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AI商談支援ツール比較15選|リアルタイム型か事後型か

AI商談支援ツールは2種類あります。商談の最中に回答案を出すリアルタイム型と、終わった商談を解析して次に活かす事後分析型です。この2つは解決する課題が違うので、同じ表に並べて比べると必ず選定を間違えます。今日の商談で失注を止めたいならリアルタイム型、来期の組織力を上げたいなら事後分析型です。この記事では15製品をその軸で分けて並べます。

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この記事でわかること

  • リアルタイム型と事後分析型の違い、自社がどちらを先に入れるべきか

  • 15製品の料金・対応Web会議ツール・欠点を同じ基準で並べた比較表

  • 主要な事後分析型SaaSの多くが公式サイトで料金を公開していないという事実と、その中で見積を取るときの聞き方

  • そのままコピペできる選定フローチャートと、稟議用の比較シート項目

  • 商談の録音・AI解析に相手の同意が必要かという論点の整理

調査条件: 掲載した料金・機能は2026年8月5日に各製品の公式サイトで確認した内容のみを記載しています。公式サイトに金額の記載がない製品は「公式サイトで料金非公開」と正直に書きました。推測の金額は一切載せていません。為替や税の表記は各公式の表記に従っています。


1. なぜ「リアルタイム型」と「事後分析型」を分ける必要があるのか

既存の比較記事のほとんどは、この2つを「AI商談支援ツール」という1つの表に混ぜて並べています。機能欄に「文字起こし ◯」「要約 ◯」と書けば似た製品に見えるからです。しかし現場で起きることはまったく違います。

1-1. リアルタイム型が解決するのは「その場で答えられない」

リアルタイム型は、商談中に相手の発言を解析し、回答案を数秒以内に営業担当の画面へ出します。効くのは次のような瞬間です。

  • 新人が「競合のA社と何が違うんですか」と聞かれ、固まる

  • 価格の根拠を突っ込まれ、「持ち帰って確認します」と答えてしまう

  • 技術的な仕様質問が飛んできて、答えられずに温度が下がる

この3つはいずれもその商談の中で処理しないと取り返せません。持ち帰り→後日メール、という流れに落ちた案件の失注率が高いことは、営業をやったことがある人なら体感で知っています。リアルタイム型はここを潰す道具です。

代わりに、リアルタイム型は組織の学習にはほとんど寄与しません。誰がどこで詰まったかのデータは残りますが、マネジメント指標としては粗いものです。

1-2. 事後分析型が解決するのは「何が起きていたか分からない」

事後分析型は、録音・録画を文字起こしし、要約・トークスコア・話速・沈黙時間などを算出してSFAに転記します。効くのはマネジメント側です。

  • 商談化率が低いメンバーが、ヒアリングのどの項目を飛ばしているかが分かる

  • トップセールスの切り返し方を全文検索して、スクリプトに落とせる

  • 日報の代わりに実データでパイプラインをレビューできる

効果が出るまでは数か月かかります。文字起こしを溜めるだけでは何も変わらず、「週次で誰がどう見るか」を決めて初めて機能します。導入の難所は技術ではなく運用設計の側にあります。

1-3. 判断の起点は「今いちばん痛いのはどっちか」

リアルタイム型

事後分析型

解決する痛み

商談中に答えられず失注します

何が起きているか分からず改善できません

効果が出るまで

即日〜数日

3か月〜

主な受益者

商談に出ている本人

マネージャー・イネーブルメント担当

導入単位

個人1人からでも成立します

チーム単位でないと意味が薄いです

料金の傾向

公式サイトに金額が出ていることが多いです

公式サイトで非公開(見積制)が多いです

失敗パターン

画面共有で相手に見えてしまいます

溜めるだけで誰も見ません


2. 比較表①:リアルタイム型(商談中に回答を出す)

料金・機能は2026年8月5日時点の各公式サイト記載に基づいています。

ツール

注力

リアルタイム提示

対応環境

料金(公式表記)

欠点・注意点

ドヤカンニング

★注力(自社サービス)

