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ChatGPTで広告の訴求軸を30本出す|プロンプト全文

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結論から書きます。広告の案出しでChatGPTが本当に効くのは「訴求軸」の層で、コピーやビジュアル指示に降りるほど効きが弱くなります。この記事では案を4つの層に分け、訴求軸を30本まとめて出すプロンプトを全文公開します。案出しだけならChatGPTで完結します。詰まるのはその後、入稿ファイルにする工程です。

この記事で分かること

  • 広告案を「訴求軸・コンセプト・コピー・ビジュアル指示」の4層に分ける考え方

  • 訴求軸を30本まとめて出すプロンプト全文(掛け算表の設計つき)

  • 出た案の重複を潰し、優先順位をつけるプロンプト全文

  • 訴求軸をコピー3点セットとビジュアル指示書に落とすプロンプト全文

  • ChatGPTが止まる場所と、そこから先の道具の選び方

目次

  1. 前提:ChatGPTでできることの公式仕様

  2. 独自の分類軸:広告案の抽象度4層モデル

  3. 【工程0】インプットシート

  4. 【工程1】訴求軸30本を出すプロンプト全文

  5. 【工程2】重複を潰して優先順位をつける

  6. 【工程3】訴求軸をコピー3点セットに落とす

  7. 【工程4】ビジュアル指示書に変換する

  8. 【工程5】表現の自己点検と法令の確認

  9. ChatGPTが止まる場所:入稿ファイルの壁

  10. ツール比較表

  11. 判断フローチャート

  12. ChatGPTで足りるケースと足りなくなる条件

  13. FAQ


1. 前提:ChatGPTでできることの公式仕様

案出しの手順に入る前に、使える機能を公式の記載で確認します。以下はOpenAI公式で2026年8月6日に確認した内容です。

OpenAI公式ヘルプの「ChatGPT Free Tier FAQ」には、無料プランで利用できる機能として web search、data analysis、image/file uploads、GPTs、image creation が挙げられています。同ページには 「Advanced functionality, including data analysis, file uploads, and image creation, can have stricter limits than paid plans.(データ分析、ファイルアップロード、画像生成を含む高度な機能は、有料プランより厳しい制限がかかる場合がある)」 という記載もあります。

日本語の料金ページ(chatgpt.com/ja-JP/pricing)では、プランとして無料版・Go・Plus・Pro・Business・Enterpriseが並んでおり、プロジェクト機能は全プランで利用できる旨が示されています。無料版については「メッセージ数とアップロード数に上限あり」と明記されています。

金額については、OpenAI公式ヘルプの「What is ChatGPT Plus」に 「ChatGPT Plus is a subscription plan that provides enhanced access to the ChatGPT web app for $20/month.」 と記載があります。Go、Pro、Business、Enterpriseの金額は、公式の料金ページがJavaScriptで描画されており、本記事の取得方法では数値を読み取れませんでした。契約前に必ず公式の料金ページで確認してください。

案出しの実務で押さえるべき点は3つあります。

  • ファイルのアップロードが無料プランでも使えます。過去の配信実績をCSVで渡せます(ただし上限あり)

  • プロジェクト機能が全プランにあります。案件ごとに文脈を分けて保持できます

  • Web検索が使えます。競合の広告表現やLPの文言を調べたうえで案を出させられます

この3つが揃っているかどうかで、案出しの質が変わります。特に1つ目が重要で、「自社の実績を踏まえた案」と「一般論の案」の差はここで決まります。


2. 独自の分類軸:広告案の抽象度4層モデル

「広告の案を出す」と一言で言いますが、実際には抽象度の違う4つの作業が混ざっています。層を分けずにChatGPTへ丸投げすると、訴求軸は薄いのにコピーだけ小綺麗な案が大量に出てきます。これが案出しで最もよくある失敗です。

層1:訴求軸(何を言うか)

「時間が3分の1になる」「導入初日から使える」「情シスの承認がいらない」といった、広告が主張する中身の層です。ビジュアルもコピーもここから派生します。

ChatGPTの効きが最も強いのがこの層です。人間は自社の製品を知りすぎているために、「当たり前すぎて言わなかったこと」を訴求軸として立てられなくなります。外部の視点で網羅的に列挙する作業は、機械のほうが得意です。

層2:コンセプト(どう見せるか)

訴求軸を、どういう見せ方で伝えるかを決める層です。「ビフォーアフターの対比で見せる」「担当者のひとりごとで見せる」「数字を大きく1つだけ見せる」など。

ChatGPTはこの層でも案を出せますが、出てくる案が既視感のあるパターンに寄ります。学習データに存在する定番の構図を再構成するからです。ここは人の判断で選別する前提で使います。

層3:コピー(実際の文言)

