AI・マーケトレンド

一人社長・少人数の会社に本当に必要なツール一覧

必要なツールは人数では決まりません。会社に何が起きたかで決まります。従業員を1人雇った瞬間、外注に初めて発注した瞬間、電子で請求書を受け取った瞬間に、法令上やらなければならないことが増えます。この「イベント」を起点に並べると、一人社長に本当に必要なものは6つに絞られ、残りは業務量が閾値を超えてから足せば足ります。

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この記事で分かること

  • 必要なツールを人数で決めると外れる理由

  • ツールの必要性を3層に分ける軸(法令起因・業務量起因・任意)

  • 10のイベント別に、何が必要になるかの対応表

  • 12業務の最小構成と、0円で回る条件・破綻するライン

  • 公式サイトで料金を確認した10の選択肢の比較表

  • 自社のトリガーを判定するチェックリスト(コピペ可)

料金と法令の記載は、2026年8月6日に各社公式サイトおよび官公庁の公開情報で確認した内容にもとづきます。金額を確認できなかったものは、確認できなかったと書いています。法令の適用可否は事業内容や契約形態で変わるため、個別の判断は所轄の税務署・労働基準監督署・年金事務所、または税理士・社会保険労務士に確認してください。


1. 「何人だから何が必要」は成立しない

「5人までならExcelで足りる」「10人を超えたらSFAを入れる」。この種の目安が外れるのは、同じ人数でも会社に起きているイベントが違うからです。

一人社長でも、外注に月20万円発注していれば、取引条件を書面等で明示する義務が生じます。従業員がゼロでも、法人なら社会保険は強制適用になります。逆に従業員5名でも、全員が同じ拠点で同じ時間に働いていれば、勤怠の管理はごく単純に済みます。

人数は結果であって原因ではありません。原因はイベントのほうにあります。


2. 分類軸:必要性を3層に分ける

ツールを「便利かどうか」で並べると際限がなくなります。3層に分けると、買う順番が自動的に決まります。

層1:法令・取引先起因の必須(発生した瞬間に必要)

法令上の義務、または取引先から求められて満たさないと取引が続かないものです。発生した瞬間から必要で、業務量とは関係ありません。従業員が1人でも、外注が1社でも、義務は同じように発生します。

層2:業務量起因の必須(閾値を超えたら必要)

量が少ないうちは手作業で回ります。ある閾値を超えると、抜け漏れが事故になります。商談件数、案件数、請求書の枚数といった数で判定できます。

層3:任意(あると速い)

入れなくても回ります。入れると速くなります。予算の余りをここに使います。

3層の判定基準

判定の質問

導入しない場合に起きること

導入時期

層1

「やらないと法令違反、または取引が止まるか」

是正勧告、追徴、取引停止

イベント発生と同時

層2

「今の件数を手作業で回して、抜け漏れが月1件以上出るか」

失注、二重請求、支払い漏れ

閾値を超えたとき

層3

「作業時間が月5時間以上かかっているか」

何も起きない(遅いだけ)

予算が余ったとき

層1に該当するものは、値段で選びません。要件を満たすかどうかで選びます。層3は値段で選んで構いません。


3. 10のイベント別・必要になるものの対応表

自社に起きたイベントを探します。起きていないイベントの行は、今は読まなくて構いません。

イベント1:法人を設立した

法人の事業所は、従業員がいなくても社会保険の適用事業所になります。日本年金機構の公開情報では、株式会社等の法人の事業所は事業主1人だけであっても加入対象と説明されています(2026年8月6日確認)。

必要になるもの

備考

会計ソフト(法人向け)

層1

決算・法人税申告に必要です。個人向けの確定申告ソフトとは別です

請求書の発行手段

層1

手書きでも成立しますが、控えの保存が要ります

社会保険の手続き

層1

年金事務所への届出です。ツールの問題ではなく手続きの問題です

法人口座・決済手段

層1

個人の口座と混ぜません

イベント2:適格請求書発行事業者に登録した

インボイス制度に登録すると、発行する請求書に登録番号を含む所定の記載事項が必要になります。国税庁は制度の特設サイトで、登録申請手続や記載事項に関する資料を公開しています(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice.htm /2026年8月6日確認)。