あります。相手の声をAIが解析し、自社ナレッジに基づく回答を即時提示します。商談アシスト/面接対策など全11モード

Chrome・Edge推奨。Google MeetとZoomのタブ音声取り込みに対応しています

FREEプランあり/プロプラン 月9,980円(税込)。ドヤマーケAI 14サービス共通プランで全て使い放題です

ブラウザ上に表示されるため、画面全体や該当タブを共有すると相手に映ります。別ウィンドウ/サブディスプレイ運用が前提です。商談後のトークスコアリングやSFA自動転記といった事後分析機能は持ちません

Cluely

あります。通話中にAI回答を提示します

デスクトップアプリ。過去の会議への質問にも対応しています

Starter 無料(AI応答・議事録に上限あり)/Pro 月19.99ドル/Pro + Undetectability 月149.99ドル

画面共有ソフトから完全に隠れる機能は最上位プラン(月149.99ドル)のみです。日本語UI・日本語サポートの明記が公式にありません。海外SaaSのため請求はドル建てです

KanpeAI

あります。カンペモード(事前登録した想定問答・資料から回答候補を提示)とカスタムモード(自由プロンプト)。公式は平均応答速度0.62秒と公称しています

公式ページに対応Web会議ツールの明示はありません

無料トライアル 0円(7日間・クレカ登録不要/カンペ生成1回・音声認識3分まで)/プロプラン 月1,980円(税込)

無料トライアルの上限が厳しく(カンペ生成1回)、実務での検証には有料化がほぼ必須です。画面共有時に相手に見えるかどうかの記載が公式ページにありません。SFA連携機能は確認できませんでした

Stand(yourstand.ai)

あります。リアルタイム文字起こし+ヒアリング進捗の可視化+提案トーク支援+SFA/CRM自動転記

Zoom / Microsoft Teams / Google Meet / Webex など

公式サイトは2026年8月5日時点でウェイティングリスト受付中です。料金の記載を確認できませんでした

一般提供前のため、導入時期・価格が読めません。稟議を通す前提の会社では現時点で選定候補に入れづらいです

2-1. リアルタイム型でいちばん見落とされる論点:画面共有

リアルタイム型を導入して最初に起きる事故が、画面共有でカンペが相手に映るというものです。ここは製品によって設計思想が明確に分かれます。

  • ブラウザ内表示型(ドヤカンニングなど):画面全体や該当タブを共有すれば映ります。ノートPC+外部ディスプレイの2画面構成にして、共有するのは資料側のディスプレイだけにすれば運用で回避できます。

  • デスクトップオーバーレイ型(Cluelyなど):共有ソフトから隠す機能を製品側が持ちます。ただしCluelyの場合、「Completely hidden to meeting screen sharing software」は月149.99ドルのPro + Undetectabilityプランの機能として整理されています。無料・Proプランでこの挙動を期待してはいけません。

導入前に必ず、自社の商談で実際に使うWeb会議ツールで、同僚相手に画面共有テストを1回やってください。これを飛ばすと本番で事故ります。


3. 比較表②:準リアルタイム型(文字起こしは即時、回答生成は補助)

「商談中に画面に文字が出る」という意味ではリアルタイムですが、回答スクリプトの提示を主目的にしていない製品群です。議事録目的で導入され、副次的に商談中も見られる、という位置づけです。

ツール

注力

リアルタイム性

対応環境

料金(公式表記)

欠点・注意点

Notta

文字起こしはリアルタイムです。回答提示機能ではありません

Web / アプリ。Web会議の録音・文字起こしに対応しています

フリー 0円(120分/月)/プレミアム 月1,185円(年間一括 総額14,220円 税込・40%OFF適用時)/ビジネス 月2,508円(年間一括 総額30,096円 税込・同)/エンタープライズ 要相談

回答案を出す機能ではないため、「商談中に助けてほしい」というニーズには応えません。フリープランは月120分で、週2〜3件の商談で使い切ります

Otter.ai

ライブ文字起こしと会議中のAIチャットに対応しています

Web / アプリ

Basic 無料(月300分・1会議30分まで)/Pro 月16.99ドル(年払い時 月8.33ドル・月1,200分)/Business 月30ドル(年払い時 月19.99ドル・無制限)/Enterprise 要問い合わせ

英語圏中心の設計で、日本語の商談用途では表記・要約の癖が出やすいです。ワークスペースメンバー数がBasic/Proで5名、Businessで25名という上限があります

