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展示会の名刺をリスト化|翌日に商談化する手順

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展示会の名刺は「全部データ化してから考える」と失敗します。先に72時間以内に連絡する束と半年後に効かせる束へ分け、そのうえで読取・補完・実行の3工程にツールを割り当てます。この記事では15ツールを工程別に比較し、名刺CSVの列設計、仕分けルール、フォロー文面の生成プロンプトをそのまま使える形で掲載します。
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先に結論:名刺は「1本の作業」ではなく「2レーン×3工程」
展示会後の失敗は、ほぼ全部これが原因になります。300枚の名刺を1つの山として扱い、データ化が終わるのを待ってから動きます。データ化に1週間かかると、その時点で相手の記憶は薄れています。逆に全部を即日追客しようとすると、担当者の時間が足りずに全部が中途半端になります。
分けるべきは次の2レーンです。
レーン | 対象 | 動き出す期限 | 使う情報 | ゴール |
|---|---|---|---|---|
72時間レーン | ブースで具体的な質問をした人/見積・資料請求に近い発言があった人 | 展示会終了から72時間以内 | 会話メモ+名刺の記載事項だけ | 個別メール・電話で商談を1件セットします |
資産レーン | 名刺交換だけの人/情報収集目的と明言した人/決裁権限が不明な人 | 2週間以内にリスト化できれば足ります | 名刺+外部データで補完した企業属性 | ターゲット企業DBに統合し、以後の配信・再アプローチ母集団にします |
この2レーンは必要なツールが違います。72時間レーンに必要なのは、名刺のデータ化スピードではなく「会話メモを文面に変える速さ」です。資産レーンに必要なのは、名刺には載っていない従業員数・売上規模・法人番号を後から付ける機能になります。ここを分けずに1つのツールで両方やろうとすると、どちらも遅くなります。
展示会の名刺が死ぬ3つの理由
1. データ化の完了を待っている
名刺管理サービスの多くは、スキャンからデータ化完了までに時間がかかります。会期最終日にまとめてスキャンすると、営業が動けるのは翌週になります。72時間レーン向けの名刺は、データ化を待たずに名刺の実物か写真だけで動くのが正しいです。データ化は資産レーンの作業であって、初動の前提条件ではありません。
2. 会話メモがどこにも残っていない
名刺に書かれているのは社名・氏名・部署・連絡先だけです。商談化を決めるのは「どのパネルの前で足を止めたか」「何に困っていると言ったか」であり、これは名刺には載りません。ブースでメモを取る仕組みがないと、名刺だけが残り文脈が消えます。文脈のない名刺へのフォローメールは、テンプレ一斉配信にしかなりません。
3. 誰がいつフォローするかが決まっていない
展示会翌週は日常業務が戻ってきます。「手が空いたらやる」にすると、一番動きの早い数枚だけ処理されて残りが放置されます。名刺の枚数ではなく、1人あたり何枚まで個別対応するかを先に決めるのが実務的です。営業3人で72時間レーンを回すなら、1人15件が現実的な上限になります。それを超える分は資産レーンに落とします。
独自の分類軸:ツールは「工程」で選ぶ
名刺関連ツールは全部まとめて「名刺管理ツール」と呼ばれますが、実際にやっていることは3つに分かれます。この分解をしないまま比較表を見ると、機能が重複しているように見えて選べません。
工程 | 何をするか | ここで失敗すると起きること |
|---|---|---|
① 読取 | 名刺の紙・画像をテキストデータにして、社内で共有できる状態にします | 名刺が個人のカードケースに残り、退職とともに消えます |
② 補完 | 社名から従業員数・売上・法人番号・部署連絡先など、名刺にない情報を付けます | セグメントが切れず、全員に同じメールを送ることになります |
