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補助金選びより先に「何に使うか」を決めてください。これが決まっていない状態で制度から探し始めると、要件に自社を無理やり合わせることになり、採択されても使われないツールが残ります。先に業務課題を1つ特定し、それを解決する手段が決まってから、対応する制度を探すのが正しい順番です。
AI・DXで使える補助金は4タイプ:①ITツール・ソフト導入 ②設備投資・生産性向上 ③人材育成・リスキリング ④新規事業・販路開拓。やりたいことがどのタイプかが決まれば、候補は自然に絞れます
選ぶ軸は3つ:対象経費が自社のやりたいことと合っているか、補助率と上限額、そして申請から入金までのスケジュール
補助金は「後払い」です:採択されてもすぐ入金されるわけではなく、先に自社で支払い、あとから補助されるのが原則。手元資金の計画を先に立てておく必要があります
申請は5ステップ:制度の確認 → 事業計画の作成 → 必要書類の準備 → 申請 → 採択後の実績報告。社内に詳しい人がいなくても進められます
制度の要件と金額は年度ごとに変わるため、申請前に必ず各制度の公式サイトで最新の公募要領を確認してください。この記事では、4タイプそれぞれの特徴、自社に合う制度の選び方、申請5ステップの進め方を解説します。
「AIやDXに使える補助金があるらしいけれど、種類が多すぎて自社にどれが合うのか分からない」——地方の中小企業からよく聞く声です。本記事では、特定の補助金の金額や締切を追いかけるのではなく、地方の中小企業がAI・DX関連の補助金を「選ぶ・申請する・活用しきる」ための考え方を、つまずきやすいポイントとあわせて整理します。最新の金額・要件・締切は年度ごとに変わるため、必ず各補助金の公式サイトで確認することを前提に読み進めてください。
補助金より先に「何に使うか」が決まっていないと失敗する
補助金は「使い道が決まっている会社」が背中を押されるための制度であって、補助金が先にあって使い道を考えるものではありません。株式会社スリスタが全国の会社員400名に実施した「企業の生成AI活用実態調査2026」では、従業員50名未満の小規模企業でAI推進が止まる理由の上位に「導入予算の判断ができない」42.3%、「社内に詳しい人がいない」38.1%、「業務にどう使うか分からない」32.7%が挙がりました(出典: 株式会社スリスタ「企業の生成AI活用実態調査2026」n=400)。
つまり多くの会社の本当の壁は「お金が足りない」よりも先に、「何に・どう使うかが決まっていない」ことにあります。ここが曖昧なまま補助金だけ取りに行くと、ツールを導入したのに使われない、という典型的な失敗につながります。まずは自社の業務のどこをAI・DXで楽にしたいのかを言語化し、そのための投資として補助金を位置づけるのが正しい順番です。
三森の実務メモ
補助金の相談を受けていてもったいないなと思うのが、「補助金が取れそうだから何か入れよう」という進め方です。順番が逆です。先に「この作業を月◯時間減らしたい」があって、それを実現する手段に補助金が使えるなら使う、くらいの温度感がちょうどいいと思っています。
地方の中小企業がAI・DXで使える補助金の「4つのタイプ」
補助金は名前を覚えるより、「どんな目的のお金か」でタイプ分けして把握すると、自社に合うものが見つけやすくなります。それぞれの制度名・金額・補助率・締切は年度で変わるため、必ず公式サイトや自治体の窓口で最新情報を確認してください。ここでは「どのタイプが自社のやりたいことに近いか」を見極めるための視点を整理します。
① ITツール・ソフト導入を支援するタイプ
業務効率化や売上アップのためのソフトウェア・AIツールの導入費用を支援するタイプです。生成AIを含むクラウドツールや業務システムの導入が対象になることが多く、「まずはツールを揃えたい」企業に向いています。
② 設備投資・生産性向上を支援するタイプ
新しい設備やシステムを導入して生産性や付加価値を高める取り組みを支援するタイプです。製造業やサービス業など、業務のプロセスそのものをAI・DXで変えたい企業に向いています。
③ 人材育成・リスキリングを支援するタイプ