Rimo Voice

会議AIアシスタントとの対話、会議インサイト分析

Web。自動録画に対応しています

Solo 月9ドル(税込・リリース限定50%OFF、通常18ドル)/Business 月15ドル/アカウント(税込・同、通常30ドル)

AIクレジット制で、Soloは月100クレジットです。使い方によっては上限に当たります。回答スクリプトの即時提示は主機能ではありません


4. 比較表③:事後分析型(商談後に効く)

ここで最初に書いておくべき事実があります。この分類の主要製品は、公式サイトで料金を公開していないものが多いです。

ツール

注力

主な機能

対応環境

料金(公式表記)

欠点・注意点

amptalk(amptalk analysis)

電話・商談の自動書き起こしと解析

Web会議・電話

公式料金ページに金額の記載はありません。「貴社のご状況に合わせて最適なプランを提案」と記載されています(要問い合わせ)

金額が事前に分からないため、予算枠を作ってから問い合わせる必要があります。個人・少人数での試用は想定されていません

MiiTel Meetings

Web会議解析AI。会議分析とナレッジ共有。同社にはMiiTel Phone(電話解析)、MiiTel RecPod(対面会話解析)、MiiTel Call Centerもあります

Web会議

公式サイトに金額の記載はありません。資料ダウンロード/デモ依頼への導線のみです

製品ラインが電話・Web会議・対面・コールセンターに分かれており、必要な範囲を絞らないと見積が膨らみます

ACES Meet

高精度な文字起こしと要約。オンライン・対面両対応。固有名詞・業界用語の辞書登録。話者の声を蓄積・照合する特許技術。Salesforce自動反映、スマホアプリでワンタップ録音

オンライン・対面

公式サイトに金額の記載はありません(無料トライアルあり・要問い合わせ)

料金非公開のため相見積もりの土俵に乗せにくいです。対面商談まで対象にするとデータ量が増え、運用ルールの整備負荷が上がります

ailead

対話データの自動収集・構造化、CRM/ATSへの自動反映、SFA入力の自動化、商談データの可視化、採用評価の自動化

Zoom / Microsoft Teams / Google Meet。電話(Dialpad、Zoom Phone)、カレンダー(Google Calendar、Microsoft 365)、CRM(Salesforce)連携

公式サイトに金額の記載はありません。「30分無料相談」「資料DL」への導線のみです

料金非公開です。Salesforce連携を前提にした設計思想が強く、SFAを持たない会社では機能の一部が遊びます

JamRoll

商談解析AI。全文検索、Slack通知、要約カスタマイズ、AIエージェント機能(JamRoll Deal)などを公式ニュースで発表しています

Web会議

2026年8月5日時点で公式サイトの取得ができず、料金を確認できませんでした

提供元のPoetics社は、ナレッジワークが全株式を取得したことが同社ニュースで発表されています。製品の位置づけが変わる可能性があるため、導入検討時は提供元に直接、今後の製品ロードマップと契約継続条件を確認してください

Gong

レベニューインテリジェンス。商談・通話データの解析

Web会議・電話

金額は非公開です。公式ページには「Licenses are priced per user」「There is a platform fee based on the number of users supported」と記載されています。既存ツールとの連携は無料と明記されています

ユーザー単価に加えてプラットフォーム手数料が別途かかる構造のため、少人数だと単価が跳ねやすいです。日本語環境での運用実績は自社で確認が必要です

toruno

記録・文字起こし・AI要約。運営はリコーです

Web会議・対面

toruno ビジネス AI要約:月30時間プラン 月27,000円(超過分 1時間900円)/月100時間プラン 月85,500円(超過分 1時間855円)。初期費用0円

時間課金なので、商談件数が多い組織では超過分が読みにくいです。営業のトークスコアリングやSFA連携といったセールス特化機能は主機能ではなく、議事録・記録用途の色が濃いです

4-1. 「料金非公開」を悪いこととして書かない

ここは誤解されやすいので明確にしておきます。事後分析型の主要製品が料金を公開していないのは、隠しているからではありません。この領域は利用ID数・通話量・連携先・オンボーディング支援の有無で構成が大きく変わるため、単価だけ出しても実額と乖離するからです。実際、amptalkの公式料金ページには「貴社のご状況に合わせて最適なプランを提案」と書かれています。