③ 実行 | フォローメール・架電リスト・シナリオ配信として実際にアプローチします | リストはきれいですが誰も連絡していない状態になります |
多くの記事は①だけを比較して終わります。ですが展示会の投資回収を決めるのは②と③です。①で止まっているのに「名刺管理を導入したのに成果が出ない」と言われる原因はここにあります。
工程別ツール比較15種
料金は各社の公式サイトで確認できた記載のみを載せています(確認日:2026年8月5日)。公式に金額の掲載がないものは、推測せず「非公開」と書いています。
# | ツール | 注力 | 担当工程 | 展示会名刺で効くポイント | 公式サイトで確認できた料金 | 欠点・注意点 |
|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ドヤリスト(自社サービス) | ★注力 | ②補完+③実行 | 名刺の社名を起点に企業リストを組み直し、相手ごとの営業文面まで生成します | ドヤマーケAIの統一プラン月9,980円(税込)に含まれます。無料版があります | 名刺画像のOCR読み取り機能を持ちません。データ化は別の手段が必要です。名刺管理製品としての実績は浅いです |
2 | Sansan | ①読取 | 名刺データ化と全社共有、企業情報の付与を1つで担います | 公式サイトで金額の記載を確認できませんでした(要問い合わせ) | 金額非公開のため、他社と横並びの初期比較がしにくいです | |
3 | Eight Team | ①読取 | 10名までアカウント料が無料で、少人数の営業チームで始めやすいです | 公式料金ページに、基本使用料19,800円/月(税抜)+アカウント料500円/月・1名(税抜)、アカウント料は10名まで無料、初期費用なしと記載があります | 公式に「年間契約です、途中解約は原則として承っておりません」と記載があります。展示会シーズンだけの短期利用には向きません | |
4 | CAMCARD BUSINESS | ①読取 | 複数枚同時読み取りに対応します(PROFESSIONALで6枚)。展示会後の束を捌く用途に噛み合います | 公式サイトに STANDARD 1,700円/1ユーザー・月(税抜、5ID〜)、PROFESSIONAL 2,500円/1ユーザー・月(税抜、5ID〜)、ENTERPRISE は100ID〜と記載があります。ご契約は年間契約のみと記載があります | 公式にAI補正枚数の上限が記載されています(STANDARD 20枚/ユーザー、PROFESSIONAL 50枚/ユーザー)。展示会直後の大量処理では上限を確認しておく必要があります | |
5 | myBridge | ①読取 | 個人名刺帳が無料です。まず個人単位で試すハードルが低いです | 公式ヘルプに「『個人名刺帳』については無料でご利用いただけますが、『共有名刺帳』については、一部有料となります」と記載があります | 共有名刺帳の課金条件は公式ヘルプで要確認です。チーム運用の前提が変わります | |
6 | ホットプロファイル | ①読取+③実行 | 公式に「"新規開拓""顧客管理""SFA(営業支援)"の機能をワンストップで提供」と記載があります。企業DB機能とセミナー管理機能を持ちます | 製品ページに金額の記載はありません(公式に価格ページが用意されています・要確認) | 金額が非公開です。展示会での一括スキャン対応可否は公式ページからは判断できませんでした | |
7 | SmartVisca | ①読取(Salesforce前提) | Salesforce上で名刺を扱う設計です | 本記事執筆時点で公式サイトの内容を取得できなかったため、金額は記載しません | Salesforceを使っていない会社には前提が合いません。料金は公式で直接確認してください | |
8 | Musubu(Baseconnect) | ②補完 | 名刺の社名から企業属性を補完し、同じ会社の別部署キーマンを探せます | 公式料金ページに、6ヶ月プラン月額200,000円(税別)/120,000クレジット、12ヶ月プラン月額160,000円(税別)/240,000クレジット、Salesforce連携 月額50,000円(税別)、追加クレジット10円/1クレジット(最小10,000〜)、30日間無料トライアルと記載があります。企業540万社・店舗250万店舗・キーマン200万人です | 月額が高いです。契約期間の縛りがあります。展示会の年1〜2回だけの用途には過大になりやすいです | |