必要になるもの

備考

適格請求書の様式に対応した請求書発行

層1

記載事項の要件を満たす必要があります

受け取った請求書の保存

層1

仕入税額控除の要件に関わります

記載事項の詳細は国税庁の資料で確認します。様式が変わる場合があるため、テンプレートを自作している会社は定期的に照合します。

イベント3:請求書や領収書を電子でやり取りした

メールにPDFを添付して請求書を送った、あるいは受け取った。この時点で電子取引データの保存の話になります。国税庁は電子帳簿等保存制度の特設サイトを公開しており、保存義務者は法人・個人を問わず電子取引について確認する必要があると案内しています(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/index.htm /2026年8月6日確認)。

必要になるもの

備考

電子取引データを保存する場所とルール

層1

検索できる形での保存が求められます

保存要件と猶予措置の適用可否は、国税庁の特設サイトと所轄税務署で必ず確認してください。要件が事業者の規模等で異なるため、この記事の記述だけで判断しないでください。

イベント4:従業員を1人雇った

ここで一気に増えます。

2024年4月から、労働条件の明示事項が追加されています。厚生労働省の案内によれば、労働基準法施行規則第5条にもとづき「就業場所の変更の範囲」「業務の変更の範囲」の明示が全ての労働者に対して必要になり、有期契約では更新上限や無期転換申込機会の明示も加わります(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32105.html /2026年8月6日確認)。

必要になるもの

備考

労働条件通知書(改正後の明示事項に対応)

層1

厚労省のモデル様式が公開されています

労働者名簿・賃金台帳・出勤簿(法定三帳簿)

層1

労働基準法にもとづきます

労働時間の記録

層1

客観的な記録方法が求められます

給与計算と源泉徴収

層1

会計ソフトとは別機能のことが多いです

労働保険・社会保険の手続き

層1

雇用形態と労働時間で判定が変わります

1人目の雇用は、会社の管理コストが最も大きく跳ねる瞬間になります。ツールを増やす前に、まず何が義務なのかを社会保険労務士に一度確認する価値があります。

イベント5:フリーランス(従業員を使用しない個人事業者)に発注した

フリーランス・事業者間取引適正化等法が2024年11月1日に施行されています。公正取引委員会の特設サイトによれば、発注時に直ちに、書面または電磁的方法で取引条件を明示する義務があり、明示すべき事項として給付の内容、報酬の額、支払期日、当事者の名称、業務委託日、給付・役務提供の日と場所、検査完了日(検査する場合)、現金以外の支払方法に関する事項が挙げられています(https://www.jftc.go.jp/freelancelaw_2024/ /2026年8月6日確認)。

報酬の支払期日についても、給付を受け取った日から起算して60日以内のできる限り短い期間内で定め、その期日までに支払うこととされています。

必要になるもの

備考

発注時の明示(書面・メール等)

層1

テンプレート化しないと毎回抜けます

支払期日の管理

層1

60日以内のルールに関わります

外注費の記録

層1

会計処理と源泉徴収の判定に関わります

義務の内容は、委託期間や自社の従業員の有無によって異なります。該当範囲は公正取引委員会の資料で確認し、判断に迷う場合は専門家に相談してください。

イベント6:商談が月10件を超えた

必要になるもの

判定基準

営業管理(案件・次アクションの記録)

層2

「先週どこまで話したか」を思い出せなくなったら

イベント7:同時進行の案件が5件を超えた

必要になるもの

判定基準

案件の進捗・収支の管理

層2

案件ごとの利益が月末まで分からない状態になったら

イベント8:個人情報を取り扱い始めた

顧客名簿、応募者情報、従業員情報。個人情報保護法上の安全管理措置が必要になります。

必要になるもの

備考

アクセス権限を分けられる保管場所

層1

個人PCのローカル保存をやめます

生成AI等の外部サービス利用ルール

層1

個人情報保護委員会が生成AI利用に関する注意喚起を公表しています

イベント9:採用募集を始めた

必要になるもの

備考

応募者情報の管理と保存期間のルール

層1

個人情報として扱います

募集時の労働条件明示

層1

2024年4月から明示事項が追加されています

イベント10:コンテンツ発信・広告出稿を始めた

必要になるもの

備考

制作系(記事・バナー・スライド)