問題は、比較記事を読む側が「相場が分からないまま問い合わせる」ことになる点です。だから次の章で、見積を取るときに何を聞けばいいかを具体的に書きます。


5. コピペして使える:料金非公開ツールの見積依頼テンプレート

料金が公開されていない製品に問い合わせるとき、以下をそのまま送ると比較可能な見積が返ってきます。営業担当が提案を組みやすくなるので、返信も速いです。

【見積依頼】商談解析ツールの導入検討

■ 会社概要
・業種:
・全社員数: 名
・営業部門の人数: 名(うち商談に出る人数: 名)

■ 利用想定
・月間の商談件数(全社合計): 件
・1商談の平均時間: 分
・対象チャネル:Web会議 / 電話 / 対面(該当に○)
・利用するWeb会議ツール:Zoom / Google Meet / Microsoft Teams / その他(  )

■ 見積で明示していただきたい項目
1. 初期費用(オンボーディング費用を含むか)
2. 月額費用と課金単位(ID課金/時間課金/その他)
3. 最低契約ID数、最低利用金額(下限額)があるか
4. 最低契約期間と、期間中の解約可否・違約金の有無
5. 商談を録音していない「聞くだけのメンバー(マネージャー等)」に
   ID費用がかかるか
6. 文字起こし・保存の上限(時間/容量)と超過時の課金
7. SFA/CRM連携(    )の追加費用の有無
8. 契約終了時、蓄積した文字起こし・音声データを
   エクスポートできるか。形式と期限
9. 値上げ時の通知タイミングと、更新拒否の申し出期限

■ 導入希望時期
・ 年 月

9番と8番を必ず入れてください。これを最初に聞いておかないと、2年目の更新時に条件を飲まざるを得なくなります。特に8番(データのエクスポート可否)は、乗り換え自由度を左右する最重要項目でありながら、初回商談で聞く人がほとんどいません。


6. 選定フローチャート

文章でも書いておきます。上から順に自問して、最初にYesになったところで止めればいいです。

Q1. 直近3か月で「その場で答えられず持ち帰った質問」が原因の失注が思い当たるか? → Yes:リアルタイム型です。まず1人で無料版・トライアルを試し、画面共有テストを済ませてから展開してください。 → No:Q2へ。

Q2. マネージャーが「メンバーの商談で何が起きているか」を日報以外で把握できているか? → No:事後分析型です。ただし導入前に「週次で誰が何を見て、何を決めるか」を1枚に書いてください。これがないと録画が溜まるだけで終わります。 → Yes:Q3へ。

Q3. 商談後の議事録作成・SFA入力に、1商談あたり15分以上かかっているか? → Yes:準リアルタイム型(文字起こし特化)、またはSFA自動転記を持つ事後分析型です。 → No:現時点でAI商談支援ツールの優先度は高くありません。他の投資を先にしてください。

Q4.(Q1でYesだった人向け)自社の商談で画面共有を頻繁に使うか? → 使う:オーバーレイ非表示機能を持つ製品を選ぶか、2画面運用を社内ルールとして先に決めてください。 → 使わない:ブラウザ内表示型で問題ありません。


7. 料金の実額はこう変わる:営業5人の場合の試算

「1ユーザー月額◯円」だけを見ると判断を誤ります。公式に金額を公開している製品について、営業5人で1年使った場合の年額を計算してみます。計算式はシンプルです。

年額 = 月額単価 × 利用人数 × 12
(年払い割引がある場合は年払い時の月額換算を使う)

製品

プラン

月額(公式表記)

5人×12か月の年額

ドヤカンニング

プロプラン

9,980円(税込)

598,800円(税込)※ただし14サービス共通プランのため、他13サービスも同額内で使えます

KanpeAI

プロプラン

1,980円(税込)

118,800円(税込)

Cluely

Pro

19.99ドル

1,199.4ドル

Cluely

Pro + Undetectability

149.99ドル

8,999.4ドル

Notta

ビジネス(年間一括)

2,508円(税込・年間総額30,096円)

150,480円(税込)

Otter.ai

Business(年払い)