具体的な文字列を決める層です。見出し・サブコピー・CTAの3点セットが基本になります。

ChatGPTは大量に案を出せます。ただし文字数制限を守らせるのが難しいです。「15文字以内で」と指示しても、17文字や19文字が混ざります。日本語の文字数カウントは、生成の途中で正確に制御しにくいものです。出力後に自分で数える工程を必ず挟んでください。

層4:ビジュアル指示(誰が何を作るか)

デザイナーへの発注書、または画像生成AIへのプロンプトに変換する層です。レイアウト、被写体、色、文字の配置を具体化します。

ChatGPTは指示書の文章化はできます。しかし指示書は成果物ではありません。ここから先、実際の入稿ファイルにする工程で詰まります。詳しくは9章で書きます。

4層とChatGPTの効き方

層

作業内容

ChatGPTの効き

人がやるべきこと

層1 訴求軸

何を言うか決めます

強いです。網羅性で人を上回ります

実態と合っているかの検証

層2 コンセプト

どう見せるか決めます

中程度です。既視感のある案が混ざります

案の選別と、独自性の付与

層3 コピー

文言を決めます

中程度です。量は出ますが文字数制御が弱いです

文字数カウントと語感の判断

層4 ビジュアル指示

制作の指示に落とします

弱いです。指示書は書けますが成果物になりません

実制作、または制作ツールへの接続

この記事で重点的に扱うのは層1です。ここが決まればあとの層は機械的に降ろせますし、逆に層1が薄いまま層3を100案出しても意味がありません。


3. 【工程0】インプットシート

案出しの前に埋めるシートを用意しました。これを埋めずにプロンプトを投げると、一般論しか出てきません。5分で埋まります。

■ 製品・サービス情報
製品名:
一言で言うと何か(20字以内):
価格:
契約形態(月額/年額/買い切り/従量):

■ ターゲット
業種:
従業員規模:
広告を見る人の役職:
その人の日常業務:
その人が上司に説明するときに使う言葉:

■ 現状の代替手段(この製品を使わない場合、顧客は今どうしているか)
代替1:
代替2:
代替3:

■ 顧客の声(実際に言われたことをそのまま。創作しない)
導入理由でよく言われること:
検討時によく出る懸念:
導入後に「思ったより良かった」と言われること:

■ 競合
競合A(社名)とその主な訴求:
競合B(社名)とその主な訴求:

■ 過去の配信実績(あれば)
CTRが最も高かったバナーの文言:
CVRが最も高かったバナーの文言:
明らかに滑った文言:

■ 制約
使ってはいけない表現:
必ず入れる必要がある表記:
配信媒体:

「顧客の声」の欄には、実際に言われたことだけを書いてください。ここを想像で埋めると、その想像がそのまま訴求軸として出てきて、それを見た自分が「やはりそうだ」と納得します。自作自演になります。


4. 【工程1】訴求軸30本を出すプロンプト全文

30本という数字には意味があります。5本や10本だと、担当者が既に思いついている範囲に収まります。30本を強制すると、後半に「言われてみればそうだ」という軸が混ざり始めます。

網羅性を担保するために、掛け算で機械的に埋める設計にします。便益タイプ6種 × 提示形式5種 = 30本です。

プロンプト全文(そのままコピーして使える)

あなたはBtoB向け広告のクリエイティブディレクターです。
以下の情報をもとに、広告の訴求軸を30本出してください。

# 製品情報
(工程0のインプットシートをここに貼る)

# 訴求軸の出し方(厳守)
以下の「便益タイプ6種」と「提示形式5種」を掛け合わせ、
6×5=30本を漏れなく埋めてください。
空欄を作らず、無理やりでも各マスを埋めること。
無理やり作ったマスには末尾に【要検証】と付けてください。

## 便益タイプ(縦軸)
A. 時間の便益:かかっていた時間が減る/早くなる
B. 金銭の便益:費用が減る/売上が増える
C. 品質の便益:出来上がるものが良くなる/ミスが減る
D. リスクの便益:失敗・トラブル・法令違反を避けられる
E. 属人性の便益:特定の人に頼らなくてよくなる/引き継げる
F. 対人の便益:社内の調整・報告・説得が楽になる

## 提示形式(横軸)
1. 数値提示:具体的な数字を主役にする
2. 対比:現状(Before)と導入後(After)を並べる
3. 反論処理:導入をためらう理由を先回りして否定する
4. 場面描写:特定の業務シーンを具体的に描く
5. 逆説:業界の常識や一般論を一度否定してから提示する

# 各訴求軸に必ず含める要素
- 訴求軸の一文(体言止めにせず、主張として書く)
- 想定する読み手(役職・状況を具体的に)
- この軸が刺さる根拠(インプットシートのどの記述に基づくか。
  シートに根拠がない場合は「根拠なし・仮説」と明記する)
- 使ってはいけない表現に抵触するリスクの有無