層3

発信を続ける前提なら量が効きます

効果測定

層3

出稿額が小さいうちは手作業で足ります


4. 業務別の最小構成一覧

イベントを一通り確認したうえで、業務ごとの最小構成を並べます。「0円で回る条件」と「そこが破綻するライン」を必ずセットで書きました。

#

業務

最小構成

0円で回る条件

破綻するライン

1

会計・決算

層1

法人向けクラウド会計

回りません(法人は実質必須です)

設立と同時

2

請求書の発行

層1

会計ソフト付属の請求機能、または表計算+PDF

月5枚以下で、インボイス記載事項を自力で満たせること

枚数が増える/記載要件の改正時

3

経費・領収書の保存

層1

クラウドストレージ+命名ルール

電子取引データの保存要件を自力で満たせること

検索要件を満たせなくなったとき

4

契約書・発注書

層1

Word/PDFテンプレート+メール送付

外注が月2社以下

外注が増え、明示漏れが出たとき

5

勤怠管理

層1(雇用後)

無料枠のある勤怠システム

従業員が無料枠の人数以内

無料枠の人数を超えたとき

6

給与計算

層1(雇用後)

給与計算ソフト、または税理士・社労士に委託

従業員1名で、自力で計算できること

2名以上/賞与・各種手当が出たとき

7

顧客・商談管理

層2

表計算1枚

商談が月10件以下

「先週どこまで話したか」を思い出せなくなったとき

8

案件・工数管理

層2

表計算1枚

同時案件5件以下

案件別の利益が月末まで見えなくなったとき

9

会議の記録

層3

無料の文字起こし

会議が短く、無料枠の1回あたり上限に収まること

1時間の会議を扱い始めたとき

10

資料・スライド

層3

既存のOffice/スライド生成の無料枠

月2〜3本

提案が増え、作成が業務を圧迫したとき

11

バナー・画像

層3

無料枠のあるデザインツール

月数枚

広告出稿でパターン検証を始めたとき

12

営業リスト

層3

手作業での収集

月20件以下

新規開拓を本格化したとき

この表の使い方

上から順に埋めます。1〜6が埋まっていない状態で9〜12を契約する会社が多いです。制作やAIの話は目に入りやすく、会計と労務の話は目に入りにくいからです。順番を逆にすると、後から是正の手間が発生します。

そして「0円で回る条件」を今週の実績で判定します。推測しません。先月の商談件数、案件数、請求書の枚数を数えます。


5. 【コピペ可】トリガー判定チェックリスト

自社に必要なものを15分で洗い出します。該当する□にチェックを入れ、右側のものが用意できているかを確認します。

【トリガー判定チェックリスト】判定日:____年__月__日

■ 層1:発生した瞬間に必要になるもの
□ 法人である                      → 会計(法人向け)/社会保険の適用手続き
□ 適格請求書発行事業者に登録した    → 記載事項を満たす請求書の発行手段
□ 請求書・領収書を電子で送受信した  → 電子取引データの保存方法とルール
□ 従業員を1人以上雇っている        → 労働条件通知書(2024年4月の改正後の様式)
                                     法定三帳簿/労働時間の記録/給与計算
□ フリーランスに業務委託している    → 発注時の取引条件の明示/支払期日の管理
□ 個人情報を保管している           → 権限を分けられる保管場所/外部AI利用のルール
□ 採用募集を出している             → 応募者情報の管理/募集時の労働条件明示

■ 層2:閾値を超えたら必要になるもの(先月の実績で判定)
□ 先月の商談件数が10件を超えた      → 営業管理
□ 同時進行の案件が5件を超えた       → 案件・工数の管理
□ 先月の請求書が20枚を超えた        → 請求書発行の自動化
□ 従業員が勤怠の無料枠人数を超えた  → 有料の勤怠システム

■ 層3:あると速くなるもの(月間工数で判定)
□ 会議の議事録に月5時間以上かけている    → 文字起こし
□ 資料作成に月5時間以上かけている        → スライド生成
□ 画像・バナー制作に月5時間以上かけている → 画像生成
□ リスト収集に月5時間以上かけている      → 営業リスト生成
□ 文章作成に月5時間以上かけている        → 文章生成AI

