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物件チラシの内製は、ツールを1つ選ぶ話ではありません。業者間に流すマイソクと、エンド向けの反響チラシは、求められるものが逆だからです。前者は物件データを正確に流し込む仕組みが要り、後者はビジュアルの手数が要ります。この記事では12ツールを「物件ごとに変わる情報をどこで埋めるか」で3類型に分け、公式サイトで確認できた料金だけを掲載しました。あわせて表示規約の必須記載チェックリストと、生成プロンプトの全文をお渡しします。
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この記事で分かること
物件チラシを「業者間マイソク」と「反響チラシ」に分けると、選ぶツールが変わる理由
12ツールを3類型で比較した表(公式サイトで確認できた料金のみ記載)
表示規約の別表に基づく必須記載事項チェックリスト(賃貸23項目・売買26項目)
物件チラシのビジュアルを作るAIプロンプト全文
間取り図と室内写真でAIを使ってはいけない線引き
価格改定・成約が発生したときの差し替え運用
1. 結論:チラシを1種類だと思っている限り、ツール選定は失敗する
不動産会社が作る紙・画像の制作物は、実務上は少なくとも3種類あります。
制作物 | 主な読み手 | 求められるもの | 更新頻度 |
|---|---|---|---|
業者間マイソク(募集図面) | 他社の営業担当 | 条件の網羅性と正確さ。デザイン性は不要です | 条件変更のたび |
エンド向け反響チラシ(ポスティング・店頭・オープンハウス) | 一般消費者 | 目を引くビジュアルと短い訴求 | キャンペーンごと |
ポータル・SNS用バナー(自社サイト、Instagram、LINE) | 一般消費者 | サイズ違いの量産 | 週次 |
このうちAIで内製する価値が高いのは2番目と3番目です。1番目のマイソクは、AIに絵を描かせる領域ではなく、物件データベースから機械的に流し込む領域になります。ここを取り違えて「AIバナーツールでマイソクを作ろう」とすると、条件の転記ミスが起きます。逆に「賃貸管理システムの図面出力でポスティングチラシを作ろう」とすると、白黒の条件表がそのまま印刷されて反響が出ません。
選定の第一歩は、いま自分が困っているのがどの制作物かを確定させることです。
2. 独自の分類軸:「物件ごとに変わる情報」を誰が埋めるか
ツールを機能名で並べても選べません。物件チラシの本質は、毎回変わる情報(賃料・面積・所在地・写真)と、毎回変わらない枠(レイアウト・自社ロゴ・免許番号)が混在していることにあります。そこで、変わる情報を誰が埋めるかで3類型に分けます。
類型D:データ差し込み型
物件データベースに登録された情報を、決まったレイアウトに機械が流し込みます。人がやるのは物件登録だけです。賃貸管理システム・不動産業務システムの図面出力機能がこれにあたります。
強い場面:業者間マイソク、募集図面、条件変更が頻繁な賃貸
弱い場面:デザインを変えたいとき。レイアウトは基本的に固定です
類型T:テンプレート手打ち型
用意されたテンプレートの上で、人が文字と写真を差し替えます。Canva、Adobe Express、パワポンなど汎用デザインツールがこれです。
強い場面:オープンハウス告知、キャンペーンチラシ
弱い場面:物件数が増えたとき。1枚あたりの作業時間が減りません
類型G:AI生成型
訴求内容を渡すと、構図・配色・コピーの配置までAIが作ります。ドヤバナーAIなどのAIバナー生成ツール、画像生成AIがこれです。
強い場面:同じ物件で訴求違いを複数出したいとき、SNS用の量産
弱い場面:条件表のような正確さが要る情報。数字はAIに書かせません
3類型と制作物の対応
業者間マイソク | 反響チラシ | SNS・ポータル用バナー | |
|---|---|---|---|
D:データ差し込み型 | ◎ 本領 | △ 見た目が硬いです | × サイズ展開できません |
T:テンプレ手打ち型 | △ 転記が手作業になります | ◎ 本領 | ◯ 枚数が増えると重いです |
G:AI生成型 | × 数字の正確さを担保できません | ◯ ビジュアル部分のみ | ◎ 本領 |