9 | SalesNow | ②補完 | 公式に法人・組織データ1,400万件超、部署連絡先750万件超と記載があります。求人・資金調達などの変化を検知できます | 公式サイトに「契約期間やご利用人数に合わせて、お見積もりいたします」と記載があります(金額非公開) | 金額が非公開のため、予算化の前に問い合わせが必要です | |
10 | BIZMAPS | ②補完 | 会員登録だけで月100件まで無料です。少量の名刺補完なら費用ゼロで始まります | 公式サイトに、会員登録で1社あたり月100件まで無料ダウンロード、追加30円/1件、定額プラン月額4,980円、200万を超えるデータベースと記載があります | 無料枠は月100件です。300枚規模の展示会では追加課金か定額契約が前提になります | |
11 | 国税庁 法人番号公表サイト | ②補完(無料) | 名刺の社名を法人番号に紐づけて名寄せできます。同名企業の取り違えを潰せます | 無料です。商号・所在地・法人番号の基本3情報を公開しています | 電話番号・メールアドレス・従業員数は含まれません。連絡先の補完には使えません | |
12 | gBizINFO(経済産業省) | ②補完(無料) | 資本金・従業員数・補助金の交付実績などが取れます。提案の切り口を作れます | 政府保有の法人データを公開しています。CSV/JSONでのダウンロードとAPIを提供しています | 連絡先情報は限定的です。項目ごとに更新頻度が異なります | |
13 | BowNow | ③実行 | 公式にフリープランのページが用意されています。まず配信と閲覧計測を始める用途に合います | 本記事執筆時点で公式料金ページの本文を取得できなかったため、金額は記載しません(公式にフリープランの案内ページがあります) | 金額を公式で確認してから判断してください | |
14 | SATORI | ③実行 | 匿名リードの追跡を含めて、展示会後の中長期フォローを設計できます | 公式料金ページに、初期費用300,000円(税別)、月額148,000円(税別・年間契約)、すべて前払いの一括請求と記載があります | 初期費用と月額が中小企業には重いです。年1回の展示会フォローだけを目的に導入する規模ではありません | |
15 | List Finder | ③実行 | BtoB向けのMAとして、展示会リードの閲覧行動を追えます | 本記事執筆時点で公式料金ページの内容を取得できなかったため、金額は記載しません | 公式で直接確認してください |
比較対象は15ツールで、工程が重ならないものを意図的に混ぜています。①だけを15個並べても、展示会フォローの意思決定には使えないからです。
判断フローチャート:どのツールから入るか
そのままメモに貼って使える形にしました。上から順に答えます。
Q1. 今回の展示会で集まった名刺は何枚か?
├─ 100枚未満 → Q2へ
└─ 100枚以上 → Q3へ
Q2. 社内に名刺を共有する必要があるか?
├─ 自分だけで使う
│ → ①読取は無料アプリで足りる。②補完は無料枠のあるサービスか
│ 法人番号公表サイト・gBizINFO。③実行は手打ちメールで回る
└─ チームで共有する
→ ①読取に低価格帯の法人向けサービスを検討。
ただし年間契約の縛りの有無を先に確認する
Q3. 展示会を年に何回やるか?
├─ 年1〜2回
│ → 単発費用で終わる構成にする。①は既存の名刺管理か
│ スポットのデータ化代行、②は従量課金型、③は既存のメール配信
└─ 年3回以上、または常設のリード獲得がある
→ Q4へ
Q4. 名刺以外のリード(Web問い合わせ・セミナー)も同じ導線に乗せるか?
├─ 乗せる → ③実行にMAを置き、①②はそこへ流し込む設計にする
└─ 乗せない → ②補完と③実行を1つで賄えるツールを選び、
①は最小構成にする
Q5.(全員)会話メモを残す仕組みはあるか?
