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営業リスト作成ツール比較20選|料金と目的別の選び方

営業リスト作成ツールは「掲載企業数」で選ぶと失敗します。判断すべきは、自社がリストに求めているのが網羅性なのか、鮮度なのか、条件の柔軟さなのかの1点です。この記事では20種を「AI生成型/DB型/スクレイピング型/官公庁オープンデータ型」の4分類に整理し、公式サイトで確認できた料金だけを載せます。あわせて、比較サイトがまず書かない「1件あたり実効コスト」の計算式を公開します。

目的別に先に答えます。予算をかけずに母集団を作るなら国税庁の法人番号公表サイトとgBizINFO、まず少量で品質を確かめるならBIZMAPSの無料枠やMusubuの30日間トライアル、年に数回まとめて大量に取るなら東京商工リサーチのリストアップPLUS、店舗や求人など「今動いている企業」を狙うならスクレイピング型(規約確認が前提)、企業情報を自社システムへ自動で取り込むならAPIを公開しているサービスが候補です。条件ごとの詳しい選び方は、後半の「条件別のおすすめ」にまとめました。


先に結論:4分類のどこを選ぶかで、後の作業量が決まる

分類

何をするツールか

向いている場面

弱点

AI生成型

条件やターゲット像を渡すと、該当しそうな企業リストと営業文面まで生成します

ターゲット条件が固まっていない/文面作成まで含めて時間を削りたい

生成結果の裏取りが必要です。網羅性は保証されません

DB型

数百万〜1,000万件超の企業データベースから条件抽出します

業種×エリア×規模で確実に母数を確保したい

単価が高いです。更新頻度はデータ元に依存します

スクレイピング型

Webサイトや媒体から情報を収集してリスト化します

求人媒体・ポータルなど「今動いている企業」を取りたい

対象サイトの利用規約と技術的制約の確認が必須です

官公庁オープンデータ型

法人番号公表サイト・gBizINFOなど公的データを使います

予算をかけずに母集団を作りたい/設立直後法人を狙いたい

電話番号やメールアドレスが原則含まれません

多くの記事は2番目のDB型だけを20個並べます。ですが実務で詰まるのはそこではありません。DB型で母数を取ったあと、電話番号が代表番号しかなく、誰にも繋がらないという段階で止まります。だから4分類を横断して設計する必要があります。


比較表:営業リスト作成ツール20選(2026年8月5日 公式サイト確認)

料金は各社の公式サイトで確認できた内容のみ記載します。公式ページを取得できなかったもの、料金を公開していないものは、そのまま「確認できなかった」「要問い合わせ」と書きます。第三者の比較サイトに載っている金額は転記しません。

#

ツール

分類

公式サイトで確認できた料金(2026年8月5日時点)

欠点・注意点

1

ドヤリスト(★注力/自社サービス)

AI生成型

ドヤマーケAIの統一プラン月9,980円(税込)に含まれます。無料版あり

独自の巨大企業DBを保有しているわけではありません。網羅性を最優先する用途には向きません。実績が浅いです

2

SalesNow

DB型

契約期間・利用人数に応じた見積もりです(要問い合わせ)。下位版のSalesNow Liteはリスト1件50円と公式に記載されています。1,600万件超の法人・組織データベース(2026年10月7日再確認)、部署連絡先750万件以上

本体プランの金額が公式に非公開のため、初期比較で総額を並べにくいです

3

Sales Marker

DB型+インテント

公式サイトに料金の記載を確認できませんでした(要問い合わせ)

同上です。インテントデータの有無で価値が変わるため、試用しないと判断しにくいです

4

Musubu(Baseconnect)

DB型

公式サイトに、6ヶ月プラン月額20万円(税別・120,000クレジット)、12ヶ月プラン月額16万円(税別・240,000クレジット)と掲載されています。初期費用なし。30日間の無料トライアルあり。企業540万社・店舗250万店舗・キーマン200万人

料金体系は改定されることがあります。契約期間の縛りがあります

5

BIZMAPS

DB型

会員登録から30日間100件まで無料ダウンロードできます。追加は1件30円。定額プランは月3,000件まで12ヶ月契約で月15,800円から(2026年10月7日再確認)。掲載200万社超