19.99ドル

1,199.4ドル

Rimo Voice

Business

15ドル(税込・限定割引適用時)

900ドル

注意点が2つあります。

1つ目です。Cluelyの「画面共有に映らない」を目的に導入するなら、5人でおよそ9,000ドル/年になります。この機能が本当に必要かどうかは、2画面運用のルールを作れば済む話でもあるので、金額を見てから決めたほうがいいです。

2つ目です。ドヤカンニングの月9,980円(税込)は、ドヤカンニング単体の価格ではなくドヤマーケAIの14サービス共通プランの価格です。商談支援だけのために払うと割高に見えますが、記事作成・バナー生成・営業リスト・勤怠管理なども同じ料金内に入ります。逆に言えば、商談支援機能だけが欲しい会社にとってはオーバースペックになります。ここは正直に書いておきます。

事後分析型については、公式に金額が出ていない以上、この表に載せることができません。相場を推測して書くことは、この記事ではしません。


8. 商談の録音・AI解析に相手の同意は必要か

この論点を飛ばして導入すると、後から法務に止められます。ここは断定できる部分と、確認が必要な部分を分けて書きます。

確認しておくべき事実として: 商談相手の音声を録音し、氏名・所属とひも付けて保存する行為は、個人情報の取得・利用に該当しうるものです。個人情報保護法における利用目的の特定・通知公表の考え方については、個人情報保護委員会の公式ガイドラインを直接確認してください。本記事では条文解釈の断定を避けます。

実務上、多くの導入企業がやっていること:

  1. 商談冒頭に「記録と社内共有のために録音させていただきます」と口頭で伝え、その発言自体も録音に残す

  2. 断られた場合に録音を止める運用を、営業側の手順書に明記する

  3. プライバシーポリシーに、商談音声の取得・利用目的・保存期間を追記する

  4. Web会議ツール側の「録音中」表示を消さない

リアルタイム型に固有の論点: 相手の発言を解析してAIに投げる構成の場合、録音を保存しないケースでも「音声を外部サービスに送信している」ことに変わりはありません。導入前に、その製品が音声・テキストを学習に利用するかどうかを利用規約で確認してください。Rimo Voiceのように公式ページで「AI学習なし」と明記している製品もあれば、記載を探さないと分からない製品もあります。

個別の判断は、自社の顧問弁護士または個人情報保護委員会に確認してください。業種によっては(金融・医療など)業法上の追加要件があります。


9. 導入して失敗する3パターン

ツールを入れれば解決する、とは書きません。実際に起きる詰まり方を挙げます。

9-1. 事後分析型を入れたが、誰も見ない

いちばん多いパターンです。録画と要約が毎日溜まっていきますが、マネージャーが見る時間を確保していないので放置されます。3か月後に「使っていないので解約したい」となります。

回避策: 導入初月から「週次の1on1で、直近の商談1本を一緒に見る」を固定してください。全部見る必要はありません。1人1本でいいです。見る時間を先にカレンダーに入れてから契約してください。

9-2. リアルタイム型を入れたが、画面を見る余裕がない

商談中にAIの提案を読む行為は、それ自体が認知負荷になります。相手の話を聞きながら画面のテキストを読むのは、慣れないうちは難しいです。結果として「あるけど見ていない」状態になります。

回避策: 最初の2週間は、社内ロープレでのみ使ってください。本番投入は「画面をチラ見しても会話が途切れない」状態になってからです。あと、提示される回答が長文だと読めないので、要点3行に絞る設定にできる製品を選んでください。

9-3. 文字起こしの固有名詞が壊れて、検索できない

自社製品名・業界用語・顧客企業名が誤変換され、全文検索が機能しません。ACES Meetのように辞書登録機能を公式に持つ製品もありますが、登録作業は自社でやる必要があります。

回避策: 導入時に、自社製品名・主要顧客名・業界用語を50語ほどリストにして辞書登録してください。この作業を誰がやるか決めないまま導入すると、永遠にやられません。

