バナーAI
クリニックの集患チラシ|デザイナー不在でも作れる

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クリニックの集患物をAIで作るとき、最初に決めるのはツールではありません。その媒体が「患者が自ら求めて入手するもの」かどうかです。ここで載せてよい情報の範囲が変わります。ポスティングチラシと自院サイトのバナーは、同じ文面を使えません。この記事では厚生労働省の医療広告等ガイドラインを一次情報として媒体を判定し、AIにどこまで言葉を任せるかで8ツールを比較します。プロンプト全文と入稿前チェックリストもお渡しします。
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この記事で分かること
ポスティングチラシと自院サイトのバナーで、載せてよい情報が変わる理由と根拠条文
「AIにどこまで言葉を任せるか」で8ツールを分けた比較表(公式サイトで確認できた料金のみ)
クリニックのチラシ・バナー用の生成プロンプト全文(NG語をブロックする指示つき)
画像特有の落とし穴(ビフォーアフター、体験談の吹き出し、価格の強調)
入稿・公開前チェックリスト24項目
1. 結論:ツール選びの前に、媒体を2群に分ける
医療広告等ガイドライン(厚生労働省・https://www.mhlw.go.jp/content/001683594.pdf ・2026年8月6日確認)には、広告に該当する媒体の例が挙げられています。
「チラシ、パンフレットその他これらに類似する物によるもの(ダイレクトメール、ファクシミリ等によるものを含む。)」 「ポスター、看板(プラカード及び建物又は電車、自動車等に記載されたものを含む。)、ネオンサイン、アドバルーンその他これらに類似する物によるもの」 「情報処理の用に供する機器によるもの(Eメール、インターネット上の広告等)」
つまり、ポスティングチラシも看板もSNS広告のバナーも、すべて医療広告の規制対象になります。
そのうえで、広告可能事項の限定解除という仕組みがあります。一定の要件を満たす媒体では、通常は広告できない事項も掲載できるという扱いです。医療広告等ガイドラインQ&A(https://www.mhlw.go.jp/content/001683595.pdf ・2026年8月6日確認)は、限定解除の対象となる媒体として次のものを挙げています。
「患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイト」
「QRコードを読み込むことで表示されるウェブサイト等」
「患者等が自らダウンロードする特定の医療機関のアプリケーション」
「患者の希望により配布するメールマガジンやパンフレット」
判定の鍵は紙か画面かではありません。「患者が自ら求めて入手したか」です。同じパンフレットでも、患者が希望して受け取るものは限定解除の対象になり得ますが、ポストに投函するチラシはそうなりません。
2群に分けた結果
群 | 媒体の例 | 限定解除 | 制作上の意味 |
|---|---|---|---|
群A:自ら求めて入手する媒体 | 自院ウェブサイト、QRコードから開くページ、患者の希望により配布するパンフレット、自院アプリ、希望者へのメールマガジン | 要件を満たせば対象になり得ます | 情報量を載せられます。リスク・費用の説明欄が必要です |
群B:受け手が選んでいない媒体 | ポスティングチラシ、新聞折込、看板、駅・車内広告、DM、フリーペーパー、SNSやディスプレイの広告バナー | 対象になりません | 広告可能事項の範囲内に収めます。情報を「絞る」設計になります |
Q&Aには「フリーペーパーに掲載された医療機関等の広告も広告規制の対象」との記載もあります。
この2群の違いが、そのまま制作フローの違いになります。群Bは載せられる情報が限られるため、デザインは「少ない情報を大きく見せる」方向に寄ります。群Aは説明を尽くす必要があるため、文章量が増えます。同じ原稿を両方に使い回すと、群B側が規制に触れるか、群A側が説明不足になるかのどちらかが起きます。
2. 独自の分類軸:AIにどこまで「言葉」を任せるか
クリニックの制作物でAIが問題を起こすのは、絵ではなく言葉の側です。「地域No.1」「痛くない」「絶対安全」「専門医が対応」といった表現を、AIは自然に補完してきます。医療法第6条の5第2項および医療法施行規則第1条の9は、他の病院・診療所と比較して優良である旨の広告、誇大な広告などを禁じています。
そこで、ツールを言語関与度で4段階に分けます。
段階 | AIの役割 | 代表ツール | 言葉のリスク |
|---|---|---|---|
L0:レイアウトのみ | テンプレートを提供します。文字は人が全部打ちます | パワポン、ラクスルのオンラインデザイン | 最小です。人が書いた文だけが載ります |