■ 判定
 層1のチェックのうち、対応できていないものが1つでもあれば、
 層2・層3の契約より先にそこを埋める。

■ 3か月後に再判定する
 層2の閾値は、事業が伸びれば必ず超える。四半期に1回、この表を見直す。

6. 【比較表】少人数の会社が実際に選べる10の選択肢

料金はすべて2026年8月6日に各社公式サイトで確認した記載にもとづきます。確認できなかったものは、そう書いています。

「1人でも契約できるか」と「人数が増えたときの増え方」を列に置きました。少人数の会社が後から困るのは、この2点だからです。

サービス

注力

対応する層・業務

公式に確認できた料金

1人で契約できるか/人数増加時

欠点・注意点

ドヤマーケAI(自社サービス)

★注力

層2〜3(営業管理・案件管理・勤怠・制作系・リスト・商談準備など14領域)

公開。 統一プラン月9,980円(税込)。14サービス使い放題・人数課金なし。無料版あり

1人で契約できます/人数が増えても月額は変わりません

会計・給与計算・請求書発行は含まれません(層1の中核が埋まりません)。汎用チャットAI・ドキュメント管理・Web会議も別途必要です。各領域の機能の深さは専業ツールに劣ります。実績が浅いです

マネーフォワード クラウド会計

層1(会計・決算)

公開。 法人向けスモールビジネス 年額53,760円(月額換算4,480円)/月払い5,980円、ビジネス 年額77,760円(月額換算6,480円)/月払い7,980円。いずれも税抜。1か月無料トライアルあり(クレジットカード登録不要と記載)

1人で契約できます

年払いと月払いで月額換算に差があります。税抜表記のため、実際の支払額は消費税分が上乗せされます。プラン間の機能差は要確認です

freee会計

層1(会計・決算)

確認できなかった。 公式料金ページに本記事の執筆時点でアクセスできず、金額を確認していない

未確認

本記事では公式情報を確認できていません。必ず公式サイトで直接確認してください

ハーモス勤怠

層1(雇用後の勤怠)

公開。 30名以下は無料(初期費用0円/データ保存1年/CSV出力は1時間に1度/広告表示あり)。有料は1人あたり月100円(税抜)〜、月額プランの最低利用料金3,000円(税別)、年額プラン33,000円(税別)。有給休暇管理/届出申請は1人あたり月100円(税抜)

1人で契約できます/30名までは0円です

無料プランはデータ保存1年・広告表示ありです。31名で有料化します。オプションは別課金で、積むと単価が上がります

Zoho CRM

層2(顧客・商談管理)

公開。 3ユーザーまで永久無料。スタンダード1,760円/ユーザー/月、プロフェッショナル3,260円、エンタープライズ5,660円、アルティメット7,360円(いずれも税抜)。年間契約で最大34%割引と記載。15日間の無料トライアルあり

1人なら0円です/4人目から人数課金です

人数課金です。営業が増えるほど比例して増えます。無料枠の3ユーザーを超えた瞬間に月額が発生します

Microsoft 365

層1(メール・ファイル共有)+層3(文書作成AI)

公開。 Business Basic 1,049円、Apps for business 1,499円、Business Standard + Copilot Business 3,523円、Business Premium + Copilot Business 4,797円(いずれも1ユーザーあたり月額・年払い・税抜)

1人で契約できます/完全に人数比例です

年間サブスクリプションの自動更新が前提の価格です。人数が増えると比例して増えます。制作系(バナー・スライド生成・営業リスト)は含まれません

Notta

層3(会議の記録)

公開。 フリー0円(月120分・1回につき3分まで・AI要約は月10回)、プレミアム月1,185円(税込・年払い月額換算/月1,800分)、ビジネス月2,508円(税込・同/時間無制限)。全て税込表記

1人で契約できます

フリープランは1回3分までのため、実際の会議には使えません。話者の識別誤りは残り、配布前の確認は消えません

ChatGPT

層3(文章作成・調査)

一部公開。 無料プランは0米ドル(モデルへのアクセス・メッセージ数・アップロード数に制限があると公式料金ページに記載)。Plusは月20米ドル(billed monthly/公式ヘルプ記載)。Business/Enterpriseは問い合わせ制

1人で契約できます/人数分の契約が必要です

ドル建てのため円換算額が為替で動きます。業務データが蓄積されず、都度プロンプトを貼り直す運用になります

ウリゾウ(Urizo)