# 厳守ルール
- インプットシートに書かれていない事実を追加しない
- 数値を出す場合、シートに記載がない数値は使わない。
  数値の枠は「(数値)」というプレースホルダにする
- 他社名を出さない
- 30本すべてを、以下の形式の表で出力する

# 出力形式
| No | 便益 | 形式 | 訴求軸 | 想定読み手 | 根拠 | リスク |
|---|---|---|---|---|---|---|

「根拠なし・仮説」を明記させる指示が効きます。この列を見ると、30本のうち何本が実際の顧客の声に基づいていて、何本が推測かが一目で分かります。推測ばかりなら、案出しの前にヒアリングをやり直したほうが早いです。

2周目:軸を広げるプロンプト

30本出たら、意図的に外側を狙います。

先ほど出した30本を踏まえて、追加で10本出してください。
ただし今回は、以下の条件をすべて満たすものだけを出してください。

# 条件
- 先ほどの30本のどれとも、主張の中身が重ならない
- 一般的な広告では「あえて言わない」とされがちな内容
- 製品の弱点・制約を正面から認めたうえで、それでも選ぶ理由を示す
- 買わない理由を潰しにいく(買う理由を並べるのではない)

# 各案に含める要素
- 訴求軸の一文
- なぜ通常は言われないのか
- それでも成立する条件
- 炎上・誤解のリスク(3段階で評価し、理由を書く)

弱点を認める訴求は、BtoBで機能することがあります。「大企業向けの高度な機能はありません。中小企業が今日から使うための道具です」という形の主張は、ターゲットを絞り込む効果を持ちます。ただし炎上リスクの評価は人間がやります。


5. 【工程2】重複を潰して優先順位をつける

30本出すと、必ず「言い方が違うだけで中身は同じ」案が混ざります。人の目で潰すと時間がかかるので、機械にやらせます。

重複排除プロンプト全文

先ほど出した40本の訴求軸を、以下の手順で整理してください。

# 手順1:重複の判定
- 「主張している中身」が同じものをグループ化する
- 表現が違っても、読み手が受け取る意味が同じならば同一グループとする
- 各グループから代表を1本選び、残りは統合する
- 統合した本数と、統合前後の本数を報告する

# 手順2:スコアリング
残った各案に、以下の3項目を5段階で採点してください。
採点理由を各1行で書くこと。

- 具体性:抽象的な言葉(効率化、最適化、DX、革新)を使わずに
  言えているか。抽象語が入るほど低く採点する
- 検証可能性:主張の裏づけを示せるか。
  インプットシートに根拠がある案を高く採点する
- 差別化度:競合A・競合Bの訴求と重ならないか

# 手順3:出力
以下の3グループに分けて出力してください。

【第1グループ】3項目すべてが4以上
【第2グループ】合計10以上だが、いずれかが3以下
【第3グループ】それ以外

各グループの中は、合計点の高い順に並べる。

# 厳守
- 点数を平均化しない。全部4点のような採点をしない
- 第3グループの案も削除せず、理由を添えて残す

第3グループを残させるのがポイントです。低スコアの案は、後で配信結果が伸び悩んだときの差し替え候補になります。捨てると、その時点でまた案出しからやり直しになります。


6. 【工程3】訴求軸をコピー3点セットに落とす

訴求軸が決まったら、実際の文言に降ろします。バナー広告なら、見出し・サブコピー・CTAの3点が基本構成です。

コピー展開プロンプト全文

以下の訴求軸を、バナー広告のコピー3点セットに展開してください。
1つの訴求軸につき、5パターン作ってください。

# 訴求軸
(第1グループから1本を貼る)

# 3点セットの構成と文字数
- 見出し:全角14文字以内(厳守)
- サブコピー:全角24文字以内(厳守)
- CTA:全角8文字以内(厳守)

# 文字数のカウント方法
- 全角・半角を問わず1文字を1と数える
- 句読点・記号も1文字として数える
- 各コピーの末尾に、実際の文字数を(14字)の形式で必ず表記する
- 制限を超えたものは出力せず、必ず作り直してから出す

# 5パターンの作り分け(各パターンで異なる要素を変える)
パターン1:数字を主役にする
パターン2:読み手への問いかけにする
パターン3:現状の不便さを言語化する(製品名を出さない)
パターン4:導入後の状態を描写する
パターン5:短く言い切る(見出しを8文字以内にする)

# 厳守ルール
- 「効率化」「最適化」「DX」「革新」「シームレス」「ソリューション」
  を使わない
- 断定できない効果を書かない
- 「No.1」「最安」「業界初」などの最上級表現を使わない
- 誇張した効果(必ず/確実に/絶対に)を使わない
- サブコピーは見出しの言い換えにせず、別の情報を足す