├─ ある → そのまま運用
└─ ない → ツール選定より先にこれを作る。
名刺の裏に書く/スマホで音声メモ/専用フォーム、どれでもよい
Q5を最後に置いたのは、ここが抜けているとどのツールを入れても成果が変わらないからです。会話メモのない名刺は、企業リストとしては使えても商談リストにはなりません。
そのまま使える一次コンテンツ①:展示会名刺CSVの列設計
名刺管理ツールから吐き出したCSVをそのまま使うと、フォローの判断に必要な列が足りません。最初から次の列を持つシートを作り、そこに名刺データを流し込むのが早いです。列名ごとコピーして使えます。
法人番号,社名,支店・事業所名,部署,役職,氏名,メールアドレス,電話番号,
獲得日,獲得イベント名,獲得ブース担当者,レーン,温度タグ,
会話メモ,興味を示した製品・パネル,言及された課題,導入検討時期,
既存取引の有無,従業員数,売上規模,本社所在地,業種,
初回フォロー期限,初回フォロー実施日,フォロー手段,次アクション,次アクション期限,
配信可否の根拠,備考
各列の埋め方を補足します。
法人番号:国税庁 法人番号公表サイトで社名から引きます。同名企業・支店違いの取り違えを潰せる唯一の共通キーになります。CRMや会計システムと突き合わせるときも効きます
レーン:
72hかassetの2値だけです。3つ以上に増やすと運用が止まります温度タグ:後述のS/A/B/Cを入れます
会話メモ:ブースで書きます。当日書けなかったものは翌朝までに書きます。3日経つと書けなくなります
言及された課題:相手の言葉のまま残します。要約すると文面生成の材料としての価値が落ちます
配信可否の根拠:「名刺交換(対面)」「フォームからの同意取得」など、どの根拠でメールを送るのかを記録します。後述の法務論点で使います
従業員数/売上規模/業種:名刺には載りません。②補完の工程で埋める列です
初回フォロー期限を獲得日の列から自動計算しておくと、抜けが目に見えます。表計算ソフトなら次の式で足ります。
=IF(レーン列="72h", 獲得日+3, 獲得日+14)
そのまま使える一次コンテンツ②:温度タグの判定ルール
「なんとなくA」で運用すると、翌年には誰も基準を説明できなくなります。発言と行動だけで判定するルールに固定します。担当者の主観語(熱心そう、感触が良い)は使いません。
タグ | 判定条件(いずれか1つで該当) | レーン | 初動 |
|---|---|---|---|
S | 価格・見積・導入時期のいずれかを相手から質問された/その場で次回打ち合わせの話が出た/社内の別担当者を紹介された | 72h | 24時間以内に個別メールを送ります。48時間以内に電話します |
A | 具体的な自社の課題を口にした/デモを最後まで見た/資料を「持ち帰って上に見せる」と言った | 72h | 72時間以内に個別メールを送ります |
B | 説明は聞いたが自社課題の言及なし/担当領域が近い/名刺交換時に会話が3往復以上あった | asset | 2週間以内にリスト化します。以後は定期配信の対象にします |
C | 名刺交換のみ/学生・同業他社・出展者同士の交換/担当領域が明確に違う | asset | リスト化のみです。個別フォローはしません |
Cを正直にCと付けることが、この表の実質的な価値になります。全員をBにすると、翌週のフォロー対象が300件になり、結局誰も連絡しません。
判定を当日中に終わらせるために、ブース担当者には「S/A/B/Cのどれか1文字だけ名刺の右上に書く」ルールにしておきます。データ化のときに一緒に取り込めます。
そのまま使える一次コンテンツ③:フォローメール生成プロンプト全文
会話メモから個別メールを起こす作業が、72時間レーンで一番時間を食います。生成AIに任せるなら、次のプロンプトをそのまま使います。ChatGPT・Claude・Geminiのいずれでも動く形にしてあります。
あなたはBtoB営業のフォローメールを書く担当者です。
以下の情報をもとに、展示会で名刺交換した相手へ送る初回フォローメールを1通作成してください。