9-4. ツールでは解決しない部分

正直に書きます。AI商談支援ツールで解決しないのは次の3つです。

  • そもそも提案内容が弱い:カンペが出ても、提案が刺さっていなければ受注しません

  • ターゲットがずれている:買う気のない相手との商談を何件やっても数字は動きません

  • 決裁者に会えていない:担当者との商談を完璧にこなしても、決裁者が別にいれば止まります

この3つは商談前工程(リスト・アプローチ・事前準備)の問題であって、商談中・商談後の支援ツールでは動きません。


10. 稟議に使う比較シートの項目

比較表をそのまま稟議に貼っても通りません。決裁者が見るのは次の項目です。

【AI商談支援ツール 選定比較シート】

■ 前提
1. 解決したい課題(1行で):
2. 効果測定の指標:(例)持ち帰り件数 / 商談化率 / 議事録作成時間
3. 効果測定の基準値(導入前の実測):
4. 判定時期:導入から か月後

■ 候補製品(3社まで)
                     A社     B社     C社
初期費用
月額(税別/税込を明記)
課金単位(ID/時間/定額)
最低利用金額の有無
最低契約期間
5名時の年額
20名時の年額
対応Web会議ツール
SFA連携の可否と追加費用
文字起こし上限
データエクスポート可否
無料トライアル期間
サポート窓口と対応時間

■ 却下理由(採用しなかった2社について1行ずつ)
■ 導入後3か月で撤退する条件

最後の「撤退条件」を先に書いておくと、稟議が通りやすくなります。決裁者がいちばん怖いのは、効果が出ないまま契約が自動更新され続けることだからです。


11. FAQ

Q1. リアルタイム型と事後分析型、両方入れるべきですか。

営業10人未満の会社なら、まず片方でいいです。予算を分散させると、どちらも中途半端になります。順番としては、失注の理由が「その場で答えられなかった」に偏っているならリアルタイム型から、「何が起きているか分からない」ならまず記録から入ってください。両方入れるのは、片方が定着して数字が動いてからで遅くありません。

Q2. 無料プランだけで実務は回りますか。

製品によります。Notta フリープラン(月120分)は週2〜3件の商談で使い切ります。Otter.ai Basic(月300分・1会議30分まで)は1時間の商談だと途中で切れます。KanpeAIの無料トライアルはカンペ生成1回・音声認識3分までで、これは検証用の枠です。無料プランは「使えるかどうかを判断するため」のものと考え、実務投入には有料プランを見込んでおくのが現実的です。

Q3. 商談中に相手にカンペが見えてしまわないか心配です。

見える可能性は実際にあります。ブラウザ内に表示するタイプは、画面全体や該当タブを共有すれば映ります。対策は2つで、(1) 非表示機能を持つ製品を選ぶ(Cluelyの場合は月149.99ドルのプランの機能)、(2) 外部ディスプレイを使い、共有するのは資料側のディスプレイだけにする、というものです。導入前に社内で画面共有テストを1回やることを強く勧めます。

Q4. なぜ事後分析型は料金を公開していないのですか。

利用ID数・通話量・連携先・導入支援の有無で構成が変わるため、単価だけを出しても実額と合わないからです。amptalkの公式料金ページには「貴社のご状況に合わせて最適なプランを提案」と記載されています。本記事の見積依頼テンプレート(第5章)をそのまま送れば、比較可能な形で見積が返ってきます。

Q5. 日本語の精度はどれくらい違いますか。

この記事では各社の公式記載を紹介するにとどめます。ACES Meetは「LLM技術を応用した音声認識モデルに比べて、文字起こしの修正が必要な箇所は約40%削減」と公式に記載しています。KanpeAIは「平均応答速度0.62秒」と公称しています。ただし精度は業界用語の多さ・話者の人数・回線品質で大きく変わるため、自社の実商談の音声で試すこと以外に判断方法はありません。第三者による横断的な精度測定の公表データは確認できませんでした。

Q6. 途中で乗り換えるとき、蓄積したデータは持ち出せますか。

製品と契約によります。契約前に「契約終了時、文字起こし・音声データをどの形式で、いつまでエクスポートできるか」を書面で確認してください。この確認を怠ると、2年分の商談ログを人質に取られた状態で更新交渉に臨むことになります。第5章のテンプレートに項目を入れてあります。