従業員がAI・DXを使いこなせるようになるための研修・学び直しを支援するタイプです。調査で従業員50名未満の小規模企業の38.1%が「社内に詳しい人がいない」をAI推進が止まる理由に挙げたように(出典: 株式会社スリスタ「企業の生成AI活用実態調査2026」n=400)、人のスキル面の課題を埋めたい企業に向いています。
④ 新規事業・販路開拓を支援するタイプ
新しい商品・サービスや販路を作るための取り組みを支援するタイプです。Webサイト制作や販促、マーケティング施策が対象に含まれることもあり、「AIを使った集客・販路拡大」を考えている企業に向いています。
いずれのタイプも、国の制度だけでなく、都道府県・市区町村独自の補助金が用意されているケースがあります。地方では、地元自治体の制度のほうが規模は小さくても申請の競争が緩やかだったり、地域の課題に合っていたりすることもあるため、「国の有名な補助金」だけを見て論じないのがポイントです。
2026年度、4タイプに当てはまる国の主な制度
ここからは、上で整理した4タイプに当てはまる国の代表的な制度を、公的機関の公式ページで確認できた範囲で紹介します(2026年10月7日に確認)。金額・要件・締切は公募回ごとに改定されるため、申請前には必ずリンク先の最新の公募要領を確認してください。
①ITツール・ソフト導入:デジタル化・AI導入補助金(中小企業庁・中小機構)。令和7年度補正予算事業から「IT導入補助金」が名称変更された制度です(中小企業庁「デジタル化・AI導入補助金2026の概要」)。
②設備投資・生産性向上:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(令和8年度から、ものづくり補助金はこの名称で公募)と、人手不足対策の中小企業省力化投資補助金(「カタログ注文型」と「一般型」の2類型)。いずれも概要は中小機構「補助金活用ナビ」で確認できます。
③人材育成・リスキリング:厚生労働省の人材開発支援助成金。「人への投資促進コース」はデジタル人材・高度人材を育成する訓練などを、「事業展開等リスキリング支援コース」は新規事業の立ち上げなどに伴う訓練を対象に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成します(厚生労働省「人材開発支援助成金」)。
④新規事業・販路開拓:小規模事業者持続化補助金。商工会・商工会議所の伴走支援を受けながら、販路開拓や業務効率化の取り組みを支援する制度で、通常枠の対象経費にはECサイト構築なども含まれます(中小機構「小規模事業者持続化補助金のご案内」)。
デジタル化・AI導入補助金2026の要点(通常枠)
AIツールの導入でまず候補になるのが、この制度の通常枠です。中小企業庁の資料では、補助対象の「ITツール」を「ソフトウェア(AIを含む)・オプション・役務・ハードウェアの総称」と定義しています(通常枠 公募要領)。公式サイトで確認できた主な条件は次のとおりです。
補助率:1/2以内。一定期間、地域別最低賃金に近い水準で雇用している従業員が全従業員の30%以上であることを示した場合は2/3以内(条件の詳細は公募要領で確認)
補助額:ITツールの業務プロセスが1〜3つなら5万円以上150万円未満、4つ以上なら150万円以上450万円以下。4つ以上で申請する場合は、賃金引上げ計画を策定して従業員に表明していることが必要です
申請の仕組み:事務局に登録された「IT導入支援事業者」(ITツールの販売事業者)と共同で申請し、補助対象になるのも事務局に登録されたITツールだけです
スケジュール:2026年度の交付申請は3月30日に始まっており、確認時点で掲載されている直近の締切(6次)は2026年10月30日17時、交付決定は2026年12月10日(予定)です。7次以降の日程は事業スケジュールで確認してください
サイバー攻撃への備えを優先したい場合は、同じ制度の「セキュリティ対策推進枠」もあります。IPAの「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載され、事務局に登録されたサービスの利用料(最大2年分)が対象で、補助額は5万円〜150万円、補助率は中小企業1/2以内・小規模事業者2/3以内です(公式ページ)。