無料枠は会員登録から30日間100件です。本格運用では追加課金または定額契約が前提になります

6

FutureSearch

DB型+フォーム営業

ライト16,500円〜/ベーシック49,500円/エキスパンション96,800円/SalesRadar 198,000円(いずれも月額)。初期費用無料

フォーム営業代行とセットの価格設計です。リスト作成だけなら割高になりえます

7

東京商工リサーチ リストアップPLUS

DB型(信用調査会社)

基本料金は1〜2,500社で50,000円/回、2,501〜5,000社で100,000円/回、5,001社以上で300,000円/回です。加えて情報料金(企業211PLUSで500社固定60円、段階的に最安30円/社)。国内1,000万件超、28種類の検索条件、TSV納品

月額サブスクではなく都度課金です。少量を頻繁に取る使い方には向きません

8

ユーソナー(uSonar)

DB型(LBC)

公式サイトのトップページで料金の記載を確認できませんでした(資料請求・問い合わせが必要です)

金額が分からないまま比較検討に入ることになります

9

FUMA

DB型

公式サイト(fumadb.com)を本記事執筆時点で取得できなかったため、料金は記載しません

公式で直接確認してください

10

Urizo(ウリゾウ)

スクレイピング型

公式サイト(urizo.jp)を本記事執筆時点で取得できなかったため、料金は記載しません

同上です

11

Papattoクラウド

スクレイピング型

公式サイト(papatto.cloud)を本記事執筆時点で取得できなかったため、料金は記載しません

同上です

12

Octoparse

スクレイピング型(汎用)

無料プランがあります(10タスク・1デバイス・月50,000行のエクスポート)。Standard 月額$69、Professional 月額$249、Enterpriseは個別見積もり(年払いで割引の記載あり)

営業リスト専用ではない汎用スクレイパーです。取得先サイトの規約確認は利用者責任です

13

Apollo.io

DB型(海外中心)

無料で使えるプランがあると公式ページに記載されています。トライアルは50クレジット・モバイル5クレジット。各有料プランの金額は公式ページ本文から取得できませんでした

日本企業データの網羅性は米国企業ほどではありません。UIは英語です

14

ZoomInfo

DB型(海外中心)

公式に価格表の掲載を確認できませんでした(要問い合わせ)

日本の中小企業データは手薄です。金額が非公開です

15

Lusha

連絡先取得型

無料プランは月40クレジットと公式に記載されています。メールアドレス表示に1クレジット、電話番号表示に10クレジットです。有料プランの金額は公式ページ本文から取得できませんでした

クレジット消費が電話番号で重いです。日本企業のカバー率は要検証です

16

LinkedIn Sales Navigator

SNS型

公式の比較ページURLを取得できなかったため金額は記載しません

日本のBtoB中小企業ではLinkedIn利用率が業種に大きく依存します

17

HRogリスト

求人媒体データ型

公式サイトで料金の確認が必要です(本記事では金額を記載しません)

求人媒体データに特化しています。採用ニーズ以外の用途には向きません

18

国税庁 法人番号公表サイト

官公庁オープンデータ型

無料です。商号・所在地・法人番号の「基本3情報」を公開しています。基本3情報ダウンロード画面から取得可能で、Web-APIも提供されています

電話番号・メールアドレス・従業員数などは含まれません。連絡先は別途調べる必要があります

19

gBizINFO(経済産業省)

官公庁オープンデータ型

500万社以上の政府保有法人データです。法人番号・法人名・所在地・資本金・従業員数・財務情報・補助金・特許・表彰などを収録しています。CSV/PDF/JSONでダウンロード可、REST API提供。ページ上に利用料金の明示的な記載は確認できませんでした

連絡先情報は限定的です。データの更新頻度は項目により異なります

20

自作スクレイピング(スプレッドシート+IMPORTXML等)

スクレイピング型(内製)

ツール費用0円(人件費は別です)