この表が示すのは、1本のツールで全部やろうとしないほうが早いということです。実務では「D型で図面を出す」「G型で反響用のビジュアルを作る」の2本立てが現実的な着地になります。
3. 比較表①:業者間マイソク・募集図面を出す側(類型D・代行)
ツール/サービス | 注力 | 類型 | 物件データの流し込み | 間取り図の扱い | 出力 | 料金(2026年8月6日に公式サイトで確認) | 正直な弱点 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
ReDocS | — | D | 登録済み物件情報からボタン操作で募集図面を出力します | 物件写真・間取り図を図面に載せます | ライト月2,980円(100区画)/ミドル月6,980円(500区画)/アドバンス月12,480円(1,000区画)※いずれも税別。初回登録料49,800円(税別)。30日間無料トライアル(https://theredocs.com/price ) | レイアウトの自由度は低いです。カスタマイズは別途相談になります。デザイン性の高い反響チラシは作れません | |
いえらぶCLOUD | — | D | 物件情報からチラシを作成する機能を提供しています | 物件情報に紐づく画像を利用します | 公式ページで確認 | 公式の料金ページを本記事の確認手段では取得できず(403応答)、金額を確認できませんでした。公式サイトまたは営業窓口で確認してください(https://ielove-cloud.jp/price/ ) | 金額を事前に把握できず、稟議に上げる前に問い合わせが必要です |
賃貸革命(日本情報クリエイト) | — | D | 賃貸管理システムです。書式自由編集機能と200種以上のテンプレートを掲載しています | 公式の該当ページに図面作成機能の明記はありません | 公式ページで確認 | 管理戸数200戸未満向けページに「月々17,600円(税別)から」と記載があります。プラン別の内訳・初期費用は非公開です(https://www.n-create.co.jp/pr/l/kakumei-chintai_price/ ) | 図面・チラシ作成の詳細が公式ページからは読み取れません。管理戸数帯で価格が変わるため実額は要見積もりです |
アットホーム 図面作成サービス | — | 代行 | 物件資料を預けて制作を委託する外注型です | 間取り図・案内図の単体作成、CGパース、室内イメージ画像にも対応します | 納品物として受領します | 公式ページに料金の記載がなく、金額を確認できませんでした(問い合わせ窓口が案内されています)(https://business.athome.jp/lp/zumensakusei/ ) | 依頼から最短3日と公式に記載があり、当日中に直したい修正には向きません。件数が増えると費用が線形に増えます |
マイソク作成ツール(Virtual Staging AI提供) | — | T | 物件情報をフォームに手入力します | 用意した間取り図画像を配置します | ブラウザ上でA4のPDF出力 | 完全無料・会員登録不要と明記されています。入力データはブラウザにのみ保存されサーバーに送信されないと記載があります(https://www.virtualstaging.art/ja/tools/maisoku-sakusei ) | テンプレートは4種(クラシック/モダン/フォト重視/エディトリアル)です。自社の書式に合わせ込む用途には向きません |
この層の選び方はシンプルです。すでに賃貸管理システムを入れているなら、そこに図面出力があるかを先に確認します。あるならツールを増やす必要はありません。入れていない、または管理戸数が少なく月額を払うほどではないなら、無料のマイソク作成ツールで足ります。
4. 比較表②:反響チラシ・SNSバナーを作る側(類型T・G)
ツール | 注力 | 類型 | 物件写真の扱い | サイズ展開 | 印刷入稿 | 料金(2026年8月6日に公式サイトで確認) | 正直な弱点 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