# 出力形式
| パターン | 見出し(字数) | サブコピー(字数) | CTA(字数) |

文字数の自己申告を必ず出させてください。そのうえで、自分の目で数え直します。生成AIの日本語文字数カウントは、指示しても外れることがあります。ここは信用しない前提で工程を組みます。

文字数が守られなかったときの再指示

以下のコピーが文字数制限を超えています。作り直してください。

- パターン2の見出し「(実際の文言)」:現在17文字、制限14文字

# 作り直しのルール
- 意味を変えずに3文字削る
- 削れない場合は、情報を1つ捨てて言い切る
- 助詞を削って体言止めにする手法は使わない(読みにくくなる)
- 作り直した案を3つ出し、それぞれ文字数を明記する

7. 【工程4】ビジュアル指示書に変換する

コピーが決まったら、見た目の指示に変換します。宛先が人か機械かで書き分けが必要です。

デザイナーへの発注書を作るプロンプト全文

以下のコピーをもとに、デザイナーへのバナー制作発注書を作成してください。

# コピー
見出し:
サブコピー:
CTA:

# 訴求軸
(該当する訴求軸を貼る)

# 発注書に必ず含める項目
1. 制作物の目的(このバナーで読み手に何をさせたいか)
2. 想定読み手(工程1で定義した読み手をそのまま)
3. 入稿サイズ一覧(下記の制作条件を参照)
4. 各サイズでの優先要素(サイズが小さい順に、何を削るか明示する)
5. 文字要素の優先順位(1位から3位まで)
6. トーン&マナー(3つの形容詞と、その反対語も併記する)
7. 使用素材(写真/イラスト/図版/グラフのいずれか、その理由)
8. NG事項(避けたい表現・構図)
9. 参考にすべき方向性(既存の自社クリエイティブがあれば言及)
10. 確認したい点(デザイナーから制作前に確認してほしい事項)

# 制作条件
入稿サイズ:(実際に配信する媒体のサイズを列挙)
ブランドカラー:
指定フォント:
ロゴの使用ルール:

# 厳守ルール
- 「おしゃれに」「いい感じに」など解釈が分かれる語を使わない
- 形容詞を使う場合、必ず具体例か反対語を添える
- 実装不可能な指示(存在しない機能・素材)を書かない
- デザイナーの裁量に委ねる部分を明示する(すべてを指定しない)

6番の「反対語も併記する」が効きます。「信頼感のある」と書くだけでは伝わりませんが、「信頼感のある(軽快さより堅実さを優先。ポップな配色は避ける)」と書けば方向が定まります。

画像生成AIに渡すプロンプトを作らせるプロンプト

以下のバナー制作条件をもとに、画像生成AIに渡す英語プロンプトを作成してください。

# 条件
(発注書の内容を貼る)

# 生成させるもの
- 文字を一切含まない背景画像
- テキストは後から別工程で載せるため、画像内に文字を描画させない

# プロンプトに必ず含める要素
- アスペクト比の指定
- 文字・ロゴ・透かしを描画しないという明示的な禁止
- 看板・本の表紙・Tシャツのプリントなど、
  文字が入りうるモチーフを配置しないという禁止
- テキストを載せる領域(セーフエリア)の位置と、
  その領域を単色に近づける指示
- 被写体、光源、色調、質感の指定
- 人物を含める場合の制約(表情・服装・年齢層の指定)

# 出力
- 英語プロンプトの全文
- その日本語訳
- このプロンプトで生成した場合に起こりうる失敗と、その対処法

なぜ文字を描画させないのかは、日本語の文字が画像生成で崩れやすいという構造的な理由によります。詳細は別記事に譲ります。


8. 【工程5】表現の自己点検と法令の確認

広告の文言は法令の規制対象になります。景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法、昭和37年法律第134号)は、消費者庁が所管しています。

消費者庁は比較広告について、適正であるための要件として次の3点を示しています(消費者庁「比較広告」ページ、2026年8月6日確認)。

  1. 比較広告で主張する内容が客観的に実証されていること

  2. 実証されている数値や事実を正確かつ適正に引用すること

  3. 比較の方法が公正であること

また消費者庁は、No.1表示について実態調査報告書(令和6年9月26日、消費者庁表示対策課)を公表しています。「No.1」「シェア第1位」といった表示には、その主張を裏づける合理的な根拠が求められます。