保守が属人化します。対象サイトのHTML変更で壊れます。規約確認は自己責任です

この表から読み取れる3つの事実

1. 料金を完全に公開しているツールは半分以下

20種のうち、金額を公式ページで直接確認できたのは1・4・5・6・7・12・15(一部)・18・19程度です。DB型の主要プレイヤーの多くは「契約期間・利用人数に応じた見積もり」になっています。これは各社の事情であって非難する話ではありません。ただし比較する側としては、候補を3社に絞ってから商談に入らないと、見積もり待ちで1か月が溶けます。

2. 課金単位が「月額」「1件あたり」「1回あたり」でバラバラ

BIZMAPSは1件30円、SalesNow Liteは1件50円、リストアップPLUSは抽出1回あたり50,000円〜、Musubuはクレジット制、FutureSearchは月額固定です。単位が違うので、月額だけを横に並べても比較になりません。次章の計算式で単位を揃えます。

3. 無料で始められる選択肢が確実に存在する

法人番号公表サイトとgBizINFOは公的機関が提供しており、ダウンロードとAPIが用意されています。BIZMAPSは会員登録から30日間100件まで無料(2026年10月7日再確認)、Octoparseにも無料プランがあります。予算ゼロで母集団を作ることは可能です。ただし連絡先が付かないという制約は避けられません。

2026年10月7日の再確認で変わっていた点

上の比較表は2026年8月5日時点の公式サイトの内容です。料金や無料枠は改定されるため、2026年10月7日に主なツールの公式サイトを再確認しました。変更や追加で確認できた点を書きます。ここに書いていないツールは再確認していません。

  • BIZMAPS:無料枠は「会員登録のみで1社様当たりご登録から30日間100件まで無料でダウンロード」という表記になっていました。毎月100件ではなく、登録から30日間の枠です。追加購入は1件30円、件数単位の個別購入は100件5,000円(税込)から、定額プランは月3,000件までの「定額プラン3000」が12ヶ月契約で月15,800円からと掲載されています(出典:BIZMAPS プラン一覧)。

  • Musubu:6ヶ月プラン月額200,000円、12ヶ月プラン月額160,000円は「月額利用料(税別)」と表記されています。初期費用なし、30日間の無料トライアルがあり、追加クレジットは最小10,000クレジットから1クレジット10円です(出典:Musubu 公式サイト)。

  • SalesNow:データベースの規模は「1,600万件超の法人・組織データベース」と表記されていました。下位版のSalesNow Liteは引き続き「リスト1件50円」です。よくある質問には、5日間限定のトライアル環境を用意していると書かれています。API連携と、AIから企業データを参照するためのMCPの提供も案内されています(出典:SalesNow 公式サイト)。

  • Urizo:8月の確認時は公式サイトを取得できませんでしたが、今回は確認できました。トップページに「9,900円~/月」と、30のWebサイトから合計1,500件分の企業情報を1週間無料で収集できるトライアルの記載があります。対象はiタウンページ、Googleマップ、ハローワークなど30以上のサイトです。税込・税抜の別はトップページで確認できませんでした(出典:Urizo 公式サイト)。

  • FORCAS:他の比較記事でよく挙がるFORCASは、公式ドメインがSpeedaのサイトへ転送され、ログイン先に「スピーダ 顧客企業分析 (FORCAS)」「スピーダ 営業リサーチ (FORCAS Sales)」と表示されていました。料金の掲載はなく、問い合わせが必要です(出典:Speeda 公式サイト)。

無料枠の期間や税込・税抜の表記は、比較記事の転記で取り違えやすい項目です。契約前には、必ず公式サイトの最新の表記を見てください。

営業リストの品質を比較する:架空100件の確認例

掲載企業数より、自社の条件に合い、次の確認へ進める件数を比べます。以下は計算方法を説明する架空例で、20ツールの実測結果や平均値ではありません。

対象条件を「指定した地域・業種・規模の法人」と決め、まず同一法人の重複を除きます。その後に取引済み・対象外・情報未確認を順番に確認すると、同じ行を二重に引かずに済みます。