ドヤバナーAI(自社) | ★注力 | G | 用意した物件写真を素材として使います。文字はレイヤーで載るため賃料・面積が崩れません | 訴求違いを同時生成します | PNG・JPGでの書き出しに対応します。印刷入稿用のCMYK変換・トンボ付きPDF出力には対応していません | 月9,980円(税込)の統一プランで全14サービス使い放題です。無料版は月15枚までです(https://doya-ai.surisuta.jp/banner/dashboard ) | 印刷所へ入稿するデータ形式(CMYK・トンボ・塗り足し)を直接出せません。A4チラシを印刷に回すなら、生成した画像を別ソフトで入稿データに組み直す工程が残ります。不動産専用のテンプレートを持っているわけでもありません。実績も浅いです |
Adobe Express | — | T+G | 写真の背景除去、Fireflyによる素材生成に対応します | テンプレートからのサイズ変更 | 印刷用の書き出しに対応します(詳細は公式ヘルプ参照) | 無料0円(税込)/プレミアム月1,180円(税込)/Adobe Firefly Pro月3,180円(税込)/グループ版1ライセンス月440円(税込・初年度特別価格)/エンタープライズは要問い合わせです(https://www.adobe.com/jp/express/pricing ) | 生成クレジットに上限があります。物件数が増えると1枚ずつの作業時間がそのまま積み上がります |
Canva | — | T | 写真の配置・背景除去に対応します(有料機能あり) | マジックリサイズ | PDF書き出しに対応します | 公式の日本語料金ページから金額表示を取得できませんでした(要確認)。無料プランと有料プランが提供されています | 日本語書体を差し替えるとレイアウトが崩れることがあります。作業は基本的に手作業です |
Microsoft Designer | — | T+G | 画像生成とレイアウト提案を行います | 用途別のサイズ変更 | 画像書き出し | 無料で利用できます。Microsoft 365の契約でクレジットが増えます(金額は各プランに準拠します) | AIが描いた部分に文字を混ぜると崩れやすいです。印刷入稿の規定管理機能はありません |
パワポン(アスクル) | — | T | 自分で写真を差し込みます | テンプレートごとに固定 | pptx形式のため印刷所の受付形式は要確認です | テンプレートは全て無料です。アスクルのネット印刷「パプリ」のパプリ会員登録(無料)でダウンロードできます。テンプレートはpptx形式です(https://ppon.askul.co.jp/ ) | PowerPointでの編集が前提です。写真の縦横比を変えるとレイアウトが崩れます。商用利用条件は利用規約で必ず確認してください |
Photoroom | — | G | 商品・被写体の背景差し替えが主機能です | 用途別サイズ | 画像 | プラン構成は公式ページに掲載されていますが、金額表示を取得できませんでした(要確認)(https://www.photoroom.com/pricing ) | EC向け商品画像が主戦場です。物件チラシの情報レイアウト機能はありません |
ChatGPTの画像生成(OpenAI) | — | G | 参考ビジュアル・イメージカットを生成します | 都度指定 | 画像 | 無料プランあり/Plus月$20(https://openai.com/chatgpt/pricing/ ・プラン構成の改定が多いため要確認) | 生成後に文字をレイヤーとして直せません。賃料や面積を画像内に描かせてはいけません |
表の読み方
反響チラシ側で見るべき列は、「物件写真の扱い」と「印刷入稿」の2つです。不動産チラシは自社で撮った外観・室内写真を使います。写真をゼロから生成するツールは、この用途では価値が出ません。むしろ「手元の写真をきれいに載せられるか」で選びます。
印刷に回すなら、入稿データの要件(後述)を満たす書き出しができるかを必ず確認します。多くのAI生成ツールはRGBのPNG出力までで、CMYK変換とトンボ付きPDFは別工程になります。
5. 【コピペ可】チラシに必ず載せる表示事項チェックリスト
不動産広告は「不動産の表示に関する公正競争規約」の対象になります。同規約第8条に基づく別表に、必要な表示事項が物件種別ごとに定められています。以下は不動産公正取引協議会連合会が公開している別表(https://www.rftc.jp/webkanri/kanri/wp-content/uploads/2018/08/beppyou.pdf ・2026年8月6日確認)から、賃貸と分譲住宅の項目を書き出したものです。デザインを作る前に、この項目が入る「枠」がテンプレートにあるかを確認します。