12. まとめ:この記事の結論

  • AI商談支援ツールはリアルタイム型事後分析型に分かれ、解決する課題が違います。同じ表で比べないでください

  • リアルタイム型は公式サイトに金額が出ている製品が多く、個人1人からでも始められます

  • 事後分析型は公式サイトで料金非公開の製品が多いです(amptalk・MiiTel・ACES Meet・ailead・Gong)。相場を推測せず、見積依頼テンプレートで条件を揃えて取ってください

  • リアルタイム型の事故は画面共有で起きます。導入前にテストしてください

  • 事後分析型の失敗は誰も見ないことです。見る時間をカレンダーに入れてから契約してください

  • ツールでは解決しないのは、提案内容・ターゲット選定・決裁者接触の3つです


商談中の「その場で答えられない」を潰したい場合

商談中に相手の質問へ即答できず、持ち帰りが失注につながっている。営業が1〜5人で、事後分析のためのマネジメント工数を割く余裕がない。この条件なら、ドヤカンニングが候補になります。相手の声をAIが解析し、自社ナレッジに基づく回答をリアルタイムで提示する自社サービスで、Chrome・EdgeでGoogle MeetとZoomのタブ音声取り込みに対応しています。FREEプランで挙動を確認でき、プロプラン月9,980円(税込)はドヤマーケAI 14サービス共通プランなので、記事作成・営業リスト・勤怠管理なども同じ料金内に含まれます。

一方で、商談後のトークスコアリングやSFA自動転記が必要なら、事後分析型を選ぶべきです。ブラウザ内表示のため画面共有時の運用ルールも必要になります。この2点が要件に入るなら、この記事の第4章の製品群から選定してください。

→ ドヤカンニング:https://doya-ai.surisuta.jp/cunning


参照した公式情報(すべて2026年8月5日確認)

  • amptalk 料金ページ:https://amptalk.co.jp/price

  • MiiTel 公式サイト:https://miitel.com/jp/

  • ACES Meet 公式サイト:https://meet.acesinc.co.jp/

  • ailead 公式サイト:https://ailead.app/

  • Cluely 料金ページ:https://cluely.com/pricing

  • KanpeAI 公式サイト:https://kanpeai.com/

  • Stand 公式サイト:https://yourstand.ai/

  • Notta 料金ページ:https://www.notta.ai/pricing

  • Otter.ai 料金ページ:https://otter.ai/pricing

  • Rimo Voice 公式サイト:https://rimo.app/about/voice

  • toruno 公式サイト:https://toruno.biz/

  • Gong 料金ページ:https://www.gong.io/pricing/

  • ナレッジワークによるPoetics株式取得の発表:https://knowledgework.com/news/article/XeJHQp3X

  • ドヤカンニング:https://doya-ai.surisuta.jp/cunning

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この記事の著者

Katuski.Mitsumori

三森 捷暉(みつもり かつき)

著者プロフィールはこちらから↓
 /author/mitsumori
BtoBマーケティング × SEO × AI活用 専門家|株式会社スリスタ 代表

BtoBマーケティング、SEO、コンテンツマーケティング、生成AI活用を専門とするマーケター/事業責任者です。
2021年、新卒第1号として株式会社Piece to Peace(CarryMe)に入社し、広報・マーケティング・デザイン・コンテンツ制作を横断的に担当。SEO記事、比較記事、ホワイトペーパー、ウェビナー、広告施策を組み合わせた商談創出の仕組み化を推進してきました。

その後、株式会社スリスタ(設立:2025年3月14日/代表:三森 捷暉)を設立。
現在はスリスタにて、AIを活用したマーケティング業務の自動化・省力化に注力しています。

スリスタでは、SEO記事制作、比較記事、一次情報設計、バナー制作、構成案作成といったマーケティング業務を、ユーザーが「選ぶだけ」「スワイプするだけ」で進められる設計思想をもとに、AIツールとして実務レベルで実装。
マーケティングを「1人でも回せる状態」にするための仕組みづくりを行っています。
ウェビナー・登壇実績
CarryMe主催ウェビナー
URL:https://carryme.jp/webinar58_20251126_ntt_webinar
絶対に失敗しないためのタクシー広告しくじり発表会
PR TIMES掲載イベント
URL:https://carryme.jp/agent/seminar-event/webinar23_20240417_taxi_ads_webinar/