AI・マーケトレンド
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顧客インタビューは、アンケートの数字では見えない「なぜその商品を選んだのか」「導入前に何に困っていたのか」を、お客様自身の言葉で集める調査です。ペルソナやカスタマージャーニーの精度を上げるにも、導入事例やお客様の声のコンテンツを作るにも、出発点はここにあります。ところが実際に始めようとすると、「誰に頼めばいいのか」「何を聞けばいいのか」「録音した後どうまとめるのか」で手が止まる方が多いのも事実です。
この記事では、顧客インタビューのやり方を「対象選定→質問設計→当日進行→録音と文字起こし→分析と記事化」の5ステップで解説します。質問例は目的別(課題発見・導入の決め手・導入後の変化・お客様の声用)に分けて、そのまま読み上げられる形で載せました。依頼メールや分析プロンプトはコピーして使えます。よくある失敗と、AIで記事化を時短するときの注意点も整理しました。なお、本記事は「顧客を理解するための調査としてのインタビュー」に重心を置き、記事としての書き方はインタビュー記事の書き方に、導入事例ページの制作全体は導入事例の作り方に譲ります。
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30秒で分かる結論
顧客インタビューは「ビフォー(導入前の課題)→選定(比較と決め手)→アフター(導入後の変化)」の三部構成で聞くと、調査にもコンテンツにも使える材料が揃います。
対象は「満足している優良顧客」だけでなく、「解約・失注した相手」「検討中の相手」も混ぜると、都合のよい声だけを集める失敗を防げます。
質問は目的ごとに分け、1回のインタビューで欲張らないこと。60分なら本題の質問は8〜10問が目安です。
「なぜ」を連発せず、「〜について教えてください」「そのとき何が起きていましたか」と言い換えると、本音が出やすくなります。
録音・文字起こし・記事化はAIで大幅に時短できますが、外部AIに渡す前に社名・個人名・数字の扱いを決めておく必要があります。
インタビューは聞いて終わりではなく、発言を棚卸しして「繰り返し出てくる言葉」を見つけるところまでが調査です。
顧客インタビューとは:アンケートとの違いと3つの目的
顧客インタビューとは、自社の商品・サービスを購入した(あるいは検討した)お客様に、1対1または少人数で直接話を聞く定性調査です。アンケートが「何人がどう答えたか」を測るのに対し、インタビューは「なぜそう答えたのか」を掘り下げます。選択肢を用意しないからこそ、想定していなかった課題や選定理由が出てきます。
実務での目的は大きく3つに分かれます。
課題発見・仮説づくり:お客様が本当に困っていることを知り、商品改善やマーケティングの仮説を立てる。ペルソナやカスタマージャーニーマップの材料になります。
選ばれる理由の特定:比較検討の中でなぜ自社が選ばれたのか(選ばれなかったのか)を知り、営業資料やLPの訴求に反映する。
お客様の声・導入事例の素材集め:導入後の変化を本人の言葉で集め、コンテンツとして公開する。
1回で3つすべてを狙うと、どれも中途半端になります。「今回はどの目的が主か」を先に決め、質問設計をそれに合わせるのが最初の分かれ道です。
形式には1人ずつ聞く「デプスインタビュー」と数名を集める「グループインタビュー」がありますが、BtoBの顧客理解では業務の文脈を深く聞けるデプスインタビューが基本です。以下の5ステップも1対1(先方は担当者と決裁者の2名まで)を前提に説明します。
ステップ1:対象を選ぶ(誰に・何人・どう依頼するか)
対象は3タイプを混ぜる
対象選定で最も多い失敗は、快く応じてくれそうな満足度の高いお客様だけに声をかけることです。それだと、選ばれなかった理由や導入後に使われなくなった理由が抜け落ちます。目的に応じて次の3タイプから配分を決めてください。
優良顧客(継続利用・活用度が高い):導入後の変化、活用のコツ、他社に勧める理由を聞く。お客様の声・導入事例の素材に向く。
解約・失注した相手:何が決め手で他社や現状維持を選んだのか、導入後に何が期待と違ったのかを聞く。課題発見に最も効く反面、依頼の難度は高い。
検討中・導入直後の相手:比較の軸、社内で説得に使った材料、不安だった点を聞く。営業資料やLPの訴求の改善に直結する。
人数の目安
同じテーマで5〜6名に聞くと、繰り返し出てくる言葉が見えてきます。まずは1つのセグメント(業種・規模・用途が近い層)につき5名前後を目安にし、新しい話が出なくなったら打ち切る考え方で十分です。最初から20名を集めようとすると、日程調整だけで疲弊して分析まで手が回りません。