賃貸マンション・アパート(別表8)
【広告主に関する事項】
□ 広告主の名称又は商号
□ 広告主の事務所の所在地
□ 広告主の事務所の電話番号
□ 宅建業法による免許証番号
□ 所属団体名及び公正取引協議会加盟事業者である旨
□ 取引態様(貸主・代理・媒介(仲介)の別)
【物件に関する事項】
□ 物件の所在地
□ 交通の利便
□ 賃貸戸数
□ 専有面積
□ 構造及び階数
□ 建物の建築年月(又は入居予定年月)
【費用に関する事項】
□ 賃料
□ 礼金等
□ 敷金、保証金等
□ 住宅総合保険等の損害保険料等
□ 家賃保証会社等と契約することを条件とするときはその旨及びその額
□ 管理費又は共益費等
□ 駐車場、倉庫等の設備の利用条件
【契約に関する事項】
□ 定期建物賃貸借であるときはその旨及びその期間
□ 入札及び競り売りの方法による場合の事項
□ 取引条件の有効期限
□ 情報登録日又は直前の更新日及び次回の更新予定日
分譲住宅(別表4)
【広告主に関する事項】
□ 広告主の名称又は商号
□ 広告主の事務所の所在地
□ 広告主の事務所の電話番号
□ 宅建業法による免許証番号
□ 所属団体名及び公正取引協議会加盟事業者である旨
□ 取引態様(売主・代理・媒介(仲介)の別)
□ 広告主と売主とが異なる場合は、売主の名称又は商号及び免許証番号
□ 売主と事業主とが異なる場合は、事業主の名称又は商号
【物件に関する事項】
□ 物件の所在地
□ 交通の利便
□ 総戸数
□ 販売戸数
□ 土地面積及び私道負担面積
□ 用途地域
□ 建物面積
□ 建物の主たる部分の構造
□ 連棟式建物であるときは、その旨
□ 宅建業法第33条に規定する許可等の処分の番号
□ 主たる設備等の概要
□ 道路の幅員
□ 建物の建築年月(又は入居予定年月)
【価格・契約に関する事項】
□ 価格及び負担金等
□ 借地の場合の事項
□ 入札及び競り売りの方法による場合の事項
□ 取引条件の有効期限
□ 情報登録日又は直前の更新日及び次回の更新予定日
物件種別ごとに別表が分かれており(分譲宅地、現況有姿分譲地、売地・貸地、分譲住宅、新築賃貸マンション等)、必要な項目は種別で変わります。扱う物件種別に対応する別表を必ず自分で確認してください。個別の判断に迷う場合は、所属する公正取引協議会に照会します。
表示の方法にも規定がある
首都圏不動産公正取引協議会は、ポスティングチラシの表示方法について「見やすい場所に、見やすい大きさ(原則として7ポイント以上)、見やすい色彩の文字により、分かりやすい表現で明りょうに表示しなければならない」としています(https://www.sfkoutori.or.jp/jireikoukoku/hitsuyo-hyojikijun/ ・2026年8月6日確認)。
つまり、必須事項を小さくして端に押し込むデザインは規定に反します。AIにレイアウトを作らせるときは、この「7ポイント以上」が確保できる面積を先に空けておきます。デザインを作ってから文字を詰め込むと、必ずここで破綻します。
6. 【コピペ可】物件チラシのビジュアルを作るAIプロンプト
AIに任せるのはビジュアルと訴求コピーの案出しまでで、条件表は自分で入れます。この分業を前提にしたプロンプトを2本置きます。
プロンプト①:反響チラシの訴求コピー案を出す
あなたは不動産の反響チラシを作るコピーライターです。
以下の物件について、ポスティングチラシ用の訴求コピー案を作ってください。
# 物件情報
- 種別:(例:ファミリー向け賃貸マンション)
- 所在地:(例:〇〇市〇〇町、最寄駅から徒歩8分)
- 間取り・面積:(例:3LDK・68.5㎡)
- 賃料:(例:月〇〇円/管理費〇〇円)
- 設備で特筆すべき点:(例:追い焚き、独立洗面、宅配ボックス、南向き)
- 周辺環境:(例:小学校まで徒歩5分、スーパーが2軒)
# ターゲット
(例:小学校入学前後の子どもがいる30代夫婦。現在は近隣の1LDKに居住)
# 出力してほしいもの
1. メインコピー(15文字以内)を5案。ターゲットの生活が変わる点を言う
2. サブコピー(30文字以内)を5案。メインコピーを補足し、具体的な数字を1つ含める
3. 各案について「この案が刺さる読み手」を1行で