自己点検プロンプト全文

以下の広告コピーについて、表示上の懸念点を洗い出してください。

# コピー
(対象のコピーを貼る)

# 製品の実態(事実のみ)
(インプットシートの内容を貼る)

# 点検してほしい観点
1. 実態より著しく優良だと誤認させる表現がないか
2. 価格や取引条件について、実際より有利だと誤認させる表現がないか
3. 「No.1」「最安」「業界唯一」など、根拠資料が必要になる表現がないか
4. 効果を断定している箇所はどこか(必ず/確実に/絶対に/永久に)
5. 打消し表示(※印の注釈)に頼らないと成立しない主張がないか
6. 比較表現がある場合、比較対象と比較条件が明示されているか
7. 体験談・推薦の表現がある場合、それが実在の顧客の声か

# 出力形式
各観点について以下を出力してください。
- 該当箇所(コピーの該当部分を引用)
- 懸念のレベル(高/中/低)
- 何が問題になりうるか
- 代替表現の案を2つ
- この判断に必要な追加情報(根拠資料の有無など)

# 厳守事項
- 適法・違法の判断を下さない
- 「問題ありません」という結論を出さない。
  確認すべき点を挙げることに徹する

最後の厳守事項が最も重要です。生成AIに法令判断をさせてはいけません。このプロンプトは、法務や専門家に相談する前の「論点の洗い出し」に使うものであり、判断の代替にはなりません。

医薬品・医療機器・化粧品・健康食品の広告は薬機法の規制対象になり、業種によって別の規制もかかります。最終的な表現の可否は、消費者庁および所管官庁の公表資料を確認し、判断に迷う場合は法務または専門家に確認してください。AIが生成したコピーであっても、表示責任は広告主が負います。


9. ChatGPTが止まる場所:入稿ファイルの壁

ここまでの5工程は、ChatGPTだけで回ります。案出しに関しては、有料の専用ツールを契約しなくても十分な質のアウトプットが出ます。

止まるのはこの先です。具体的に何が起きるかを書きます。

起きること1:同じデザインで複数サイズが出せない

広告の入稿は、1つの案につき複数サイズが必要になります。正方形、横長、縦長、レクタングル、ビッグバナーと、媒体ごとに要件が違います。

ChatGPTの画像生成でこれをやろうとすると、サイズを変えた瞬間に別のデザインが出てきます。同じプロンプトを別のアスペクト比で実行しても、レイアウトも配色も被写体の位置も変わります。1案5サイズを揃えるだけで、5回の生成と5回の目視確認が必要になり、しかも統一感が出ません。

起きること2:文言違いのバリエーションで工数が線形に増える

A/Bテストのために見出しだけ変えたバナーを作る場合、テキストレイヤーがあれば文字を打ち替えるだけで済みます。画像生成で作ったバナーは、文言を変えるたびに全体を作り直すことになります。

工程3で5パターンのコピーを作りました。これを5サイズで配信するなら25枚です。25回の生成と25回の確認では運用が回りません。

起きること3:案と配信結果が紐づかない

「先週配信したバナーのうち、どの訴求軸が効いたのか」を知りたい場面が必ず来ます。ChatGPTの会話履歴に案は残りますが、どの案がどのバナーになり、どの成果を出したかの記録は残りません。手作業でスプレッドシートに転記する運用になり、これが最初に破綻します。

起きること4:チームで再現できない

同じプロンプトを別の人が実行しても、同じ案は出ません。生成のたびに内容が変わるのが仕様だからです。「先週作ったあの案をベースに」という会話が成立しません。

起きること5:毎回インプットシートを貼り直す

工程0のシートは、案件が続く限り毎回必要になります。プロジェクト機能を使えば文脈は保持できますが、案件が10件あれば10プロジェクトを管理することになります。運用の負荷は人数に比例して増えます。

この5つのうち3つ以上に当てはまるなら、案出しから制作までを1つの工程として持てる道具を検討する段階にあります。逆に言えば、月に数本しか広告を出さないなら、これらは問題になりません。


10. ツール比較表

案出しから入稿までのどこまでを持てるかで、道具を分類します。列は「出力がどこで止まるか」を軸にしました。

ツール

出力が止まる層

訴求軸の案出し

複数サイズの一括書き出し

案と配信結果の紐づけ

チームでの再現性

料金(2026年8月6日時点)

注力

ドヤ広告画像AI

入稿ファイル

可能です

可能です

生成物を管理できます

同一条件で再生成できます

統一プラン月9,980円(税込・全14サービス)/無料版あり

★注力

ChatGPT

層1〜3(言語)/画像は単発

非常に強いです

不可です(サイズを変えると別デザイン)

不可です

出力が毎回変わります

Plus $20/月(help.openai.comで確認)。他プランは公式ページから金額を確認できず

ー

Claude

層1〜3(言語)