依頼前に決めておくこと
用途:調査目的のみか、お客様の声・導入事例として公開するのか。公開する場合は社名・氏名・写真・ロゴの掲載可否を事前に確認する。
所要時間:45〜60分が目安。相手の負担を考え、90分を超える設計は避ける。
謝礼:金銭・ギフト・自社サービスの特典など、社内の規程に沿って決める。BtoBでは相手の会社の受け取りルールも確認が必要です。
録音の扱い:録音すること、AIツールで文字起こしする場合はその旨、データの保管期間と削除方針を先に決めておく。
依頼メールのテンプレート
以下は編集部が作成した架空の例です。目的・用途・所要時間・謝礼・録音の4点を最初のメールに入れておくと、後からの認識ずれが減ります。
件名:【ご相談】〇〇(サービス名)ご利用状況についてのインタビューのお願い(45分程度)
株式会社△△
□□様
いつも〇〇をご利用いただきありがとうございます。
株式会社〇〇の〇〇です。
このたび、〇〇をより使いやすくするための改善と、
今後ご検討される企業様への情報提供を目的に、
ご利用中のお客様へインタビューをお願いしております。
・所要時間:45分程度(オンライン/貴社ご指定の方法で)
・内容:導入前の課題、選定の経緯、導入後の変化についてのご質問
・謝礼:〇〇をお送りします
・録音:内容の整理のため録音させていただきます。
録音データは記事作成の目的以外には使用せず、〇か月後に削除します。
インタビュー内容を「お客様の声」として公開する場合は、
事前に原稿をご確認いただき、ご了承いただいた範囲のみ掲載いたします。
もしお引き受けいただける場合は、下記から都合のよい日時をお知らせください。
(候補日時 または 日程調整URL)
ご多忙のところ恐縮ですが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。依頼前に利用頻度・担当業務・導入時期などを数問聞く事前アンケート(スクリーニング)をとっておくと、当日の基本情報の確認を省いて本題に時間を使えます。フォームの作成はAIで数分に短縮できます。次の動画では、ChatGPTとGASでGoogleフォームを一気に作る手順を紹介しています。
ステップ2:質問を設計する(目的別の質問例)
質問設計の4原則
三部構成で並べる:「ビフォー(導入前)→選定(比較と決め手)→アフター(導入後)」の時系列で聞くと、相手は記憶をたどりやすく、こちらは話の流れを追いやすくなります。
オープンクエスチョンを基本にする:「使いやすかったですか?」(はい・いいえで終わる)ではなく、「実際に使ってみて、最初にどう感じましたか?」と聞く。
「なぜ」を言い換える:「なぜですか?」を繰り返すと詰問に聞こえます。「その理由を教えてください」「そのとき何が起きていましたか」「他の選択肢と比べてどこが違いましたか」に置き換える。
数字を引き出す補助質問を用意する:「時間がかかっていた」で終わらせず、「おおよそで構いませんが、月に何時間くらいでしたか?」と続ける。感覚値でよいと添えると答えやすくなります。
60分なら本題の質問は8〜10問に絞り、残りは深掘りに使います。以下の質問例は目的別です。すべて聞くのではなく、今回の目的に合う節から選んでください。
課題発見用の質問例(導入前の状況を知る)
〇〇(サービス名)を検討する前、その業務はどのように進めていましたか?
その進め方で、いちばん困っていたことは何でしたか?
その困りごとは、いつ頃から意識されるようになりましたか?きっかけになった出来事があれば教えてください。
おおよそで構いませんが、当時その業務に月どのくらいの時間や費用がかかっていましたか?
解決のために、〇〇以外にどんな方法を試しましたか?それはどうでしたか?
導入の決め手用の質問例(選定の経緯を知る)
〇〇を最初に知ったのは、どこで、どんなきっかけでしたか?
最初に見たとき、どんな印象を持ちましたか?率直にお聞かせください。
比較した他のサービスや方法があれば、差し支えない範囲で教えてください。
比較するときに、重視した条件を3つ挙げるとしたら何ですか?
最終的に〇〇を選んだ決め手は何でしたか?
導入前に不安だった点や、社内で反対や懸念の声があれば教えてください。それはどう解消しましたか?
導入後の変化用の質問例(成果と実態を知る)
導入後、その業務の進め方はどう変わりましたか?
導入前と比べて、時間・費用・件数などで変化があれば、おおよその数字で教えてください。
いちばん助かっている機能や場面はどこですか?逆に、あまり使っていない機能はありますか?
導入してから初めて気づいた良い点、または期待と違った点はありますか?