層3(営業リスト)

公開。 無料0円(1週間・計1,500件まで)、Basic月9,900円(5,000件)、Standard15,400円、Premium23,100円、Super Premium44,000円。税込。初期費用5,500円(初月のみ)。銀行振込は6か月以上の契約が条件と記載

1人で契約できます

単体で月1万円近いです。少人数の会社では、これ1本で予算の大半を使います。収集元サイトの利用規約確認は利用者の責任になります

Gamma

層3(スライド)

一部確認。 Free(1プロンプトあたり10スライドまで)、Plus(同75スライドまで)、Pro、Ultraの4プラン構成を公式ページで確認。金額は公式ページ上で確認できなかった

未確認

本記事では料金を確認できていません。検討する場合は公式サイトで直接確認してください。無料プランはスライド数に上限があります

表から読み取るべきこと

1つ目。層1の中核(会計・給与計算・請求書発行)は、AI系の統合サービスでは埋まりません。ドヤマーケAIも含めて、ここは会計ソフトの領域になります。層1を先に埋めるという原則は、どのサービスを選んでも変わりません。

2つ目。人数課金があるものとないものを、最初に仕分けます。一人社長のうちは差が出ません。3人、5人と増えたときに、人数課金のサービスだけが比例して増えます。Zoho CRMは3ユーザーまで無料ですが4人目から課金され、Microsoft 365は最初から人数比例になります。

3つ目。無料枠には必ず上限の但し書きがあります。Nottaのフリープランは1回3分まで、ハーモス勤怠の無料プランはデータ保存1年で広告表示あり、Zoho CRMの無料枠は3ユーザーまでです。上限の内容が自社の使い方に合っているかを、契約ではなく利用の前に確認します。


7. 一人社長の最小構成(実額)

第4章と第6章を踏まえて、実際に組んだ場合の金額を出します。

構成A:従業員なし・外注なしの一人社長

  マネーフォワード クラウド会計(スモールビジネス・年払い)
                              月額換算4,480円(税抜)
  Microsoft 365 Business Basic(1名)
                              月額1,049円(税抜・年払い)
  Zoho CRM(1ユーザー)             0円(3ユーザーまで無料)
  Notta フリー                      0円(会議が短い前提)
  ─────────────────────────────
  合計                        5,529円(税抜)

層1の会計と、メール・ファイル共有の土台が埋まります。制作系は入っていません。

構成B:従業員2名を雇った

  構成Aの内容                 5,529円(税抜)
  Microsoft 365 Basic 追加2名 2,098円(税抜・1,049円×2)
  ハーモス勤怠(3名)               0円(30名以下は無料プラン)
  給与計算                      別途(ソフト契約または税理士・社労士へ委託)
  ─────────────────────────────
  合計                        7,627円(税抜)+給与計算の費用

給与計算の費用がここに乗ります。自社でソフトを契約するか、税理士・社会保険労務士に委託するかで金額が大きく変わります。委託する場合は月額数千円から数万円の幅があるため、複数社に見積もりを取ります。

構成C:発信と営業を本格化させる

構成Bに制作系(記事・バナー・スライド)と営業リスト、商談準備を足す場合です。

単品で積むと、営業リストのウリゾウBasicだけで月9,900円(税込)+初月の初期費用5,500円になります。ここに制作系を足すと、層3だけで層1・層2の合計を超えます。

統合型を1本にする場合は、ドヤマーケAIの統一プラン月9,980円(税込)で14領域が入ります。

【単品で積む場合】
  構成B                       7,627円(税抜)
  営業リスト(ウリゾウBasic)  9,900円(税込・初月+5,500円)
  制作系(複数サービス)        金額は各社の公式ページで要確認
  ─────────────────────────────
  合計                        17,527円以上(税表記が混在)

【統合型を1本にする場合】
  構成B                       7,627円(税抜)
  ドヤマーケAI 統一プラン      9,980円(税込・14領域・人数課金なし)
  ─────────────────────────────
  合計                        17,607円(税表記が混在)