なお、申請すれば必ず通る制度ではありません。中小企業庁の資料によると、IT導入補助金2025の申請は全体で80,439件、採択は35,202件でした。通常枠に限ると申請23,672件に対して採択は8,936件です(出典)。「何に使い、生産性がどう上がるか」を事業計画で示せるかどうかが、そのまま採否に関わると考えてください。
地方の会社が見落としやすい「都道府県の上乗せ補助」
国の補助金で採択・交付決定を受けた事業者を対象に、自己負担分の一部を都道府県が追加で補助する制度があります。中小機構の「補助金活用ナビ」では、デジタル化・AI導入補助金を対象に含む上乗せ制度として、熊本県・大分県・高知県などの例が紹介されています(中小機構「デジタル化・AI導入補助金のご案内」)。対象となる国の補助金、賃上げなどの要件、募集期間は都道府県ごとに異なり、国の補助金の交付決定や額の確定が前提になっている制度もあります。国の制度に申請する段階で、地元の都道府県・市区町村に上乗せ制度がないかを商工会議所・商工会や自治体の窓口で確認しておくと、自己負担を抑えられる場合があります。
自社に合う補助金を選ぶ「3つの軸」
タイプが見えてきたら、次は「どれに申請するか」を絞り込みます。判断に迷ったら、次の3つの軸で見ると選びやすくなります。
第一に、「やりたいことと補助対象が一致しているか」です。補助金にはそれぞれ「何に使ってよいか」が決まっています。金額の大きさではなく、自社がやりたいことがその補助対象に含まれるかを最初に確認します。
第二に、「自己負担分を出せるか」です。補助金は費用の全額ではなく一部を補助する仕組みで、残りは自社で負担します。また多くは、先に自社で支払ってから後から振り込まれる「後払い」です。資金繰りに無理がないかを事前に確認しておくことが大切です。
第三に、「申請・報告の手間に対して見合うか」です。補助金は申請書類の作成や、採択後の実績報告に手間がかかります。人手の限られる地方の中小企業では、「もらえる金額」と「かける手間」のバランスを見て、小さく始められる制度から試すのも一つの手です。
AI導入で補助対象になりやすい経費・なりにくい経費
「AIツールなら何でも補助される」わけではありません。ここでは、AIツール導入の主な受け皿であるデジタル化・AI導入補助金の通常枠を例に、公募要領と公式サイトに書かれている範囲で整理します。他の制度では対象経費の考え方が違うため、それぞれの公募要領で確認してください。
対象になりやすい経費
ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)。AIを含むITツールが対象で、事務局に登録されたものに限られます
オプション:機能拡張、データ連携ツール、セキュリティ
役務:導入コンサルティング・活用コンサルティング、導入設定・マニュアル作成・導入研修、保守サポート。中小企業庁の資料では、IT活用の定着を促す導入後の「活用支援」も対象と明記されています
対象になりにくい(対象外と明記されている)経費
交付決定前に購入したITツール。採択前に契約・購入すると対象外になります
リース・レンタル契約のITツール(サイバーセキュリティお助け隊サービスを除く)、中古品
補助金の申請・報告に係る申請代行費、交通費・宿泊費、消費税
対外的に無償で提供されているもの、交付申請時に利用金額が定められないもの
「汎用プロセス」(業種・業務を限定しない汎用・自動化・分析ツール)だけのソフトウェアの単独申請。業務プロセスを持つソフトウェアと組み合わせれば申請できます
通常枠でのハードウェア購入費。PC・タブレットやレジ・券売機の購入費が対象になるのは、インボイス枠(インボイス対応類型)などの別の枠です
AIの使い方で迷いやすいのが、社員が個別に契約している生成AIサービスや、自社で開発したAIツールです。この制度で補助対象になるのは「IT導入支援事業者が提供し、事務局に登録されたITツール」なので、導入したいサービスが登録されているかを公式サイトの「ITツール検索」で確認するのが先です。登録されていなければ、この制度の対象にはなりません。また、導入費用に比べて役務費用の割合が著しく高額でないことも申請要件に含まれています(通常枠 公募要領)。