もし〇〇が明日から使えなくなったら、何にいちばん困りますか?
お客様の声用の質問例(公開コンテンツの素材を集める)
〇〇をひとことで表すとしたら、どんな言葉になりますか?
〇〇はどんな会社・担当者に向いていると思いますか?
導入を迷っている方に、ひとことメッセージをいただけますか?
掲載にあたり、社名・お名前・写真・ロゴの扱いについて、ご希望を確認させてください。
深掘りに使う追加質問
用意した質問より、回答に重ねる一言のほうが本音を引き出します。手元に置く追加質問は次の5つで足ります。
「具体的には、どんな場面でしたか?」
「そのとき、どう感じましたか?」
「他の方法と比べると、どこが違いましたか?」
「差し支えなければ、数字で言うとどのくらいですか?」
「それは、御社にとってどんな意味がありましたか?」
AIで質問リストの叩き台を作るプロンプト
質問例を自社の商材と相手の業種に合わせて言い換えると、当日の会話が自然になります。次のプロンプトで叩き台を作り、人の目で削るのが早い方法です。
あなたはBtoBの顧客インタビューを設計する調査担当者です。
以下の条件で、顧客インタビューの質問リストを作成してください。
# 目的(主目的を1つ)
(例:導入の決め手を特定し、営業資料の訴求を見直す)
# 商材
(サービス名と、ひとことで何をするサービスか)
# インタビュー相手
(業種/会社規模/役職/導入からの経過期間)
# 制約
- 所要時間45分。本題の質問は8問以内
- 「ビフォー→選定→アフター」の順に並べる
- すべてオープンクエスチョンにする(はい・いいえで答えられる質問は禁止)
- 「なぜ」で始まる質問は使わず、別の言い方にする
- 各質問に、回答が抽象的だったときの追加質問を1つ添える
- 数字を引き出せる質問を最低2問含める
# 出力形式
質問番号、質問文、追加質問、想定所要時間(分)の順に箇条書きステップ3:当日を進行する(60分の時間配分と聞き方)
冒頭5分で必ず伝えること
本題の前に次の4点を口頭で確認します。飛ばすと「公開されるとは思わなかった」というトラブルの原因になります。
今日の目的と、話した内容の用途(社内の改善用か、公開するのか)
所要時間と、質問のおおまかな流れ
録音・録画の許可。文字起こしにAIツールを使う場合はその旨も伝える
「答えにくい質問は飛ばして構わない」こと
60分の時間配分(目安)
0〜5分:あいさつ、目的と用途の説明、録音の許可、簡単な雑談で緊張をほぐす
5〜10分:相手の業務と役割の確認(事前アンケートがあれば省略して本題へ)
10〜25分:ビフォー(導入前の課題)
25〜40分:選定(比較と決め手、社内の意思決定)
40〜52分:アフター(導入後の変化、数字、現場の反応)
52〜58分:お客様の声用の質問、言い残したことの確認
58〜60分:お礼、原稿確認の流れと今後の連絡について
聞き方のコツ
質問リストを読み上げない:リストは聞き漏らしの確認用です。相手の話の流れに合わせて順番を入れ替えて構いません。
沈黙を埋めない:相手が考えているときに次の質問をかぶせると、浅い答えで終わります。3秒は待つ。
相手の言葉をそのまま返す:「『二重入力が面倒』とおっしゃいましたが、それはどの場面ですか?」のように、相手の使った言葉で深掘りすると、話が具体的になります。
営業しない:不満が出たときに弁明や機能説明を始めると、相手はそれ以上話さなくなります。「貴重なご指摘です。他にもありますか」と受け止めて先に進めます。
2人体制にする:聞き手と記録係を分けると会話に集中できます。1人の場合はメモを最小限にして録音に頼ります。
避けたいNG質問
誘導質問:「〇〇の機能は便利ですよね?」。相手は同意するしかなくなります。
二重質問:「導入のきっかけと決め手は何でしたか?」。2つを一度に聞くと片方が抜けます。
仮定の質問:「もし〇〇の機能があったら使いますか?」。答えは「はい」に寄り、実際の行動とずれます。過去の行動を聞くほうが確かです。
責める聞こえ方の質問:「どうして使っていないんですか?」。「使う機会が少ない理由があれば教えてください」に言い換えます。
オンラインで行うときの注意
オンラインでは表情や間が読み取りにくく、話が短く終わりがちです。カメラをオンにしてもらう、画面共有で実際の画面を見せてもらう、質問の間に一拍置く、の3点で補います。
終了直後の10分