強いです

不可です

不可です

出力が毎回変わります

公式料金ページから金額を確認できず

ー

Gemini

層1〜3(言語)/画像生成あり

強いです

不可です

不可です

出力が毎回変わります

公式ヘルプに金額の記載を確認できず

ー

Canva

入稿ファイル

限定的です

リサイズ機能あり

不可です

テンプレートで再現できます

公式料金ページがJavaScript描画のため金額を確認できず

ー

Adobe Express

入稿ファイル

限定的です

サイズ変更機能あり

不可です

テンプレートで再現できます

公式料金ページから金額を確認できず。生成AI機能は生成クレジット制(Adobe公式ヘルプで確認)

ー

Figma

入稿ファイル

不可です

コンポーネントで可能です

不可です

高いです(デザインシステム)

Professional $16/月(figma.com/ja-jp/pricingで確認)

ー

Adobe Firefly

画像

不可です

限定的です

不可です

中程度です

生成クレジット制(Adobe公式ヘルプで確認)。金額は確認できず

ー

AdCreative.ai

入稿ファイル

限定的です

可能とされます

製品仕様によります

中程度です

公式料金ページから金額を確認できず

ー

PowerPoint / Keynote

入稿ファイル

不可です

手作業です

不可です

高いです(ファイル共有)

既存ライセンスに含まれる場合があります。要確認

ー

料金について正直に書きます。「確認できず」としたツールは、公式の料金ページがJavaScriptで料金表を描画しており、本記事の取得方法では金額を読み取れませんでした。他社メディアの掲載額を引き写すことはできますが、それは公式確認にならないので載せません。契約前に各社の公式料金ページで必ず確認してください。

ドヤ広告画像AIの欠点も書きます。このツールは入稿ファイルまでを一貫して作る設計のため、工程0のインプットシートに相当する情報を最初に登録する手間がかかります。思いついた瞬間に案を10本出す、という使い方ではChatGPTのほうが速いです。またデザインの自由度は、Figmaのようなデザインツールに及びません。テンプレートの枠内で回す設計になっています。

表の読み方

「出力が止まる層」の列を縦に見ると、道具は言語で止まるものと入稿ファイルまで届くものの2種類しかありません。ChatGPT・Claude・Geminiは前者で、案出しの層では専用ツールを上回ります。Canva・Figmaは後者ですが、案出しの層は持ちません。

両方を1つで持つ必要があるかは、月間の制作本数で決まります。月5本以下なら、ChatGPTで案を出してCanvaで作る運用で十分に回ります。


11. 判断フローチャート

Q1. 月に何本の広告クリエイティブを作るか?
  ├ 1〜5本 → 【ChatGPT + 手持ちの編集ツール】で足りる
  ├ 6〜20本 → Q2へ
  └ 21本以上 → Q4へ

Q2. 入稿サイズは何種類あるか?
  ├ 1〜2種類 → 【ChatGPT + Canva等】。テンプレート化して回す
  └ 3種類以上 → Q3へ

Q3. 文言違いのA/Bテストを回すか?
  ├ 回さない → 【ChatGPT + テンプレート】
  └ 回す → 【案出しはChatGPT、制作は一括生成できるツール】

Q4. 制作に関わる人数は?
  ├ 1人 → Q5へ
  └ 2人以上 → 【案出しの型を共有できる仕組みが必要】
              プロンプトの共有では出力が揃わない

Q5. 配信結果を見て差し替える運用をしているか?
  ├ していない → 【ChatGPT + テンプレート】でまず回す
  └ している → 【案と生成物と結果が紐づく仕組みが必要】

Q4の分岐が実務では最も効きます。1人で回している間は、プロンプトの管理コストが見えません。2人目が入った瞬間に、「同じプロンプトなのに出てくる案が違う」という問題が表面化します。


12. ChatGPTで足りるケースと足りなくなる条件

ChatGPTだけで十分に足りるケース

  • 案出しそのもの。層1の訴求軸を網羅的に列挙する作業は、専用ツールを契約する理由がないほど強いです

  • 月5本以下の広告運用。制作の手作業が問題にならない量です

  • 既にデザイナーがいるチーム。発注書の作成までをChatGPTで済ませ、制作は人がやります

  • 単発のキャンペーン。年に数回なら、毎回プロンプトを貼り直しても負担になりません

  • 競合調査と表現の棚卸し。Web検索を使って競合の訴求を整理する用途は非常に有効です

  • 既存クリエイティブの言語化。過去に当たったバナーがなぜ当たったかを言語化させ、勝ちパターンを型にします

特に最後の使い方は見落とされがちです。過去に成果が出たバナーの画像をアップロードし、「このクリエイティブの訴求軸を言語化し、同じ構造で別の訴求軸に置き換えた案を5本出して」と指示すると、勝ちパターンの横展開ができます。この用途はChatGPTが最も光ります。