確認の順番

件数

残る件数

取得した行

100

100

同一法人の重複行を除く

10

90

残りから既存顧客・除外対象を除く

15

75

残りからターゲット条件外を除く

20

55

残りのうち属性・連絡先の確認が未完了

5

確認済み50、保留5

確認済み50件は、接触可能性と条件を確認した候補であり、担当者への到達や商談化を保証する件数ではありません。未確認5件を対象外にせず、確認事項と担当を残します。法人番号がない場合は、社名・所在地・公式サイトを突き合わせ、同名企業や支店を区別してください。

料金は「取得単価」「確認済み単価」「アポ単価」を分ける

この100件に配賦するツール費を5,000円、確認作業を2時間、時間単価を3,000円と仮定すると、取得単価は50円、確認済み候補の単価は(5,000+2×3,000)÷50=220円です。月額が安くても、重複確認や情報補完に時間がかかる場合は総費用が変わります。

その後の営業活動費を含むアポ単価は、「ツール費+品質確認費+接触・追客の費用」を、実際のアポ件数で割ります。アポ0件の場合は割り算せず、総費用と接触結果を報告します。導入前の仮定と、運用後の実測を同じ欄に混ぜないようにしましょう。

率を掛ける計算では、各率の分母をそろえる

「取得数×重複除外後の率×適合率」のように計算する場合、適合率がどの段階の残り件数に対する率かを明示します。すべてを取得総数から計算した率として掛けると、重複や対象外を二重に控除することがあります。行単位の除外理由を保存して、件数を直接数える方法が確認しやすくなります。

比較用シートに残す項目

ツール/プラン/確認日:
抽出条件(業種・地域・規模・対象時点):
取得行数/重複を除いた法人数:
既存顧客などの除外数:
対象条件外の数/未確認の数:
確認済み候補数:
取得・追加購入費:
品質確認の時間/作業単価:
確認済み候補単価=(取得費+確認作業費)÷確認済み候補数
接触した件数/到達した件数/アポ件数:
営業活動費を含む総費用:
次回の抽出条件へ反映する理由:

DB型・AI生成型・オープンデータ型など、同じ対象条件と同じ完成状態で比較します。抽出件数や生成速度の比較だけで、契約を決めないようにしましょう。

資料請求・トライアルの前に送る確認リスト

料金が非公開のツールが多いため、比較の質は「同じ質問を各社に送れるか」で決まります。上位の比較記事は「データ精度」「更新頻度」「連携」を選び方として挙げますが、それを各社にどう聞くかまでは書いていません。次の項目をそのまま候補の3社に送り、回答を比較用シートに転記してください。

【営業リスト作成ツール 確認事項】
1. データの取得元(公的データ/独自調査/Webからの収集/提携先)
2. データの更新頻度と、レコードごとの最終更新日を確認できるか
3. 電話番号の種類(代表番号/部署直通/担当者個人)と、それぞれの収録件数
4. 法人番号が付いているか(自社の顧客リストと名寄せできるか)
5. 当社の条件での該当件数
   業種:[ ] 地域:[ ] 従業員規模:[ ] その他の条件:[ ]
6. 出力形式(CSV/Excel/API)と、1回・1か月あたりの出力上限
7. SFA・CRMとの連携方法(標準連携の有無、対応しているサービス名)
8. 利用規約上の制限(社内での共有範囲、退職者・委託先の利用、解約後のデータの扱い)
9. 担当者情報など個人情報を含む場合、その取得経緯と利用目的の説明
10. 最低契約期間、自動更新の有無、解約の申し出期限
11. 無料トライアルの期間と、トライアル中に出力できる件数

5番の「当社の条件での該当件数」は、掲載企業数の総数より重要です。総数が大きくても、自社の条件で残る件数が少なければ価値は変わりません。8番と10番は、契約後に気づいても変えられないため、書面での回答をもらっておきます。


判断フローチャート:どの分類から入るべきか

文章でも同じ内容を書きます。図が読めない環境でも判断できるようにするためです。

分岐1:ターゲット企業の条件を、業種コード・従業員数・エリアのレベルまで言語化できているか

言語化できていないなら、まずAI生成型で仮説を出します。「うちの製品はどんな企業に刺さるか」から始めてリストを買うと、条件設計を間違えたまま数千件を無駄にします。ここは1〜2週間かけていいです。