終わったら記憶が新しいうちに「意外だった発言」「繰り返し出た言葉」「深掘りしきれなかった点」を3行でメモします。複数人で実施した場合はこの共有(デブリーフィング)を必ず行います。後の分析で最初に見返す材料になります。
ステップ4:録音と文字起こしをする(AIに渡す前に決めること)
録音の基本
対面ではマイクを相手の近くに置き、空調や窓際の騒音を避ける。オンラインではイヤホンマイクを使ってもらうと聞き取りやすくなります。
録音は2系統(会議ツールの録画+スマホの録音アプリなど)。片方が失敗しても取り直しは頼みにくいためです。
文字起こしはAIに任せてよい
AI文字起こしを使えば、60分の音声から短時間で下書きが出ます。精度は録音の質でほぼ決まるため、ツール選びより録音環境のほうが重要です。ツールごとの精度や無料枠の違いはインタビュー文字起こしAIの比較に、録音のコツと整形プロンプトはAI文字起こしのやり方にまとめています。
外部AIに渡す前に:社名・個人名・数字の扱いを決める
ここがAIで時短するときに最も注意が必要な工程です。インタビュー音声には、お客様の社名、担当者名、取引先名、売上や単価などの数字が含まれます。そのまま外部のAIサービスに投げると、自社のセキュリティ規程やお客様との守秘義務に抵触するおそれがあります。
これは他人事ではありません。株式会社スリスタが会社員400名に行った調査では、業務でのAI利用中に事故・ヒヤリハットを経験した人のうち、最も多かった事案は「機密情報・個人情報をAIに入力してしまった」で37.3%、「社内情報・取引先情報を含むデータを外部AIサービスにアップロードした」も19.6%にのぼりました。インタビュー音声は、まさにこの2つに該当しやすいデータです。
出典:株式会社スリスタ『企業の生成AI活用実態調査2026』(n=400)【調査レポート】業務AI事故・ヒヤリハット実態2026
対策は難しくありません。次の順に決めておきます。
使うツールを会社として決める:入力データが学習に使われない設定・契約のものを使い、個人アカウントの無料版で業務データを扱わない。
渡す前に置き換える:文字起こしテキストの社名を「A社」、担当者名を「Bさん」、具体的な金額を「〇〇円」に置き換えてからAIに渡す。置き換え表は社内にだけ保管する。
相手に伝えておく:ステップ1の依頼メールとステップ3の冒頭で、AIツールを使うことと、データの保管・削除方針を伝えておく。
音声ファイルの保管期限を決める:記事の公開または分析の完了から〇か月で削除する、と決めて実行する。
ステップ5:分析して記事化する(AIで時短する範囲と、人が判断する範囲)
分析は「発言の棚卸し」から
文字起こしができたら、いきなり記事やレポートを書き始めず、発言を棚卸しします。
発言を切り出す:文字起こしから、事実・意見・感情が含まれる発言を1つずつ切り出す(1発言=1行)。
テーマで束ねる:「導入前の課題」「比較の軸」「決め手」「導入後の変化」「要望・不満」などのテーマに振り分ける。複数人分を同じテーマで並べる。
繰り返しを探す:複数の相手から同じ趣旨の発言が出ているテーマを見つける。それが、営業資料やLP、商品改善に使える「共通の言葉」です。1人だけの発言は仮説として別に置いておきます。
棚卸しをAIに手伝わせるプロンプト
1と2はAIに任せられます。3の「どれを共通の言葉と見るか」は、自社の商材と市場を知っている人が判断してください。
以下は、顧客インタビューの文字起こし(社名・個人名は置き換え済み)です。
次の作業を行ってください。
1. 発言を「事実」「意見」「感情」のいずれかを含む単位で切り出し、1行1発言で列挙する
2. 各発言を次のテーマに分類する:
導入前の課題/比較の軸/決め手/導入後の変化/要望・不満/その他
3. テーマごとに、発言を原文のまま並べる(要約や言い換えはしない)
4. 数字を含む発言には先頭に【数字】と付ける
5. 文字起こしに無い内容を補わない。判断に迷う発言は「その他」に入れる
# 文字起こし
(ここに貼り付け)「原文のまま」「補わない」の2つは必ず入れてください。省くと、AIが発言を整えたり言っていない理由を補ったりし、後工程で見分けがつかなくなります。
分析結果の使い先
ペルソナ・カスタマージャーニーの更新:「導入前の課題」「比較の軸」の発言をそのまま反映できます。作り方はペルソナの作り方とBtoB向けカスタマージャーニーマップの作り方を参照してください。