補助金申請の進め方(5ステップ)
初めてでも無理がないように、申請までの流れを5つのステップに整理しました。
第一に、やりたいことの言語化です。「どの業務を・どう楽にしたいのか」を先に決めます。ここが補助金選びの出発点です。
第二に、使える補助金を探します。国の補助金ポータルや、都道府県・市区町村のサイト、商工会議所・商工会で、自社のやりたいことに合う制度を探します。金額・要件・締切は必ず公式情報で確認します。
第三に、要件とスケジュールの確認です。自社が対象になるか、申請期間はいつか、どんな書類が必要かをチェックします。締切間際に慌てるとミスが増えるため、早めに動きます。
第四に、申請書類の作成です。「なぜこの取り組みが必要か」「どんな効果を見込んでいるか」を、第一ステップで言語化した内容をもとに書きます。不安がある場合は、商工会議所や認定支援機関などの公的な相談窓口を頼ると安心です。
第五に、採択後の実行と報告です。採択されたら計画に沿って実行し、領収書や実績報告を提出します。この実績報告まで含めて「補助金を使いきる」という意識が大事です。
三森の実務メモ
申請書類で一番見られているのは、「この取り組みで何がどう良くなるのか」がストーリーとして説明できているかだと感じます。ここで意外と使えるのが生成AIです。事業の状況を箇条書きで渡して文章のたたき台を作らせるだけでも、申請のハードルはずいぶん下がります。もちろん最終的な事実確認は人が行うのが前提です。
申請前の準備チェックリスト(デジタル化・AI導入補助金の場合)
5ステップのうち、時間がかかって締切に間に合わなくなりやすいのは事前準備です。デジタル化・AI導入補助金2026の通常枠を例に、公式サイトの申請・手続きフローと公募要領に書かれている要件を、確認しやすい形に並べました。印刷するか、社内のチャットに貼って使ってください。数値や要件は公募回で変わることがあるため、最終的には最新の公募要領で確認してください。
【事前準備(目安:締切の3週間以上前に着手)】
□ GビズIDプライムを取得した(発行まで、おおむね2週間)
□ IPA「SECURITY ACTION」の一つ星または二つ星を宣言した(アカウントID発行まで、おおむね2〜3日)
□ 申請者自身が管理する携帯電話番号を1つ用意した(SMSで連絡が届く)
□ 直近月の事業場内最低賃金が、地域別最低賃金以上になっている
【計画づくり】
□ AIで楽にしたい業務を1つに絞り、今の作業時間・件数を記録した
□ 交付申請時点の翌事業年度以降3年間の事業計画を作った
(1年後に労働生産性3%以上、計画期間の年平均3%以上の向上。
過去にIT導入補助金の通常枠等で交付決定を受けた事業者は4%以上)
□ 業務プロセスが4つ以上のITツールで申請するなら、賃金引上げ計画を
策定し、従業員に表明した
□ 同じ内容で国の他の補助金・助成金に申請していない
【ツールと事業者の選定】
□ 導入したいツールが「ITツール検索」で登録されていることを確認した
□ IT導入支援事業者と、導入後の活用支援・保守の範囲を書面で確認した
□ 「実質無料」「キャッシュバック」などの勧誘を受けていない
【お金と報告】
□ 交付決定が出るまで、契約・発注・支払いをしない
□ 全額をいったん自社で支払える資金繰りを確認した(補助金は後払い)
□ 実績報告と、その後の効果報告を担当する人を決めた
□ 都道府県・市区町村の上乗せ補助がないか確認した計画づくりの数値目標は、達成できなかった場合の扱いも決まっています。公募要領では、賃金引上げ計画の目標が事業計画終了時点で達成できなかった場合(期間内に報告しなかった場合を含む)は補助金の返還を求める、とされています。採択後3年ほど続く報告まで含めて、無理のない計画にしてください。
人材育成の助成金を使うときは「計画が先」
③の人材育成タイプで人材開発支援助成金を検討する場合も、計画に沿って訓練を実施することが前提です。訓練の計画届の提出や支給要件はコースごとに細かく決まっており、厚生労働省のページでは「訓練経費は無料になりません」と注意喚起もされています。研修会社から「実質無料で受けられる」と案内された場合は、そのまま申し込まずに、管轄の都道府県労働局で要件を確認してください(厚生労働省「人材開発支援助成金」)。