分岐2:月に必要なリスト件数は1,000件以上か

100件から300件でいいなら、法人番号公表サイトとgBizINFOで足りる可能性があります。BIZMAPSの無料枠(会員登録から30日間100件。2026年10月7日再確認)は品質を試す範囲と考えてください。1,000件を超えるならDB型の契約を検討します。

分岐3:予算をかけずにやるなら

法人番号公表サイトで基本3情報を取得し、gBizINFOで従業員数・資本金・補助金採択などの属性を突き合わせます。連絡先は各社サイトの問い合わせフォームを使います。手間はかかりますが費用はゼロです。

分岐4:業種×エリア×規模の3条件で足りるか

足りないケースは多いです。「今、採用を強化している」「最近オフィスを移転した」「補助金に採択された」といった動きのシグナルが必要なら、DB型の静的な属性検索では拾えません。求人媒体データやインテントデータを持つツール、あるいはスクレイピング型を組み合わせます。

納品直後のリスト品質チェック

  1. 抽出条件・抽出日・取得元・行数を保存する。

  2. 社名、所在地、電話番号の表記を正規化してから、法人番号などで重複を確認する。

  3. 既存顧客・接触を控える対象を社内の基準で除外する。

  4. 業種・地域・規模が条件に合うか確認する。空欄は不適合と決めず保留にする。

  5. 公式サイトと連絡先の対応を確かめ、代表番号と部署直通を区別する。

  6. 確認済み・対象外・未確認の理由と、確認日を残す。

必要な時間は件数と欠損により変わります。URLがhttpで始まることだけで情報が古いとは判断せず、実際の転送先と公式情報を確認してください。


型ごとの使いどころを、もう少し具体的に

AI生成型:条件が固まる前に使う

条件が言語化できていない段階で威力を出します。「従業員30〜100名の製造業で、まだ生産管理システムを入れていなさそうな会社」のような曖昧な指示から候補を出し、その結果を見ながら条件を絞り込んでいく使い方です。営業文面まで一緒に作れるツールなら、リストと文面の往復がなくなります。

弱点は網羅性の保証がないことです。「その条件に当てはまる企業を漏れなく出す」という用途には向きません。仮説を作るフェーズの道具と割り切ってください。

DB型:母数と属性の正確さで選ぶ

信用調査会社系(東京商工リサーチなど)は、財務データや与信情報まで持っている点が強いです。リストアップPLUSは1,000万件超のデータベースから28種類の検索条件で抽出し、TSVで納品します。基本料金は抽出1回あたりの課金なので、年に数回まとめて取る使い方に合います。

一方Musubuのようなクレジット制は、継続的に少しずつ取る使い方に合います。課金の形が使い方に合っているかを先に見てください。

スクレイピング型:規約確認が前提

対象サイトの利用規約でスクレイピングが禁止されている場合があります。また、取得したデータに個人情報が含まれる場合は個人情報保護法の適用を受けます。技術的に取得できることと、法的・契約的に取得してよいことは別です。この点は個人情報保護委員会の公開資料や、自社の顧問弁護士に確認してから設計してください。

官公庁オープンデータ型:母集団づくりに使う

法人番号公表サイトが公表しているのは商号・所在地・法人番号の基本3情報です。連絡先は入っていません。ただし「設立直後の法人」を漏れなく拾えるという他にない強みがあります。新規設立法人は既存業者の営業がまだ入っていません。

gBizINFOは資本金・従業員数・財務情報に加えて、補助金の採択情報や表彰情報まで持っています。「ものづくり補助金に採択された=設備投資の予算がある」といったシグナルとして使えます。CSV・JSONでのダウンロードとREST APIが用意されています。

条件別のおすすめ:こういう会社ならこのツール

4分類の考え方を、具体的な条件とツール名に落とします。料金はいずれも公式サイトで確認できた内容で、確認日を添えています。

予算をかけずに始めたいなら:法人番号公表サイト+gBizINFO

国税庁の法人番号公表サイトで商号・所在地・法人番号を取り、gBizINFOで資本金や従業員数、補助金の採択などの属性を足します。どちらも公的機関が提供しています。連絡先は含まれないため、問い合わせフォームや代表番号は各社の公式サイトで確かめます。具体的な操作はgBizINFOで営業リストを作る手順で解説しています。