【展示会情報】
展示会名:(例:〇〇EXPO 2026)
開催日:(例:2026年9月10日〜12日)
自社ブースの展示内容:(例:中小企業向けAI営業支援ツールのデモ)
【相手の情報】
会社名:
部署・役職:
氏名:
会話メモ:(ブースでの会話をそのまま。要約しない)
相手が言及した課題:(相手の言葉のまま)
興味を示した製品・パネル:
温度タグ:(S / A / B)
【自社の情報】
サービス名と一言説明:
今回の提案で相手に取ってほしい次のアクション:(例:30分のオンライン打ち合わせ)
提示できる日程候補:
【作成条件】
1. 件名は全角30字以内。展示会名と自社名を必ず入れる
2. 本文は400字以内。長い挨拶を書かない
3. 冒頭2行で「どのブースの誰か」を相手が思い出せるようにする。
会話メモの具体的な言葉を1つ引用する
4. 相手が言及した課題に対して、自社が何を提供できるかを1文で書く。
機能の羅列をしない
5. 次のアクションは1つだけ提示する。日程候補は3つまで
6. 「お世話になっております」から始めない
7. 温度タグがSの場合は日程調整を主目的にする。
Aの場合は資料送付+打ち合わせ提案。Bの場合は情報提供のみで打診はしない
8. 誇張表現、実績の数値、他社比較は書かない(事実確認ができないため)
9. 出力は件名と本文のみ。解説を付けない
条件8を入れておくのが実務上の勘所になります。これを書かないと、生成AIは「導入企業1,000社」「業界No.1」のような裏取りできない表現を勝手に入れてきます。そのまま送ると事実と違うメールを社外に出すことになります。
温度タグごとに文面のトーンを変える指示(条件7)も外しません。Sの相手に情報提供メールを送ると温度が下がりますし、Bの相手にいきなり日程調整を投げると返信が止まります。
生成した文面は必ず人が読んでから送ります。特に社名・氏名・会話メモの引用部分は、名寄せミスがそのまま誤送信になります。
手順:展示会当日から2週間の作業を全部出す
道具の話をする前に、工程を全部並べます。どこを人がやり、どこを飛ばせるかはそのあとで判断できます。
会期中(毎日、閉場後30分)
その日の名刺を担当者ごとに封筒へ分けます
各名刺の右上にS/A/B/Cを書きます(担当者本人が書きます。翌日に回しません)
Sの名刺だけ写真を撮り、共有チャットに会話メモとセットで投げます
Sの相手には会期中に初回メールを送ります。最終日を待ちません
会期終了翌日(1日目)
全名刺をスキャンしてデータ化に回します(読取工程)
S・Aの名刺だけは、データ化完了を待たずに手打ちでシートへ入れます
会話メモをシートに転記します。書けていない担当者にはこの日中に催促します
2〜3日目
S・Aへの個別フォローメールを送ります(生成プロンプトを使います)
Sへの電話を実施します。不在なら日を変えて2回までにします
返信・アポイントをシートの「次アクション」列に記録します
4〜7日目
データ化された全件をシートへ統合します
法人番号公表サイトで法人番号を付与し、重複と支店違いを名寄せします
従業員数・売上規模・業種を補完します(補完工程)
Cタグのうち、明らかに対象外(学生・同業)を配信対象から外します
8〜14日目
B・C(対象外を除く)へ一斉のお礼+情報提供メールを1通送ります
開封・クリックした相手をシートで拾い、Aへ格上げします
展示会全体の集計を出します(獲得枚数、S/A/B/C内訳、アポイント数、商談化数)
次回出展の判断材料として、ブース位置・パネル内容ごとの獲得数を残します
このうち道具で飛ばせるのは、5・11・12・13・15・16です。逆に、2・3・7・9は人がやるしかありません。ここを外注やツールで消そうとすると、展示会そのものの成果が落ちます。
法務:展示会名刺へのメール送信で確認すること
展示会で交換した名刺のメールアドレスへ広告・宣伝メールを送る場合、特定電子メール法(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律)のオプトイン規制が関係します。