不正受給にならないために:公式が示す5つの禁止行為
デジタル化・AI導入補助金の公式サイトは、「キャッシュバック」「実質“無料”」などの勧誘は不正行為の可能性があるとして、次の行為はすべて不正であり犯罪だと明示しています(公式「不正行為にご注意ください」)。悪意がなくても、販売事業者の提案に乗っただけで当事者になり得るため、事前に把握しておいてください。
ITツールを実質無償で提供する、減額する等の販売行為(購入費用が後日返金される、紹介料やコンサル料の名目で金銭を受け取る、など)
補助対象者以外が申請手続きを代理で行う行為(GビズIDを他者に共有して申請手続きを行わせる、など)
ITツールが導入されていない、または導入研修・コンサルティングなどの役務が実際に行われていない行為
同じ内容で国から他の補助金や助成金を受給する行為(同じシステムでデジタル化・AI導入補助金とものづくり補助金の両方を受給する、など)
従業員を過少申告するなど、企業実態を偽装して申請する行為
不正と判断された場合は、交付決定の取消、補助金の返還請求などの措置がとられます。現地確認を含む立入調査に正当な理由なく応じなかった場合は、事業者名の公表や警察への通報などの措置もあり得ると記載されています。すでに不正に関与してしまった場合のために、自主的な返還の受付手続きも公式サイトに用意されています。申請マイページのログインIDとパスワードを、IT導入支援事業者を含む第三者に渡さないことも申請要件のひとつです。
【独自調査】AI活用はもはや例外ではない。補助金は「定着」まで見据えて使う
本メディアを運営するドヤマーケが全国の会社員を対象に実施した生成AI利用実態調査では、AI利用者153名が業務で使うツール(複数回答)はChatGPTが60.8%、Google Geminiが49.7%、Microsoft Copilotが41.8%、Claudeが7.8%にのぼりました。AIの業務活用は、一部の先進企業だけの話ではなくなっています。
この傾向は中小企業でも同じです。従業員100名以下の層ではGeminiの利用率が56.1%まで伸び、ChatGPTの58.5%に迫っていました。利用者の49.0%は複数ツールを併用しており(平均1.82ツール)、規模を問わずAIが日常の業務に入り込みつつあることがわかります。
だからこそ、本記事で繰り返し述べているとおり、補助金は「ツールを買って終わり」にしないことが肝心です。成果を左右するのは、どの業務をAIに任せるかという設計と、社内に使い方を根づかせる教育・ルール整備です。たとえばデジタル化・AI導入補助金の通常枠では、ソフトウェア費に加えて、導入・活用コンサルティングや導入研修、保守サポートといった役務も補助対象に含まれます(対象範囲は公募要領で確認してください)。AIはあくまで道具であり、投資対効果を分けるのは「何に使い、どう定着させるか」という人側の設計だと考えてください。
出典:ドヤマーケ「職場の生成AIツールシェア実態2026(詳細レポート)」(詳細レポートはこちら)/PR TIMESリリース)
規模別に見ると、小規模企業ほどこの「定着」の段階で止まりやすいことも分かっています。同じ調査を従業員規模別に分析すると、業務での生成AI利用率は小規模企業(50名未満)で30.4%にとどまり、小規模企業の約65%が「導入準備期」に滞留していました。AI利用ガイドラインを「明文化・周知済」の比率も、小規模企業では4.1%です。補助金でツールを入れるときは、導入後の活用支援や研修が補助対象に含まれるかを確認し、社内ルールづくりまでを計画に入れておくと、導入準備期で止まるリスクを下げられます。
出典:株式会社スリスタ『企業の生成AI活用実態調査2026』(n=400)(企業規模×AI活用ステージ分析の詳細レポート)
よくある質問(FAQ)
Q. 補助金と助成金は何が違うのですか。
一般に、補助金は予算や件数に上限があり審査・採択があるもの、助成金は要件を満たせば受け取りやすいもの、と説明されることが多いです。ただし呼び方は制度によって異なるため、名称ではなく「要件・金額・手続き」を公式情報で確認してください。