# 禁止事項
- 「完璧」「万全」「日本一」「最高」「業界初」などの断定的・最上級の表現は使わない
- 「必ず」「絶対」など、根拠を示せない断定は使わない
- 私が提示していない設備・条件を勝手に付け加えない
- 家賃や面積の数字を変えない。書き換えが必要なら指摘だけする
プロンプト②:チラシのビジュアル面(背景・トーン)を作る
不動産の反響チラシに使う背景ビジュアルを生成してください。
# 用途
(例:ファミリー向け賃貸マンションのポスティングチラシ A4縦)
# 構図の条件
- 画面の上部40%を背景ビジュアル、下部60%は無地の余白にする
(下部には物件写真と条件表を後から載せるため)
- 余白側は白または淡い単色。文字が読める明度差を確保する
- 画像内に文字は一切入れない
# トーン
(例:明るい昼光、暖色寄り、生活感のある落ち着いた雰囲気)
# 禁止事項
- 実在しない建物の外観・室内を、その物件であるかのように見える形で描かない
- 間取り図・図面を描かない
- 人物の顔がはっきり写る構図にしない
プロンプト②の禁止事項は飾りではありません。AIが描いた「それらしい室内」を実際の物件写真の代わりに使うと、実物と異なる情報を掲げたことになります。イメージ画像として使うなら、後述するルールに従います。
7. 間取り図をAIに描かせてはいけない
これは強調しておきます。間取り図は、AI画像生成で作ってはいけません。
理由は3つあります。
寸法が実測と一致しません。画像生成AIは「間取り図らしい絵」を描きます。壁の位置、開口部、柱、面積表記のいずれも実測を反映しません
修正が効きません。生成された間取り図は画像であってデータではありません。1箇所直すために全部作り直しになります
実物と異なる表示は不当表示のリスクになります。宅地建物取引業法第32条は誇大広告等を禁止しており、著しく事実に相違する表示は問題になります。間取り図は物件の中身そのものを示す図なので、ここでの相違は言い逃れができません
間取り図が必要なら、実測に基づいて作ります。手段は3つあります。
手段 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|
賃貸管理システムに登録済みの図面を使う | 自社管理物件 | 改装・設備更新後に更新されているか確認します |
図面作成の代行サービスに出す | 図面がない、または品質を揃えたい | アットホームの図面作成サービスは公式ページで「ご依頼から最短3日」と記載があります。料金は非公開で問い合わせが必要です |
間取り図作成の専用ソフトで自作する | 件数が少ない、社内に作業者がいる | 実測値の入力が前提です。撮影した図面のトレースでは寸法誤差が残ります |
AIが関与してよいのは、すでにある間取り図画像を、チラシのレイアウト内に配置する工程だけです。
8. 室内写真をAIで加工する線引き
空室の写真に家具を合成する「バーチャルステージング」は、内製で使われる場面が増えています。ここには明確な注意喚起が出ています。
不動産流通の業界紙R.E.portの報道によれば、公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会は、仮想設置する家具は「その部屋に搬入できることが大前提」であり、搬入不可能な家具を置くことは優良誤認に該当する不当表示になると指摘しています。具体例として、玄関の大きさが十分でも共用廊下の幅やエレベーターが障害となって住戸内まで運搬できない場合があることが挙げられ、個別物件を熟知する不動産会社の側が、物件ごとに搬入可能な家具を選べるようにするなどの対応をとるべきとされています(https://www.re-port.net/article/news/0000070446/ ・2026年8月6日確認)。
実務に落とすと、次のようになります。
やってよいこと
空室に、その部屋に実際に搬入できるサイズの家具を合成する
合成であることを画像上または近接する位置に明示する
明るさ・色かぶりの補正(現況を著しく変えない範囲)
やってはいけないこと
搬入経路を確認していない大型家具を置く
実際にはない設備(エアコン、収納、床暖房など)を描き足す
眺望を実際と異なるものに差し替える
傷・汚損・設備の劣化を消す
必ずやること
合成画像であることの明示。表示位置は読み手が見落とさない場所にする
元の現況写真も併せて用意する