足りなくなる条件

  1. 入稿サイズが3種類以上ある。同じデザインの複数サイズ展開ができません

  2. A/Bテストで文言違いを毎週差し替える。制作の工数が本数に比例して増えます

  3. 複数人で案出しをする。プロンプトを共有しても出力が揃いません

  4. 案と配信結果を紐づけて振り返る。記録の仕組みがありません

  5. 過去に作った案を再現する必要がある。同じ指示から同じ案は出ません

  6. ブランドガイドラインの遵守を毎回担保する。プロンプトに書ききれず、書いても揺れます

  7. 法務チェックの履歴を残す。誰がいつ何を作ったかが残りません

このうち3・4・5・7は、「個人の作業としては完璧でも、組織の業務としては成立しない」という同じ問題の別の顔です。案出しの質ではなく、記録と再現の問題です。


13. FAQ

Q1. 無料版のChatGPTでも案出しはできるか

できます。訴求軸の案出しは文章生成の作業なので、無料プランで実行できます。OpenAI公式ヘルプの「ChatGPT Free Tier FAQ」には、無料プランで web search、data analysis、image/file uploads、GPTs、image creation が利用できると記載があります。工程0のインプットシートをファイルで渡す使い方も可能です。

ただし同ページには 「Advanced functionality, including data analysis, file uploads, and image creation, can have stricter limits than paid plans.」 とあり、有料プランより厳しい制限がかかる場合があります。また日本語の料金ページには、無料版について「メッセージ数とアップロード数に上限あり」と明記されています。

実務としては、30本の訴求軸を1回のやり取りで出させる本記事の設計は、メッセージ回数を節約する意味でも無料プランと相性がよいです。まず無料版で試し、制限に当たる頻度が高ければ有料プランを検討する順序を勧めます。

Q2. 会社の機密情報を入れて大丈夫か

インプットシートには、未発表の価格やキャンペーン情報が入りやすいです。そのまま入れる前に確認すべき点があります。

OpenAI公式ヘルプの「Data Controls FAQ」には、設定から 「Improve the model for everyone」 をオフにする手順が記載されています。また一時チャット(Temporary Chats)について 「Temporary Chats are deleted from our systems after 30 days. These chats: Aren't used to train our models; May be reviewed only to monitor for abuse; Don't get saved in your history and don't create memories.」 と書かれています。

案出しの実務では、次のように扱います。

  • 入れてよい:公開済みの製品情報、公式サイトの文言、一般的な業界知識、公開されている競合の広告表現

  • 抽象化してから入れる:未発表の価格(「月額◯万円台」と幅で書く)、実施前のキャンペーン時期(「来四半期」と書く)

  • 入れない:顧客企業の実名と個別の売上数値、他社から預かった資料、個人が特定できる顧客の声

顧客の声を使う場合、個人が特定できる形で入力すると個人情報の取扱いの問題になります。社名・担当者名・部署名を伏せて、発言内容だけを渡せば案出しには足ります。判断に迷う場合は個人情報保護委員会の公表資料を確認し、社内の法務に相談してください。勤務先に生成AIの利用ガイドラインがあれば、そちらが優先します。

Q3. 出てきた案がありきたりになるのはなぜか

インプットシートが埋まっていない場合にこれが起きます。特に「顧客の声」と「現状の代替手段」が空欄だと、製品カテゴリの一般論しか出てきません。

もう1つの原因は、案の本数指定が少ないことです。10本を指示すると、最初に思いつく範囲で終わります。30本を強制し、掛け算のマスをすべて埋めさせると、後半に想定外の軸が混ざります。工程1のプロンプトが6×5の表形式になっているのはこのためです。

Q4. コピーの文字数が守られない

生成AIの日本語文字数カウントは、指示しても外れることがあります。対策は2つあります。

  1. 自己申告させる:各コピーの末尾に文字数を書かせます。これで大きな逸脱は減ります

  2. 自分で数え直す:スプレッドシートに貼り付けてLEN関数を使えば一括で確認できます

工程3のプロンプトに「制限を超えたものは出力せず、必ず作り直してから出す」と書いているのは、この対策の1つ目にあたります。それでも守られない前提で、確認工程を必ず挟んでください。

Q5. 生成した案の著作権はどうなるか

生成物の権利関係は、利用するサービスの規約と、日本の著作権法の解釈の両方に関わります。OpenAIの利用規約は改定されるため、利用時点の公式規約(openai.com/policies)を確認してください。

実務上、広告のキャッチコピーは短い言語表現であり、著作物として保護されるかどうかの判断も一律ではありません。他社の既存コピーと酷似した案が出た場合は使わない、という運用ルールを持つのが現実的です。工程2のスコアリングに「差別化度」の項目を入れているのは、この確認も兼ねています。