Q. 社内に詳しい人がいなくても申請できますか。
できます。商工会議所・商工会や認定支援機関など、公的な相談窓口を活用できます。調査でも従業員50名未満の小規模企業では「社内に詳しい人がいない」を推進が止まる理由に挙げた割合が38.1%にのぼりましたが、外部の支援を上手に使えばハードルは下がります(出典: 株式会社スリスタ「企業の生成AI活用実態調査2026」n=400)。
Q. 補助金を使って生成AIを導入できますか。
ツール導入や生産性向上を支援するタイプの補助金では、生成AIを含むツールが対象になるケースがあります。ただし対象範囲は制度ごとに異なるため、「そのツールが補助対象に含まれるか」を公式情報で確認するのが確実です。
Q. 補助金はいつもらえるのですか。
多くは、先に自社で費用を支払い、採択・実績報告のあとに振り込まれる「後払い」です。そのため、一時的にでも自社で資金を用意できるかを事前に確認しておくことが大切です。具体的な振込時期は制度ごとに異なります。
Q. 採択の結果が出る前に、ツールを契約して使い始めてもよいですか。
デジタル化・AI導入補助金の通常枠では、交付決定前に購入したITツールは補助対象外と公募要領に明記されています。契約・発注・支払いは、交付決定の通知を受けてから行ってください。省力化投資補助金(一般型)の申請の流れでも、設備の発注は交付決定後とされています。他の制度も、公募要領で確認してから動くのが安全です。
Q. IT導入補助金はなくなったのですか。
なくなったのではなく、令和7年度補正予算事業から「デジタル化・AI導入補助金」に名称が変わりました(中小企業庁「デジタル化・AI導入補助金2026の概要」)。公式サイトや過去の資料では旧名称のまま案内されている箇所もあるため、検索するときは両方の名称で調べると情報を見落としにくくなります。
Q. 国の補助金と、県や市の補助金は併用できますか。
同じ内容で国の補助金・助成金を重ねて受け取ることは、デジタル化・AI導入補助金では不正行為とされています。一方で、国の補助金の採択・交付決定を受けた事業者を対象に、自己負担分の一部を都道府県が上乗せで補助する制度もあります。併用できるかどうかは自治体側の制度ごとに決まっているため、自治体の募集要項で確認してください。
まとめ
AI・DXの補助金は種類が多く、金額や要件も年度で変わります。だからこそ、制度名を追うよりも、「自社は何をAI・DXで楽にしたいのか」を先に決めることが出発点です。その上で、補助金をタイプで把握し、3つの軸で選び、5ステップで進めれば、人手の限られる地方の中小企業でも無理なく活用できます。金額・要件・締切は必ず公式サイトで最新情報を確認し、迷ったら商工会議所などの公的な窓口を頼りましょう。
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補助金で導入したAI・ツールを安全に使いこなすためのルールづくりは、生成AI活用ガイドラインの作り方:https://doyamarke.surisuta.jp/notes/ai-guideline-template
地域・業種ごとのAIマーケティングの進め方は、地方の中小企業がAIマーケティングで失敗しない選び方:https://doyamarke.surisuta.jp/notes/ai-marketing-regional-guide
名古屋・東海の製造業向けの事例は、名古屋のAIマーケティング支援:https://doyamarke.surisuta.jp/notes/ai-marketing-nagoya
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監修:三森 捷暉(みつもり かつき)|株式会社スリスタ 代表
BtoBマーケティング × SEO × AI活用の専門家。2021年CarryMe入社後、広報・マーケ・コンテンツ制作を横断し、SEO記事・比較記事・ホワイトペーパー・ウェビナー・広告による商談創出を仕組み化。2025年3月にスリスタを設立し、AI活用によるマーケティング業務の自動化に取り組む。