L1:配置の自動化 | 人が書いた文字を、AIがレイアウトに配置します | ドヤバナーAI、Canva、Adobe Express | 小さいです。文言は人が決めます |
L2:素材の生成 | 背景・装飾ビジュアルをAIが生成します。文字は人が担当します | Adobe Express(Firefly)、Microsoft Designer、Recraft | 中程度です。画像が誤認を生まないかの確認が要ります |
L3:コピーまで生成 | 訴求文をAIが書きます | ChatGPT等の生成AI | 大きいです。禁止表現の混入を必ず人が止めます |
この軸で選ぶと、判断が具体的になります。院内に医療広告の知識を持つ人が1人しかいないなら、L3を使うのは確認工数がかかります。逆に、確認体制があるならL3で下書きを作ったほうが速いです。ツールの優劣ではなく、院内の確認体制と組み合わせで決まります。
3. 比較表:クリニックの集患物を作る8ツール
ツール | 注力 | 言語関与度 | 必須記載欄(院名・所在地・診療科目等)の確保 | 院内NG語の反映 | 印刷入稿への導線 | 料金(2026年8月6日に公式サイトで確認) | 正直な弱点 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
ドヤバナーAI(自社) | ★注力 | L1(文言は人が渡します) | テンプレート内にテキストレイヤーとして配置します。文字がレイヤーで残るため、後から追記できます | 入力した文言がそのまま載ります。生成コピーを使わない運用にできます | 印刷入稿用のCMYK・トンボ付きPDFは出せません(PNG・JPG書き出し) | 月9,980円(税込)の統一プランで全14サービス使い放題です。無料版は月15枚までです(https://doya-ai.surisuta.jp/banner/dashboard ) | 医療広告ガイドラインのチェック機能は持っていません。NG表現の検知はしません。医療専用テンプレートもありません。紙のチラシを印刷所に回すには別ソフトでの組み直しが必要です。実績が浅いです |
パワポン(アスクル) | — | L0 | PowerPoint上で自由に配置できるため、必須記載欄を自分で作れます | 人が全文を打つため混入しません | pptx形式です。印刷所の受付形式は要確認です | テンプレートは無料です。パプリ会員登録(無料)でダウンロードできます。医療・薬局カテゴリに123件のテンプレートを掲載しています(歯科、クリニック、整骨院、定期検診、開院案内等)(https://ppon.askul.co.jp/category/job/hospital ) | PowerPointの操作が前提です。写真の差し替えでレイアウトが崩れます。商用利用条件は利用規約で必ず確認してください |
ラクスル オンラインデザイン | — | L0 | テンプレート上で編集します | 人が全文を打ちます | 印刷までブラウザ上で完結する導線があります | 公式のデザインサービス一覧ページには料金の記載がなく、金額を確認できませんでした(要確認)(https://raksul.com/guide/design/ ) | 印刷とセットの設計のため、画像だけを使いたい場合は用途が合わないことがあります |
Canva | — | L1〜L2 | テンプレート上で編集します。ガイド線があります | 人が文言を決めます。AI文章生成機能を使う場合は要確認です | PDF書き出しに対応します | 公式の日本語料金ページから金額表示を取得できませんでした(要確認)。無料プランと有料プランが提供されています | 日本語書体を差し替えるとレイアウトが崩れることがあります。作業は基本的に手作業で、枚数が増えると比例して時間がかかります |
Adobe Express | — | L1〜L2 | テンプレート上で編集します | 人が文言を決めます。Fireflyで生成した画像は内容の確認が必要です | 印刷用の書き出しに対応します(詳細は公式ヘルプ参照) | 無料0円(税込)/プレミアム月1,180円(税込)/Adobe Firefly Pro月3,180円(税込)/グループ版1ライセンス月440円(税込・初年度特別価格)(https://www.adobe.com/jp/express/pricing ) | 生成クレジットに上限があります。機能が多く、月数枚の用途には重いです |
Microsoft Designer | — | L2 | レイアウト内に配置します | AI生成部分の内容確認が必要です | 画像書き出し | 無料で利用できます。Microsoft 365の契約でクレジットが増えます(金額は各プランに準拠します) | AIが描いた部分に文字を混ぜると崩れやすいです。医療広告の必須記載を担保する機能はありません |