総務省・消費者庁の「特定電子メールの送信等に関するガイドライン」は、同法第3条第1項の例外として、「自己の電子メールアドレスを送信者又は送信委託者に対し通知した者」(同項第2号)を挙げています。施行規則では、その通知方法として書面により通知する方法が定められています。名刺の交付はこの「書面による通知」に整理されるのが一般的な理解になります。
同ガイドラインは、第3号の「取引関係にある者」についても解説していて、これを「社会通念上、明示の拒否がなければ広告・宣伝メールが送付されることを許容していると認められるような社会関係にある者」と説明しています。
そのうえで、実務では次を確認します。
同意の記録を残します:どの展示会で、いつ、誰から名刺を受け取ったのかをシートの「配信可否の根拠」列に残します。後から説明できない同意は、実質的に無いのと同じになります
受信拒否(オプトアウト)の導線をメールに置きます:同法は送信時の表示義務と受信拒否の通知先の表示を定めています。配信システムを使わず手打ちメールで送る場合も、拒否の連絡先を明記します
拒否した相手を確実に止めます:シートと配信システムの両方で止めます。片方だけだと必ず再送が起きます
個人情報の利用目的:名刺の情報も個人情報にあたります。取得時の利用目的の特定・通知や、グループ会社を含む第三者提供の扱いは、個人情報保護委員会のガイドラインと自社の個人情報保護方針で確認します
個別のケースが法の要件を満たすかどうかの最終判断は、総務省・消費者庁・個人情報保護委員会の公表資料を確認したうえで、自社の法務部門または弁護士に相談してください。この記事は条文とガイドラインの記載を示すにとどまります。
ツールでは解決しない部分
正直に書きます。ここまでのツールを全部入れても、次の3つは解決しません。
1つ目は、ブースで何を聞くかの設計です。「どんなことにお困りですか」と聞いても、初対面の相手は答えません。「今、〇〇の作業は誰が何時間かけていますか」のように、事実を答えれば済む質問にしておく必要があります。この質問リストは自社で作るしかありません。
2つ目は、フォローの実行そのものです。リストが完璧に整い、文面が生成され、期限が可視化されても、電話をかけるのは人です。展示会翌週に営業の予定を空けていない会社は、毎回同じ結果になります。出展を決めた時点で、翌週のカレンダーをブロックしておくほうが、ツールの導入より効きます。
3つ目は、展示会そのものの選定です。来場者層が自社のターゲットとずれている展示会は、名刺の枚数が出てもS・Aが出ません。S/A/B/Cの内訳を毎回残しておくと、2回目の出展判断で「枚数は多いがCばかり」という展示会が見えてきます。これはツールが教えてくれる情報ではなく、自社で記録し続けた結果として見えるものです。
FAQ
Q. 名刺管理ツールを入れずに、スプレッドシートだけで回せますか。
回せます。100枚程度で、チーム共有の必要がないなら、この記事の列設計をそのままスプレッドシートに作れば足ります。手入力の負荷は名刺1枚あたり1〜2分になるので、100枚で2〜3時間の作業になります。それより枚数が多い、または毎回発生するなら、読取工程だけをツールに任せる判断が現実的です。
Q. 名刺のデータ化はスマホのOCRアプリで十分ですか。
72時間レーンの数十枚なら十分です。問題が出るのは資産レーンで、表記ゆれ(株式会社の位置、旧字体、支店名の有無)が混ざったまま蓄積されることです。法人番号公表サイトで法人番号を付けて名寄せする工程を入れれば、OCRの精度差はかなり吸収できます。
Q. 展示会で交換した名刺に、いきなり営業メールを送っていいのですか。
特定電子メール法のオプトイン規制には、自己のメールアドレスを書面により通知した者への送信という例外の枠組みがあります(同法第3条第1項第2号、総務省・消費者庁ガイドライン)。名刺の交付はこれに整理されるのが一般的な理解です。ただし表示義務や受信拒否への対応は別途必要で、個別ケースの適法性は自社の法務部門または弁護士に確認してください。