金額はほぼ並びます。差が出るのは契約先の数人数が増えたときの伸び方になります。前者は9社と3社、後者は人数課金の有無で分かれます。


8. 判断フローチャート

START
 │
 ├─ 層1のチェックリストで未対応がある?
 │    └─ YES → そこを先に埋める。層2・層3の契約は保留する
 │    └─ NO  ↓
 │
 ├─ 先月の商談件数が10件を超えた?
 │    └─ NO  → 表計算1枚で足りる。次の四半期に再判定
 │    └─ YES ↓
 │
 ├─ 1年以内に人数が3人を超える見込みがある?
 │    └─ YES → 人数課金がないサービスを優先して比較する
 │    └─ NO  ↓
 │
 ├─ 使いたい領域はいくつある?
 │    ├─ 3領域以下 → 単品を必要な分だけ契約するほうが安い
 │    └─ 4領域以上 → 統合型と単品積み上げの合算を比較する
 │
 └─ 最後に:契約前に無料版・無料枠で「自社の実データ」を1回通す

9. ツールでは解決しない部分

9-1. 義務を知らないことは、ツールでは検出できない

第3章のイベント4(初めての雇用)と5(初めての外注)は、多くの一人社長が義務の存在を知らないまま通過します。ソフトを契約しても、契約していない領域の義務は教えてくれません。設立から1年以内に一度、税理士か社会保険労務士に「今の状態で足りていないもの」を洗い出してもらうほうが早いです。

9-2. 入力されないデータは、何を入れても集計されない

案件管理を契約しても、案件を登録しなければ何も出ません。一人社長は入力の督促をしてくれる人がいないため、入力が止まる速度が速いです。入力項目を最小にして始めます。最初から項目を作り込むと、確実に止まります。

9-3. 判断は代わってもらえない

値決め、受注可否、雇用の判断。ここは道具の外にあります。AIが材料を出すところまでは進みますが、決めるのは社長本人になります。

9-4. 一人でやっていること自体は変わらない

作業が速くなっても、相談相手が増えるわけではありません。ここは顧問、同業のつながり、外部のアドバイザーで埋める領域になります。

9-5. 契約が増えれば、管理する対象も増える

3本の契約は管理できます。10本になると、何を契約しているか自分でも分からなくなります。契約本数そのものが管理コストになることを、増やす前に見込んでおきます。


10. FAQ

Q1. 一人社長に本当に必要なツールは、結局いくつですか。

従業員も外注もいない状態なら、会計、請求書発行、電子取引データの保存場所、メール・ファイル共有、顧客の記録、この5つの機能で足ります。第7章の構成Aは月5,529円(税抜)で、うち会計が4,480円を占めます。残りは無料枠でも回ります。

Q2. 無料のツールだけで済ませられませんか。

層3(制作・記録・リサーチ)は無料枠でかなり回ります。層1の会計は、法人の決算と申告に関わるため無料で済ませにくいです。判断のポイントは、無料枠の上限が自社の使い方に合っているかになります。Nottaのフリープランは1回3分まで、Zoho CRMは3ユーザーまでと、上限は公式に明記されています。

Q3. 従業員を雇う前に、何を準備しておくべきですか。

労働条件通知書の様式、法定三帳簿、労働時間の記録方法、給与計算の手段の4つです。厚生労働省は2024年4月からの明示事項の追加についてモデル様式を公開しています。手続きの順序と要否は、雇用形態と労働時間で変わるため、社会保険労務士に一度確認してください。

Q4. 外注に発注するときは、毎回書面が必要ですか。

フリーランス・事業者間取引適正化等法は、発注時に直ちに書面または電磁的方法(メール、SNS等)で取引条件を明示することを求めています。公正取引委員会の資料には明示すべき事項が列挙されています。義務の範囲は委託期間や自社の従業員の有無で異なるため、公正取引委員会の資料で該当範囲を確認し、判断に迷う場合は専門家に相談してください。メールでの明示が認められる以上、テンプレートを1本作っておくのが実務的になります。

Q5. 人数が増えたとき、月額はどれくらい伸びますか。

人数課金の有無で分かれます。Microsoft 365は1ユーザーあたりの単価がそのまま比例します。Zoho CRMは3ユーザーまで無料でその先が1ユーザーあたり月1,760円(税抜)から、ハーモス勤怠は30名以下が無料でその先が1人あたり月100円(税抜)からと公式に記載があります。契約前に「3人になったらいくら」「10人になったらいくら」を計算しておきます。