判断に迷う加工は、所属する公正取引協議会に事前照会します。ここは「たぶん大丈夫」で進めてよい領域ではありません。
9. 価格改定と成約に耐える差し替え運用
チラシ内製が続かない最大の理由は、作ることではなく直すことにあります。賃料の改定、フリーレントの追加、成約による掲載終了。この3つが週単位で起きます。
差し替えを軽くする3つの設計
設計1:数字は必ず「後から差し替えられる場所」に置く
賃料・面積・築年月といった数字は、画像に焼き込みません。テキストレイヤーとして持ちます。AIバナーツールなら文字がレイヤーとして残る方式を選びます。画像生成AIで数字ごと描かせると、1円直すために全部作り直しになります。
設計2:ファイル名に版と日付を入れる
物件番号_媒体_版数_YYYYMMDD.拡張子
例:
A0231_posting_v3_20260806.pdf
A0231_insta_v3_20260806.png
A0231_maisoku_v3_20260806.pdf
版数を物件単位で揃えておくと、「ポスティングだけ旧賃料のまま配られた」という事故が止まります。
設計3:成約時のチェックリストを1枚持つ
【成約時 掲載停止チェック】物件番号:______ 成約日:____/__/__
□ 自社サイトの掲載停止
□ ポータルサイトの掲載停止(サイト名を列挙:__________)
□ Instagram/LINEの投稿削除または「成約御礼」への差し替え
□ 店頭掲示の撤去
□ 印刷済みポスティングチラシの配布停止指示(配布業者へ連絡:__________)
□ 業者間マイソクの配信停止
□ 社内共有フォルダのファイルを「_成約済」フォルダへ移動
※印刷済みの紙は回収できない。印刷部数は「その条件が続く期間」から逆算して決める
最後の1行が実務上いちばん重要です。紙は取り消せません。成約が早い物件のチラシを1万部刷ると、成約後も配られ続けます。内製化して刷るハードルが下がるほど、この事故は起きやすくなります。
10. 印刷に回すときのデータ要件
画面用の画像と印刷用のデータは別物です。ラクスルが公開しているチラシ・フライヤーの印刷用データ作成ガイド(https://raksul.com/guide/create-data/item/flyer/guide/ ・2026年8月6日確認)には、次の指定があります。
項目 | 公式に示されている指定 |
|---|---|
解像度 | 原寸(拡大縮小しない100%の大きさ)で350〜400dpi |
文字サイズ | 6pt以上で制作します。6pt未満は印刷時にかすれ・つぶれの可能性があります |
線幅 | 0.3pt(0.1mm)以上 |
塗り足し | 仕上がり位置より外側に3mmの塗り足しを作成します |
文字・デザインの配置 | 切れては困る要素は仕上がり位置より3mm以上内側にします |
カラーモードや対応形式は印刷会社によって異なるため、依頼先のガイドで必ず確認します。
ここで効いてくるのが解像度です。AIバナー生成ツールの出力は、画面用の解像度で書き出されることが多いです。A4(210×297mm)を350dpiで出すには約2,894×4,093ピクセルが必要になります。画面用の1,200ピクセル程度の画像をA4に引き伸ばすと、写真も文字も粗くなります。
対処は2つあります。
印刷するチラシは、AI生成した背景を「素材」として使い、レイアウトは印刷対応のツールで組みます。AI生成→書き出し→デザインツールに配置→入稿データ化、という流れにします
紙をやめます。ポスティングをやめてSNSと自社サイトに寄せるなら、解像度の問題は消えます。物件によってはこちらのほうが費用対効果が高いです
11. 判断フローチャート
Q1. いま作ろうとしているのは何か?
├─ 業者間マイソク・募集図面
│ │
│ └→ Q2. 賃貸管理システム・不動産業務システムを導入済みか?
│ ├─ YES → そのシステムの図面出力機能を使う。
│ │ ツールを追加しない。まず出力サンプルを確認する
│ └─ NO → Q3. 月に何件の図面を作るか?
│ ├─ 10件未満 → 無料のマイソク作成ツールで足りる
│ └─ 10件以上 → 管理システムの導入を検討する
│ (区画数課金のため、管理戸数から試算する)
│
├─ エンド向け反響チラシ(紙)
│ │
│ └→ Q4. 印刷所に入稿するか?