Q. データ化を代行業者に頼むのと、ツールを契約するのはどちらが安いですか。
出展頻度で決まります。年1〜2回なら、都度のデータ化代行のほうが総額は抑えやすいです。年3回以上、あるいは日常の商談でも名刺が発生するなら、月額契約のほうが1枚あたりの単価は下がります。判断材料は「年間の名刺枚数 ÷ 年間費用」で、1枚あたりコストを出して比べるのが早いです。
Q. 名刺を集めたのに商談が1件も出ませんでした。何を変えるべきですか。
まずS/A/B/Cの内訳を出します。SとAが合計で5%未満なら、原因は展示会後のフォローではなく、展示会の選定かブースの見せ方にあります。SとAが十分にあるのにアポイントが出ていないなら、初動の遅さか文面が原因です。この切り分けをせずにツールを入れ替えても、結果は変わりません。
Q. 補完工程は無料で済ませられますか。
社名から法人番号・所在地を引くだけなら、法人番号公表サイトで無料で足ります。資本金・従業員数・補助金の交付実績まで欲しい場合はgBizINFOを使います。電話番号やメールアドレスは、これら公的データには原則含まれません。そこを埋めたい場合は有料のデータベースか、自社で調べる工数が必要になります。
まとめとしての判断
展示会名刺の運用は、ツールの機能比較ではなく次の3点で決まります。
72時間レーンと資産レーンを分けているか
会話メモが名刺とセットで残っているか
読取・補完・実行のどの工程で詰まっているかを特定できているか
そのうえで、詰まっている工程だけに道具を入れます。全工程を1つのツールで賄おうとすると、どこかが必ず妥協になります。
補完と実行の工程を軽く始めたい、つまり名刺の社名からターゲット企業のリストを組み直し、相手ごとの営業文面まで一気に作りたいという条件なら、ドヤリストが候補になります。ドヤマーケAIの統一プラン月9,980円(税込)で全14サービスが使え、無料版から試せます。ただし名刺画像のOCR読み取り機能は持たないため、読取工程は別の手段と組み合わせる前提になります。
出典(すべて2026年8月5日に確認)
総務省総合通信基盤局 消費者行政課/消費者庁 取引対策課「特定電子メールの送信等に関するガイドライン」 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/pdf/m_mail_081114_1.pdf
Eight Team 公式 料金ページ https://materials.8card.net/eight-team/pricing/
CAMCARD BUSINESS 公式 https://www.camcard.jp/business/
myBridge 公式ヘルプ「myBridgeは無料ですか?」 https://support.mybridge.com/hc/ja/articles/360007052914-myBridge%E3%81%AF%E7%84%A1%E6%96%99%E3%81%A7%E3%81%99%E3%81%8B-%E4%BD%BF%E7%94%A8%E6%96%99%E9%87%91%E3%81%AF%E7%99%BA%E7%94%9F%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99%E3%81%8B
ホットプロファイル 公式 https://www.hammock.jp/hpr/
Musubu 公式 https://musubu.in/
SalesNow 公式 https://salesnow.jp/
BIZMAPS 公式 https://biz-maps.com/
SATORI 公式 料金ページ https://satori.marketing/fee/
BowNow 公式 フリープラン案内 https://bow-now.jp/price/free_plan/
国税庁 法人番号公表サイト https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/
gBizINFO https://info.gbiz.go.jp/


