通して出てくるものだけを事実として扱います。
【1】カテゴリ推薦(競合と出典を把握する)
〈カテゴリ〉のおすすめツールを5つ、選定理由と出典URLつきで教えてください。
【2】条件つき推薦(勝てる領域を探す)
〈カテゴリ〉で〈中小企業向け/初心者向け/低価格〉のおすすめを教えてください。
【3】自社認識(情報の正確さと鮮度を見る)
〈自社名〉とはどんな会社ですか。事業内容と提供サービスを教えてください。
【4】直接比較(AIが持つ自社の材料の量を見る)
〈自社名〉と〈競合名〉を、料金・機能・向いている企業規模で比較してください。
【5】出典確認(載るべきページを特定する)
その回答の根拠にしたページのURLをすべて挙げてください。【1】で競合と出典が分かり、【2】で条件を絞れば自社が出てくるかが分かります。ここで出てくるなら、勝負すべきは広いカテゴリ語ではなく絞った条件のほうです。【3】と【4】はAIが自社について持っている材料の量、【5】は自社が載るべきページの特定に使います。
観測記録のフォーマット
診断は1度きりでは意味がありません。とはいえ凝った仕組みは続かないので、月1回・5分で埋まる粒度にします。表計算ソフトに次の列を用意してください。
計測日 / エンジン / プロンプト番号 / 自社の言及(3回中n回)/ 自社の登場順位 / 併記された競合 / 引用された自社URL
例)
2026-07-23 / ChatGPT / 【1】 / 0回 / - / A社,B社,C社 / なし
2026-07-23 / ChatGPT / 【2】 / 2回 / 3番目 / A社,D社 / /notes/example
2026-07-23 / Gemini / 【1】 / 1回 / 5番目 / A社,B社,E社 / トップページ
<施策ログ>
2026-07-20 比較記事を1本公開
2026-07-22 料金ページに表を追加ポイントは同じシートに「施策ログ」を書いておくことです。いつ何をしたかと、言及率がいつ動いたかを並べて初めて、施策と結果を結びつけて説明できます。効果が出る前に、記録だけは先に始めてください。後から遡って作ることはできません。
よくある質問(FAQ)
Q. 広告費を払えばChatGPTに載せてもらえますか?
A. 現時点で、日本向けに「回答内で自社を推薦させる広告枠」は一般提供されていません。回答への言及は、オーガニックな情報整備で獲得するのが基本です。
Q. 大手しか出てこないのは仕方ないのでは?
A. カテゴリを絞れば中小企業でも十分に狙えます。「AIバナー作成 中小企業向け」のような具体的なプロンプトでは、その条件に合致する情報を持つ企業が引用されます。
Q. 効果はどうやって測ればいいですか?
A. AI可視性ツールでの言及率の定点観測と、GA4でのAI経由流入(ChatGPTやPerplexityからの参照流入)の確認。2つをセットで見るのが基本です。
Q. 競合が何社出てきたら「負けている」と判断すべきですか?
A. 社数ではなく「自社と同じ規模・同じ価格帯の企業が出ているか」で判断してください。大手だけが並んでいるなら、それはカテゴリ語が広すぎるサインで、負けているというよりまだ土俵に上がっていない状態です。一方、自社と同規模の企業が推薦されているのに自社が出てこないなら、それは明確に材料の差です。後者が見つかったプロンプトが、最優先で手を入れるべき場所になります。
Q. AIの回答が毎回変わるのですが、どう記録すればいいですか?
A. 1つのプロンプトにつき3回聞いて、3回中何回出たかで記録します。完全な再現性を求めても意味がありません。「3回中0回」と「3回中2回」では対策の優先度がまったく違うので、この粒度で十分に判断できます。日をまたぐと条件が変わるため、3回は同じ日にまとめて行ってください。
まとめ:知名度ではなく「材料」の問題
出てこない原因は知名度ではなく、AIが読める場所に自社を推薦する材料がないこと
対策は「診断→情報整備→共起の獲得→定点観測」の4ステップ
感覚ではなく計測から始める
自社がChatGPT・Gemini・Claude・Perplexityでどう扱われているかは、ドヤAIOで無料でスキャンできます。まずは現状の診断から始めてみてください。編集部の補足調査データ(2026年最新・n=400)
「ChatGPTに自社が出てこない」問題の重要性が増す背景に、業務での生成AI利用の広がりがあります。株式会社スリスタが全国の会社員400名に実施した『企業の生成AI活用実態調査2026』では、業務での生成AIツール利用率はChatGPT 60.8%・Google Gemini 49.7%・Microsoft Copilot 41.8%・Claude 7.8%で、AI利用者の49.0%が複数ツールを併用。ユーザーが複数のAIに問い合わせる時代だからこそ、ChatGPTだけでなく各エンジンで「自社が推薦されるか」を点検する価値が高まっています。
出典:株式会社スリスタ『企業の生成AI活用実態調査2026』(n=400)。全クロス集計は職場の生成AIツールシェア実態2026、プレスリリースはPR TIMESで公開中。
▶ 動画で学ぶ:AI記事作成対決 Google Gemini 3 vs ChatGPT vs Claude(ドヤマーケAI)