│ ├─ YES → レイアウトは印刷対応のデザインツールで組む。
│ │ AI生成は「背景素材」と「コピー案出し」に限定する
│ └─ NO(自社プリンタで少部数)
│ → テンプレ型ツールで作る。
│ 必須表示事項の枠を先に確保したテンプレを1つ作り置きする
│
└─ SNS・自社サイト・ポータル用のバナー
│
└→ Q5. 月に何枚作るか?
├─ 10枚未満 → テンプレ型ツールで手作りしたほうが早い
└─ 10枚以上 → AI生成型を検討する。
選定条件は「文字がレイヤーとして残るか」
(賃料の差し替えが発生するため)
12. ツールでは解決しないこと
内製化しても消えない仕事が3つあります。
1つ目は、物件の一次情報を正確に持つことです。賃料が変わった、フリーレントが付いた、駐車場が満車になった。この情報が営業担当の頭の中にしかない状態でツールを入れても、出力されるのは古い情報の入ったきれいなチラシになります。チラシ内製の前提は、物件情報の更新ルールが決まっていることです。
2つ目は、表示規約への適合判断です。必須表示事項のチェックリストは作れます。しかし「この物件は別表のどれに該当するか」「この表現は誇大広告にあたるか」の判断は、AIには任せられません。所属する公正取引協議会への照会窓口を、あらかじめ営業担当が知っている状態にしておきます。
3つ目は、写真そのものの質です。AIは写真をきれいに配置できますが、撮っていない写真は使えません。反響の差は、加工ではなく撮影で決まることが多いです。晴れた日の午前中に外観を撮る、室内は広角で天井の高さを入れる、水回りは掃除してから撮る。この3つのほうが、ツール選定より反響に効きます。
13. ドヤバナーAIを他社と同じ基準で評価する
自社サービスなので、はっきり書きます。
向いている場面
同じ物件でSNS投稿用の訴求違いを複数出したいとき
週次でInstagramやLINEに新着物件を出す運用
賃料や面積の数字を文字レイヤーで持ちたいとき(画像に焼き込まれると差し替えができません)
向いていない場面
A4チラシを印刷所に入稿する場合。CMYK変換・トンボ付きPDF・塗り足し3mmを直接出力できません。別ソフトで入稿データに組み直す工程が必要になります
業者間マイソクの作成。物件データベースとの連携機能を持っていません
自社の既存書式を厳密に再現したい場合。細かなカーニング調整はできません
料金
月9,980円(税込)の統一プランで全14サービスが使い放題です。無料版は月15枚までです。まず無料版で、自社の物件写真を1枚入れて、賃料の差し替えが効くかを確認するのが最短の判断方法です。
14. FAQ
Q1. AIが生成した画像を不動産チラシに使って、権利上の問題はありませんか。
各ツールの利用規約で、生成物の商用利用可否と権利の帰属を必ず確認します。ツールによっては無料プランで生成した画像の扱いが有料プランと異なる場合があります。加えて、権利の問題とは別に、表示規約上の問題があります。生成画像を「その物件の写真」であるかのように使うことは、権利がクリアでも不当表示になり得ます。イメージ画像として使う場合はその旨を明示します。
Q2. 無料ツールだけで物件チラシの内製は完結しますか。
業者間マイソクなら、無料のマイソク作成ツールで完結する場面があります。実際、Virtual Staging AIが提供するマイソク作成ツールは会員登録不要・無料でA4のPDF出力に対応していると公式に記載があります。一方、反響チラシを月に何十枚も作るなら、テンプレートの管理とサイズ展開の機能が要るため、どこかで有料ツールが必要になります。判断の境目は月あたりの制作枚数です。
Q3. 間取り図をAIに読み取らせて、きれいに描き直させるのはどうですか。
出力を人が寸法と照合する前提なら、下書きの用途はあります。ただし読み取り時点で誤りが混入するため、面積・帖数・開口部・方位の4点は必ず原本と突き合わせてください。照合せずに使うのは、実測と異なる図面を配る行為になります。件数が多いなら図面作成の代行サービスに出したほうが、確認工数を含めて安く付くことがあります。
Q4. 物件写真の明るさを補正するのは加工にあたりますか。
現況を著しく変えない範囲の明るさ・色かぶり補正は、一般的な写真調整の範囲として扱われます。問題になるのは、実際にはない設備を描き足す、傷や劣化を消す、眺望を差し替えるといった、物件の実態を変える加工です。線引きに迷ったら、加工前後の画像を並べて「この差は物件の価値判断に影響するか」を問います。影響するなら加工しません。