Recraft | — | L2 | 生成画像に文字を焼き込むと修正できません | AI生成部分の内容確認が必要です | 画像 | 公式の料金ページから金額表示を取得できませんでした(要確認)。無料プランで生成した画像の所有権はRecraft側にあり公開される、有料プラン加入中に生成した画像は商用利用権を含む所有権が付与されると明記されています(https://www.recraft.ai/pricing ) | 無料プランは生成物が公開されます。院の広告物に使うなら有料プランが前提です |
ChatGPTの画像生成/文章生成(OpenAI) | — | L3 | 画像内に必須記載を入れさせません | 禁止表現が混入しやすいです。人による確認が必須です | 画像 | 無料プランあり/Plus月$20(https://openai.com/chatgpt/pricing/ ・プラン構成の改定が多いため要確認) | 生成後に文字をレイヤーとして直せません。医療広告の可否判断はできません |
表の読み方
「院内NG語の反映」列がクリニックでは最重要になります。どのツールも医療広告ガイドラインの判定機能は持っていません。つまりNG表現を止めるのは、ツールではなく院内の手順です。だからこそ、言語関与度が高いツールを選ぶほど、確認の手数が増えます。
「必須記載欄の確保」も見落とされやすいです。院名、所在地、診療科目、管理者氏名、診療時間といった基本情報を入れる枠を、デザインを作る前に確保しておきます。デザインを完成させてから押し込むと、文字が小さくなって読めない配置になります。
4. 画像でやりがちな3つの落とし穴
記事や文章より、画像のほうが規制に触れやすいです。理由は、画像は一瞬で印象を作るからです。
落とし穴1:治療前後の写真(ビフォーアフター)
医療法施行規則第1条の9第2号は、「治療等の内容又は効果について、患者等を誤認させるおそれがある治療等の前又は後の写真等」を禁止広告としています。
さらに厚生労働省のQ&A(https://www.mhlw.go.jp/content/000371812.pdf ・2026年8月6日確認)には、「手術前のみ又は手術後のみの写真についても…患者等を誤認させるおそれがある治療効果に関する表現に該当するため、広告できません」との記載があります。
「アフターだけなら大丈夫」は成り立ちません。チラシに施術後の口元や横顔の写真を1枚だけ載せる構成は、この記載に照らして再考が必要になります。
落とし穴2:体験談の吹き出し
「〇〇さん(40代・女性)痛みがなくなりました」という吹き出しをチラシに載せる構成は、医療法施行規則第1条の9第1号が禁じる「患者その他の者の主観又は伝聞に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談」に該当し得ます。
Q&Aには、医療機関が肯定的投稿を依頼した場合は広告に該当し「広告できません」とされ、患者の自発的推薦に留まる場合は誘引性がないとされる旨の記載があります。院が依頼して集めた声を院の広告物に載せる構成は、この整理に照らして避けます。
イラストの吹き出しでも、体験談として読まれる文言であれば同じ問題になります。「実在の人の声ではないから大丈夫」ではありません。
落とし穴3:価格の強調
Q&Aには費用の記載について、「費用を強調した広告は品位を損ねるもので、医療に関する広告として適切ではなく、厳に慎むべき」とあります。一方で、「費用について、分かりやすく太字で示したり、下線を引くこと」は差し支えないとされています。
デザインに落とすと、次のようになります。
表現 | 判断の目安 |
|---|---|
費用を太字にする、下線を引く | 差し支えないとされています |
費用を紙面の主役として最大級のサイズで配置する | 「強調した広告」に該当し得ます。厳に慎むべきとされる範囲です |
「今だけ」「〇%OFF」を大きく打ち出す | 同上です。値引き訴求を主役にする構成は避けます |
AIバナーツールは「訴求を目立たせる」方向に最適化されています。一般的な広告バナーのテンプレートをそのまま医療で使うと、価格や割引が主役になった構成が出てきます。ここは人が構成を決めます。
5. 【コピペ可】チラシ・バナー用の生成プロンプト
前提として、このプロンプトは下書きを作るためのもので、出力をそのまま公開するためのものではありません。最後に人が確認する工程は省略できません。
プロンプト①:群B(ポスティングチラシ・看板)用のコピー案
あなたは医療機関の広告物を作る制作者です。日本の医療法・医療広告等ガイドラインの
規制を前提に、以下のクリニックのポスティングチラシ用コピー案を作ってください。
# 医療機関情報
- 名称:(例:〇〇内科クリニック)
- 診療科目:(例:内科、消化器内科)
- 所在地:(例:〇〇市〇〇1-2-3)