営業資料・LPの訴求の見直し:「決め手」に繰り返し出た言葉を、資料の見出しやLPの言葉に置き換える。
商品改善と記事化:「要望・不満」は発言数で優先順位をつけ、「課題→決め手→変化」の発言はお客様の声・導入事例の骨格にする。
記事化をAIで時短する
お客様の声や導入事例として公開する場合、棚卸し済みの発言をもとにAIで下書きを作れば執筆時間を短縮できます。文字起こしから構成案、下書きまでをNotebookLMで進める手順は次の動画で実演しています。
ただし、AIの下書きをそのまま先方に送ってはいけません。AIは「言っていないこと」を自然な文章で補います。公開前に各段落を原音・文字起こしと突き合わせ、事実と数字が発言どおりかを確認してから先方の原稿確認をとります。記事の構成テンプレートや話し言葉の整え方はインタビュー記事の書き方で詳しく解説しています。導入事例として受注につながる構成にしたい場合は導入事例の書き方もあわせてご覧ください。
顧客インタビューでよくある失敗と対策
満足している顧客だけに聞く:出てくるのは「良かった」の言い換えばかりになります。解約・失注・検討中の相手を最低1〜2名混ぜます。
目的を決めずに全部聞こうとする:60分で30問を消化しようとして、すべてが浅くなります。主目的を1つに絞り、質問は8〜10問に削ります。
「なぜ」を連発する:詰問に聞こえ、相手が身構えます。「その理由を教えてください」「そのとき何が起きていましたか」に言い換えます。
不満が出た瞬間に営業や弁明を始める:以後、相手は本音を話さなくなります。受け止めて先に進み、回答は後日改めて行います。
音声や文字起こしをそのまま外部AIに渡す:社名・個人名・数字を置き換え、会社として決めたツールで扱います(ステップ4)。
AIの下書きを原音と突き合わせずに先方へ送る:同じ調査では、事故経験者のうち「AIが生成した誤情報をそのまま納品・公開した」が33.3%でした。段落ごとに発言との突き合わせを行い、確認できない記述は削ります。
聞いて終わりにする:棚卸しをせず、担当者の記憶にだけ残って消えていきます。テーマ別に並べた発言を社内で共有し、どこに反映するかまで決めます。
よくある質問
Q. 何人にインタビューすれば十分ですか?
条件の近い層ごとに5名前後を目安に始め、新しい話が出なくなった時点で打ち切れば十分です。人数を増やすより、優良顧客・解約や失注・検討中の3タイプを混ぜるほうが情報の幅が広がります。定量的に確かめたい仮説が見つかったら、アンケートに切り替えます。
Q. 謝礼はどう決めればよいですか?
金額や形式は社内の規程と、相手の会社の受け取りルールに合わせて決めます。BtoBでは金銭より自社サービスの特典や完成した記事の提供が受け入れられやすい場合もあります。依頼時に明記し、後から変えないことが大切です。
Q. オンラインと対面はどちらがよいですか?
日程調整と録音の安定性ではオンラインが有利です。現場の様子を見たい場合や、写真撮影を伴う導入事例の取材では対面が向いています。オンラインでも画面共有で実際の使い方を見せてもらうと、対面に近い具体性が得られます。
Q. 録音を嫌がられた場合はどうしますか?
無理に押し切らず、用途(文字起こしと内容整理のためで音声は公開しない)と保管・削除方針を説明し、それでも難しければ記録係を立ててメモで対応します。この場合、発言の引用は先方確認で必ず裏取りします。
Q. インタビュー内容をお客様の声として掲載するときの注意点は?
依頼時と当日の冒頭で公開の用途を伝えること、公開前に原稿を先方に確認してもらうこと、社名・氏名・写真・ロゴの掲載範囲をメールなど書面で残すこと、の3点です。公開後の修正や取り下げ依頼への対応も決めておくと安心です。
まとめ
顧客インタビューは、対象を3タイプから選び、目的を1つに絞って質問を設計し、当日は「ビフォー→選定→アフター」の流れで、なぜを言い換えながら深掘りする。録音は2系統で確保し、外部AIに渡す前に社名・個人名・数字の扱いを決める。文字起こしと棚卸しはAIに任せ、どれを共通の言葉と見るかは人が判断する。この5ステップで、調査としての価値とお客様の声・導入事例の素材の両方が手に入ります。まずは1つのセグメントで5名、来月中に実施する予定を立てるところから始めてみてください。
録音や文字起こしからお客様の声・インタビュー記事の下書きまでをまとめて短縮したい方は、取材素材をアップロードするだけで構成と下書きを生成するドヤインタビューもご活用ください。