まず少量で品質を確かめたいなら:BIZMAPS・Musubuの無料枠

BIZMAPSは会員登録から30日間100件まで無料、Musubuは30日間の無料トライアルがあります(いずれも2026年10月7日確認)。この段階では件数を取ることより、自社の条件で何件残るか、電話番号がどれだけ埋まっているかを見ます。前述の「架空100件の確認例」と同じ手順で、確認済み候補が何件になるかを数えてください。

年に数回、まとめて大量に取るなら:リストアップPLUS

東京商工リサーチのリストアップPLUSは、抽出1回ごとの課金です(2026年8月5日確認)。展示会の前や期初など、取る時期が決まっている会社に合います。毎週少しずつ取る使い方なら、月額やクレジット制のツールのほうが無駄が出にくくなります。

店舗や求人など「今動いている企業」を狙うなら:スクレイピング型

飲食店、不動産会社、採用中の企業など、ポータルサイトや求人媒体に掲載されていること自体が営業のきっかけになる場合です。Urizoは30以上のサイトから企業情報を集める形式で、1週間・1,500件分の無料トライアルがあります(2026年10月7日確認)。対象サイトの利用規約と、取得した情報に個人情報が含まれるかは、使う側が確認する前提です。

企業情報を自社システムに自動で取り込みたいなら:APIのあるサービス

SFAや社内のデータベースに企業情報を自動で流し込みたい場合は、APIの有無で候補が絞られます。

  • 法人番号公表サイト Web-API:アプリケーションIDの発行は無料ですが、発行まで2週間から1か月程度かかるとされています。基本3情報に加え、商号・所在地の変更や登記記録の閉鎖などの差分情報を期間指定で取得できます(出典:国税庁 法人番号公表サイト Web-API)。

  • gBizINFO:REST APIで法人情報を取得できます。利用の手続きは公式サイトの「APIの利用」から確認してください(出典:gBizINFO)。

  • SalesNow:公式サイトでAPIとMCPの提供が案内されています。料金は公式サイトに掲載がなく、問い合わせが必要です(2026年10月7日確認)。

無料の公的APIで作れるのは「実在して、いまも存続している法人の一覧」までです。電話番号や部署の情報が必要なら、有料のデータベースと組み合わせる設計になります。自社でAPIをつないでリストを作る場合に何が埋まり、何が埋まらないかは、営業リストをAIで作る手順と限界で検証しています。

条件がまだ固まっておらず、営業文面も一緒に作りたいなら:ドヤリスト(運営会社の自社サービス)

ドヤリストは、本メディアを運営する株式会社スリスタのドヤAIシリーズの1つです。自社サービスのため、向いている条件と弱点を分けて書きます。以下はドヤリストの公開ページで確認できる範囲です(2026年10月7日確認)。

  • できること:業種・地域・規模・キーワードから企業を検索し、AIが検索キーワードを広げます。リストからメール、フォーム営業文、電話スクリプトを作成し、CSV・Excelで出力できます。

  • データの出所:企業情報はgBizINFO(経済産業省の法人情報データベース)で、外部の検索サービスは使っていません。Webサイトが登録されていない企業は「登録URLなし」と表示し、推測で補いません。

  • 料金:無料プランは月100社まで検索、営業文ツールは月30回。プロプランは月額9,980円(税込)で月5,000社まで検索、営業文ツールは月500回です。

  • 弱点:担当者名、部署直通の電話番号、インテントデータは持っていません。データの出所がgBizINFOのため、連絡先の充実度ではDB型の専業ツールに及びません。生成した文面はたたき台で、送信前の確認と調整が必要です。

向いているのは、ターゲットの条件を試しながら絞り込みたい段階や、少ない件数でリストと文面を同時に作りたい場合です。数千件規模で電話番号付きのリストが必要なら、DB型を選んでください。