Q6. 案出しから入稿まで全部AIに任せられるか

現時点では任せきれません。理由を層ごとに書きます。

  • 層1(訴求軸):網羅的な列挙はできます。ただし「実態と合っているか」の検証は人がやります。インプットシートに書かれていない事実は誰も知りません

  • 層2(コンセプト):案は出ます。既視感のあるパターンに寄るため、選別が要ります

  • 層3(コピー):量は出ます。文字数と語感の確認は人がやります

  • 層4(ビジュアル指示):指示書は書けます。指示書から入稿ファイルにする工程は別の道具が要ります

「全部任せる」ではなく「どの層を任せるか」で考えるほうが、実務では速いです。


まとめに代えて:案出しと制作は別の問題

この記事で言いたいことは1つです。訴求軸の案出しにおいて、ChatGPTは専用ツールを契約する必要がないほど強いです。インプットシートさえ埋めれば、30本の訴求軸が数分で出ます。この工程で悩んでいる人は、まず工程1のプロンプトをそのまま試してください。

問題はその先にあります。案が30本あっても、入稿ファイルは1枚も増えません。5案 × 5サイズ = 25枚を毎週作る運用になった瞬間、案出しにかけた時間より制作にかかる時間のほうが桁違いに大きくなります。

入稿サイズが3種類以上あり、文言違いのA/Bテストを回し、複数人で制作している。この3つが揃ったなら、案から入稿ファイルまでを1つの工程として持つ道具が要る段階です。ドヤ広告画像AIは、広告バナーの量産とAIフィードバックによる改善を前提に設計されています。無料版があるので、この記事の工程1で出した訴求軸を1本流し込んで、入稿サイズまで届くかどうかだけ確認してみてください。

→ ドヤ広告画像AI


本記事で参照した一次情報

  • OpenAI Help Center「ChatGPT Free Tier FAQ」https://help.openai.com/en/articles/9275245-chatgpt-free-tier-faq (2026年8月6日確認)

  • OpenAI Help Center「What is ChatGPT Plus」https://help.openai.com/en/articles/6950777-what-is-chatgpt-plus (2026年8月6日確認)

  • OpenAI Help Center「Data Controls FAQ」https://help.openai.com/en/articles/7730893-data-controls-faq (2026年8月6日確認)

  • ChatGPT 料金ページ(日本語)https://chatgpt.com/ja-JP/pricing (2026年8月6日確認)

  • 消費者庁「比較広告」https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/representation_regulation/comparative_advertising/ (2026年8月6日確認)

  • 消費者庁「景品表示法」https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/ (2026年8月6日確認)

  • 消費者庁表示対策課「No.1表示に関する実態調査報告書」(令和6年9月26日)https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/survey/ (2026年8月6日確認)

  • Figma 料金ページ https://www.figma.com/ja-jp/pricing/ (2026年8月6日確認)

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この記事の著者

Katsuki.Mitsumori

三森 捷暉(みつもり かつき)

著者プロフィールはこちらから↓
 /author/mitsumori
ドヤマーケ運営・ドヤAI開発者|株式会社スリスタ 代表

ドヤマーケの運営者であり、AIツール群「ドヤAI」の開発者です。専門はBtoBマーケティング、SEO、コンテンツマーケティング、生成AI活用。
2021年、新卒第1号として株式会社Piece to Peace(CarryMe)に入社し、広報・マーケティング・デザイン・コンテンツ制作を横断的に担当。SEO記事、比較記事、ホワイトペーパー、ウェビナー、広告施策を組み合わせた商談創出の仕組み化を推進してきました。

その後、株式会社スリスタ(設立:2025年3月14日/代表:三森 捷暉)を設立。
現在はスリスタにて、オウンドメディア「ドヤマーケ」を運営しながら、記事作成・バナー・スライド・営業リストなどのマーケティング業務をAIで進める「ドヤAI」を開発しています。

スリスタでは、SEO記事制作、比較記事、一次情報設計、バナー制作、構成案作成といったマーケティング業務を、ユーザーが「選ぶだけ」「スワイプするだけ」で進められる設計思想をもとに、AIツールとして実務レベルで実装。
マーケティングを「1人でも回せる状態」にするための仕組みづくりを行っています。

YouTubeでは、AI活用の実務を発信する「【ドヤAI】ミツモリ」と、世の中のSaaSをAIで実際に作ってみる「SaaSは死にましぇん【AI開発】」を運営しています。
ウェビナー・登壇実績
CarryMe主催ウェビナー
URL:https://carryme.jp/webinar58_20251126_ntt_webinar
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URL:https://carryme.jp/agent/seminar-event/webinar23_20240417_taxi_ads_webinar/