Q5. 表示規約の必須項目を全部載せると、デザインが窮屈になります。
これは順序の問題です。デザインを作ってから必須項目を押し込むと必ず窮屈になります。先に必須項目の枠を確保したテンプレートを1つ作り、その枠の外でデザインします。首都圏不動産公正取引協議会は7ポイント以上での表示を示しているため、A4なら下部に約40〜50mmの帯を確保しておくと収まりやすいです。この帯を含んだテンプレートを一度作れば、以後は自動的に条件を満たします。
Q6. ポスティングチラシとSNS投稿は、同じデザインを使い回せますか。
流用はできますが、そのままではもったいないです。紙は手に取って読むため情報量を載せられます。SNSはスクロールの中で0.5秒しか見られないため、情報を削って写真1枚と短いコピーに絞ったほうが伸びます。同じ素材から、情報量の違う2種類を作るのが正解です。AI生成型のツールが効くのは、まさにこの「同素材・別訴求」を量産する場面になります。
15. まとめ:最初の1週間でやること
いま困っている制作物を1つに絞ります。マイソクか、反響チラシか、SNSか
すでに契約しているシステムに図面出力機能があるか確認します。あればツールを増やしません
必須表示事項の枠を確保したテンプレートを1つ作ります。これが以後すべてのチラシの土台になります
数字を文字レイヤーで持つ運用に切り替えます。画像に焼き込みません
成約時の掲載停止チェックリストを1枚印刷して、営業の机に置きます
内製化の失敗は、たいていツール選定ではなく運用設計で起きます。作る速度が上がるほど、間違った情報が出回る速度も上がるからです。
物件写真を使って、SNS用の訴求違いを週次で出したいなら
賃料や面積を文字レイヤーとして持ったまま、同じ物件で複数案を同時に生成したい。その条件ならドヤバナーAIが候補になります。無料版は月15枚まで使えるので、自社の物件写真を1枚入れて、賃料の差し替えが効くかを確かめてから判断すれば大丈夫です。有料は月9,980円(税込)で全14サービスが使い放題になります。
ドヤバナーAI:https://doya-ai.surisuta.jp/banner/dashboard
本記事で参照した一次情報(すべて2026年8月6日確認)
内容 | URL |
|---|---|
表示規約第8条に規定する必要な表示事項の一覧表(別表)/不動産公正取引協議会連合会 | https://www.rftc.jp/webkanri/kanri/wp-content/uploads/2018/08/beppyou.pdf |
必要な表示事項(ポスティングチラシの表示方法)/首都圏不動産公正取引協議会 | https://www.sfkoutori.or.jp/jireikoukoku/hitsuyo-hyojikijun/ |
バーチャルホームステージングの利用に関する注意喚起の報道/R.E.port | https://www.re-port.net/article/news/0000070446/ |
チラシ・フライヤーの印刷用データ作成方法/ラクスル | https://raksul.com/guide/create-data/item/flyer/guide/ |
ReDocS 料金 | https://theredocs.com/price |
ReDocS 募集図面(マイソク)作成機能 | https://theredocs.com/features/maisoku |
賃貸革命 料金(管理戸数200戸未満向けページ) | https://www.n-create.co.jp/pr/l/kakumei-chintai_price/ |
アットホーム 図面作成サービス | https://business.athome.jp/lp/zumensakusei/ |
マイソク作成ツール(Virtual Staging AI) | https://www.virtualstaging.art/ja/tools/maisoku-sakusei |
Adobe Express 料金 | https://www.adobe.com/jp/express/pricing |
パワポン(アスクル) | https://ppon.askul.co.jp/ |
いえらぶCLOUD 料金(本記事の確認手段では取得できず) | https://ielove-cloud.jp/price/ |
料金・仕様は改定されます。契約前に必ず各社の公式サイトで最新の内容を確認してください。表示規約の適合判断は、所属する不動産公正取引協議会に照会してくだ
さい。