AIを使ったリスト作成では、出力の確認を省かないことも条件です。株式会社スリスタの調査では、業務でAIを使った際に事故やヒヤリハットを経験した51名のうち、33.3%が「AIが生成した誤情報をそのまま納品・公開(ハルシネーション)」と回答しています。AI生成型のツールを使う場合も、法人番号や公式サイトでの確認の工程を残してください。

出典:株式会社スリスタ『企業の生成AI活用実態調査2026』(n=400)(業務AI事故・ヒヤリハット実態2026)

ドヤリストの最初の版を開発したときの検証は、YouTubeチャンネル「SaaSは死にましぇん【AI開発】」で公開しています。業種・地域・規模を選んで企業を抽出し、フォーム営業文まで作れる状態にはなりましたが、担当者の電話番号や部署直通、インテントのようなデータは持てず、「既製の営業リストツールの価値はデータにある」という結論になっています。ツールを比べるときに、機能の数より何のデータを持っているかを見るべき理由が分かる回です。


ツールでは解決しないこと

正直に書きます。リスト作成ツールを入れても、次の3つは解決しません。

1. 誰に売るかが決まっていない問題

ICP(理想的な顧客像)が決まっていなければ、どんな高精度のDBでも抽出条件を入力できません。ツール選定の前に、直近1年の受注顧客20社を並べて共通点を洗い出す作業が必要です。これは人間がやるしかありません。

2. 架電・メールの実行キャパシティ

月5,000件のリストを取れても、営業3名では月1,000件も架電できません。取得件数を増やす前に、手元のリストを使い切っているかを確認してください。使い切れていないなら、ツールを変えても結果は変わりません。

3. 断られた理由の記録

リストの精度は、断られた理由を記録して抽出条件に反映することでしか上がりません。「規模が小さすぎた」「すでに他社を導入していた」という情報をどこにも残していない会社は、来月も同じリストを買います。


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FAQ

Q1. 掲載企業数が多いツールを選べば間違いないですか

違います。1,400万件のデータベースから抽出しても、自社のターゲットに合うのが3,000社なら、使うのは3,000社分です。見るべきは総数ではなく、自社の抽出条件でヒットする件数と、その中の連絡先充足率になります。無料トライアルで自社条件を入れて件数を見るのが最短です。

Q2. 無料で営業リストを作れますか

作れます。国税庁の法人番号公表サイトで商号・所在地・法人番号を取得し、gBizINFOで資本金・従業員数などを突き合わせる方法があります。どちらも公的機関が提供しており、ダウンロードとAPIが用意されています。ただし電話番号やメールアドレスは含まれないため、連絡手段は各社サイトの問い合わせフォームなどを自力で調べることになります。

Q3. スクレイピングは違法ですか

一律に違法とは言えませんが、対象サイトの利用規約で禁止されている場合は契約違反になりえます。取得したデータに個人情報が含まれる場合は個人情報保護法の適用も受けます。判断は個別の事案によるため、実施前に個人情報保護委員会の公開資料を確認し、必要に応じて弁護士に相談してください。

Q4. リストの鮮度はどう管理すればいいですか

抽出日を列として持ち、3か月を超えたリストは再抽出する運用にします。企業の移転・統合・廃業は毎月起きます。特に電話番号は変わりやすいです。不達率が15%を超えたら、そのリストは寿命だと判断していいです。

Q5. 料金が非公開のツールをどう比較すればいいですか

先に自社の条件(必要件数・必要な属性・予算上限)を1枚にまとめ、それを送って見積もりを依頼します。3社に同じ条件を送れば横並びで比較できます。問い合わせてから比較条件を考えると、各社バラバラの提案が返ってきて比較になりません。

Q6. 契約期間の縛りはありますか

ツールにより異なります。公式サイトに6ヶ月プラン・12ヶ月プランとして期間が明示されているものもあれば、記載を確認できないものもあります。契約前に、最低契約期間・自動更新の有無・解約予告期限の3点を必ず書面で確認してください。