Q6. 統合型のサービスを1本入れれば、全部まかなえますか。

まかなえません。会計、給与計算、請求書発行という層1の中核は、AI系の統合サービスの範囲外になります。自社のドヤマーケAIも同じで、統一プランに含まれるのは営業・制作・人事・案件管理の領域になります。層1は会計ソフトで、層2・層3を統合型でという分担になります。

Q7. 途中で乗り換えるとしたら、何に注意すればいいですか。

データの持ち出し可否と、締めのタイミングの2つです。会計と勤怠は締め日の途中で切り替えると集計が分断されます。期首または締め日の翌日に切り替えます。加えて、無料プランはデータ保存期間に制限があることがあるため(ハーモス勤怠の無料プランはデータ保存1年と公式に記載)、乗り換え前にエクスポートできる範囲を確認します。


11. 今週やること

  1. 第5章のチェックリストで、層1の未対応を洗い出します。15分で終わります。ここに未対応が残っているうちは、他の契約を増やしません。

  2. 先月の商談件数・同時案件数・請求書枚数を数えます。層2の閾値判定は、推測ではなく実績で行います。

  3. 無料枠で試せるものは、自社の実データを1回通します。カタログの機能一覧ではなく、自社のデータで出力を見ます。


層1(会計・請求・労務)は埋まっていて、そのうえで営業管理・案件管理・制作・リストといった層2と層3を4領域以上使いたい。そして1年以内に人が増える見込みがある。この条件なら、自社サービスのドヤマーケAIが候補になります。統一プラン月9,980円(税込)で14サービスが人数課金なしで使えるため、増員しても月額が動きません。無料版があるので、自社のデータを入れて出力を確認してから判断できます。会計・給与計算・請求書発行は含まれないので、そこは別に用意してください。

  • ドヤマーケAI 14サービス一覧:https://doya-ai.surisuta.jp/all-in-one

本記事で参照した公式ページ(すべて2026年8月6日確認)

  • 日本年金機構「適用事業所と被保険者」:https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/jigyosho/20150518.html

  • 国税庁「消費税インボイス制度特設サイト」:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice.htm

  • 国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト」:https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/index.htm

  • 厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32105.html

  • 公正取引委員会「フリーランス法特設サイト」:https://www.jftc.go.jp/freelancelaw_2024/

  • マネーフォワード クラウド会計 料金:https://biz.moneyforward.com/accounting/price/

  • ハーモス勤怠 料金:https://hrmos.co/kintai/price/

  • Zoho CRM 料金:https://www.zoho.com/jp/crm/zohocrm-pricing.html

  • Microsoft 365 法人向けプラン比較:https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/business/compare-all-microsoft-365-business-products

  • Notta 料金:https://www.notta.ai/pricing

  • OpenAI ChatGPT料金:https://chatgpt.com/pricing

  • ウリゾウ 料金:https://urizo.jp/price/

  • Gamma 料金:https://gamma.app/pricing

  • ドヤマーケAI 14サービス一覧:https://doya-ai.surisuta.jp/all-in-one

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この記事の著者

Katuski.Mitsumori

三森 捷暉(みつもり かつき)

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BtoBマーケティング × SEO × AI活用 専門家|株式会社スリスタ 代表

BtoBマーケティング、SEO、コンテンツマーケティング、生成AI活用を専門とするマーケター/事業責任者です。
2021年、新卒第1号として株式会社Piece to Peace(CarryMe)に入社し、広報・マーケティング・デザイン・コンテンツ制作を横断的に担当。SEO記事、比較記事、ホワイトペーパー、ウェビナー、広告施策を組み合わせた商談創出の仕組み化を推進してきました。

その後、株式会社スリスタ(設立:2025年3月14日/代表:三森 捷暉)を設立。
現在はスリスタにて、AIを活用したマーケティング業務の自動化・省力化に注力しています。

スリスタでは、SEO記事制作、比較記事、一次情報設計、バナー制作、構成案作成といったマーケティング業務を、ユーザーが「選ぶだけ」「スワイプするだけ」で進められる設計思想をもとに、AIツールとして実務レベルで実装。
マーケティングを「1人でも回せる状態」にするための仕組みづくりを行っています。
ウェビナー・登壇実績
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URL:https://carryme.jp/webinar58_20251126_ntt_webinar
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