Q7. 企業情報のAPIで営業リストを自動作成できますか

作れますが、無料の公的APIで自動化できるのは法人の基本情報と属性までです。国税庁の法人番号公表サイトのWeb-APIは無料のアプリケーションIDで使え、商号・所在地の変更や閉鎖などの差分も取得できます。gBizINFOもREST APIを提供しています。電話番号や部署の情報が必要なら、APIを提供している有料の企業データベースを組み合わせます。

Q8. 無料トライアルはどのくらい試せますか

ツールごとに期間と件数が違います。2026年10月7日に公式サイトで確認した範囲では、BIZMAPSは会員登録から30日間100件まで、Musubuは30日間、Urizoは1週間で1,500件分、SalesNowは5日間のトライアル環境です。期間が短いツールほど、試す前に自社の抽出条件を決めておくと比較できます。

Q9. AIで作った営業リストはそのまま使えますか

そのままは使えません。AIの出力には実在しない企業や古い情報が混ざることがあるため、法人番号や公式サイトで確認してから使います。AIで作る手順と、確認の工程の入れ方は営業リストをAIで作る手順と限界で解説しています。


まとめ:選定の手順を3つに畳む

  1. 4分類のどれが必要かを決めます。 条件が固まっていないならAI生成型、母数が要るならDB型、動きのシグナルが要るならスクレイピング型、予算ゼロなら官公庁オープンデータ型です

  2. 実効コストで比べます。 月額ではなく、重複率・不達率・適合率で補正した「1有効件数あたりのコスト」と「実アポ単価」で並べます

  3. 無料枠とトライアルで自社条件の件数を見ます。 BIZMAPSの登録から30日間100件無料、Musubuの30日トライアル、Octoparseの無料プラン、法人番号公表サイトはすべて費用ゼロで検証できます

料金・条件は改定されます。本記事の数値は2026年8月5日時点で各社公式サイトに掲載されていた内容であり、契約前には必ず公式サイトと提供元への確認を行ってください。

ターゲット条件がまだ固まっておらず、リストと営業文面をセットで作りたいという条件なら、統一プラン月9,980円(税込)で使えるドヤリストが候補になります。 https://doya-ai.surisuta.jp/doyalist


本記事で参照した公式ページ(すべて2026年8月5日確認)

  • Musubu(Baseconnect):https://musubu.in/

  • BIZMAPS:https://biz-maps.com/

  • FutureSearch 料金:https://www.future-search.jp/price/

  • SalesNow:https://salesnow.jp/

  • Sales Marker:https://sales-marker.jp/

  • 東京商工リサーチ リストアップPLUS:https://www.tsr-net.co.jp/service/detail/listup-plus.html

  • ユーソナー:https://usonar.co.jp/

  • Octoparse 料金:https://www.octoparse.jp/pricing

  • Apollo.io 料金:https://www.apollo.io/pricing

  • Lusha 料金:https://www.lusha.com/pricing/

  • 国税庁 法人番号公表サイト:https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/

  • gBizINFO:https://info.gbiz.go.jp/

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この記事の著者

Katuski.Mitsumori

三森 捷暉(みつもり かつき)

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BtoBマーケティング × SEO × AI活用 専門家|株式会社スリスタ 代表

BtoBマーケティング、SEO、コンテンツマーケティング、生成AI活用を専門とするマーケター/事業責任者です。
2021年、新卒第1号として株式会社Piece to Peace(CarryMe)に入社し、広報・マーケティング・デザイン・コンテンツ制作を横断的に担当。SEO記事、比較記事、ホワイトペーパー、ウェビナー、広告施策を組み合わせた商談創出の仕組み化を推進してきました。

その後、株式会社スリスタ(設立:2025年3月14日/代表:三森 捷暉)を設立。
現在はスリスタにて、AIを活用したマーケティング業務の自動化・省力化に注力しています。

スリスタでは、SEO記事制作、比較記事、一次情報設計、バナー制作、構成案作成といったマーケティング業務を、ユーザーが「選ぶだけ」「スワイプするだけ」で進められる設計思想をもとに、AIツールとして実務レベルで実装。
マーケティングを「1人でも回せる状態」にするための仕組みづくりを行っています。
ウェビナー・登壇実績
CarryMe主催ウェビナー
URL:https://carryme.jp/webinar58_20251126_ntt_webinar
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