- 診療時間:(例:平日9:00-12:30/15:00-18:30、土曜9:00-13:00、休診 日祝)
- アクセス:(例:〇〇駅 徒歩5分/駐車場8台)
- 電話番号:
- 管理者(院長)氏名:
- 伝えたい事実:(例:2026年9月開院。オンライン予約に対応。バリアフリー)
# 媒体
ポスティングチラシ(受け手が自ら求めて入手する媒体ではない)
# 出力してほしいもの
1. メインコピー(15文字以内)を5案
2. サブコピー(25文字以内)を5案
3. 紙面に載せる項目の並び順の案(上から順に)
# 絶対に使ってはいけない表現(1つでも含めないこと)
- 他の医療機関との比較優良を示す表現:「地域No.1」「日本一」「最高」「最先端」
「唯一」「トップクラス」「〇〇で一番」
- 効果や安全性を保証・断定する表現:「絶対」「必ず治る」「安全」「痛くない」
「100%」「完治」
- 誇大と受け取られ得る表現:「最新設備を完備」「あらゆる症状に対応」
- 患者の体験談、患者の声、口コミの引用
- 治療前後の写真に関する言及(術前のみ・術後のみを含む)
- キャンペーン、割引、〇%OFF、期間限定価格などの費用を強調する表現
- 私が「伝えたい事実」に書いていない診療内容・設備・実績を追加すること
# 出力形式
各案について、なぜその表現が上記の禁止事項に触れないと判断したかを1行で添えてください。
プロンプト②:背景ビジュアルの生成
医療機関のチラシ・バナーに使う背景ビジュアルを生成してください。
# 用途
(例:内科クリニックの開院告知チラシ A4/自院サイトのトップバナー)
# 構図の条件
- (例:A4縦/横長バナー)
- 画面の(例:上部35%)を背景ビジュアル、残りは無地の余白にする
- 余白は白または非常に淡い単色。文字が読める明度差を確保する
- 画像内に文字を一切入れない
# トーン
(例:清潔感、明るい自然光、寒色寄り、圧迫感のない開けた空間)
# 描いてはいけないもの
- 実在の医師・スタッフと誤認される人物
- 白衣を着た人物が診療行為をしている場面(実際の診療内容と異なる印象を与えるため)
- 実際には設置していない医療機器・設備
- 治療前後の変化を思わせる対比表現
- 資格・認定を示す記章、賞、認証マークに似た図形
「描いてはいけないもの」の2番目は補足がいります。AIが生成した「診察している医師の絵」は、実際にはいない医師であり、実際には行っていない診療の絵です。それを自院の広告に置けば、受け手は院の診療内容として受け取ります。人物や診療場面を描かせず、空間・光・抽象的なビジュアルに留めるのが安全な運用になります。
プロンプト③:出力を点検させる
以下は当院のチラシに掲載予定の文言です。日本の医療広告等ガイドラインの観点から、
問題となり得る箇所を指摘してください。
# 掲載予定の文言
(ここに全文を貼る)
# 指摘してほしい観点
1. 他の医療機関と比較して優良である旨を示す表現がないか
2. 効果・安全性を保証または断定する表現がないか
3. 誇大と受け取られ得る表現がないか
4. 患者の体験談、口コミにあたる記述がないか
5. 治療前後の写真・その説明にあたる記述がないか
6. 費用を強調していないか
7. 客観的事実として証明できない記述がないか
# 出力形式
| 該当箇所 | 観点 | なぜ問題となり得るか | 代替表現の案 |
# 注意
あなたの指摘は最終判断ではありません。判断に迷う箇所は「要確認」と明記してください。
プロンプト③は「代わりに判断させる」ためのものではありません。見落としを拾うための一次スクリーニングです。最終判断は院内の責任者、または保健所・自治体の医療広告担当窓口への相談で行います。
6. 【コピペ可】入稿・公開前チェックリスト24項目
【クリニック集患物 入稿前チェックリスト】
媒体:____________ 作成日:____/__/__ 確認者:__________
■ STEP1 媒体判定
□ この媒体は「患者等が自ら求めて入手する」ものか?
→ YESなら群A(限定解除の要件を検討)/NOなら群B(広告可能事項の範囲に収める)
□ 群Bの場合、限定解除でしか載せられない情報が混ざっていないか
■ STEP2 必須記載(自院の基本情報)
□ 医療機関の名称
□ 所在地
□ 電話番号
□ 診療科目
□ 診療時間・休診日
□ 管理者(院長)の氏名
□ 上記が読める文字サイズで配置されているか(小さすぎないか)
■ STEP3 禁止表現(文言)
□ 比較優良を示す表現がない(No.1、日本一、最高、最先端、唯一 等)
□ 効果・安全性の保証がない(絶対、必ず、安全、痛くない、完治 等)
□ 誇大表現がない(あらゆる症状に対応、完備 等)
□ 患者の体験談・口コミ・患者の声が載っていない
□ 客観的事実として証明できない記述がない
■ STEP4 画像
□ 治療前後の写真を使っていない(術前のみ・術後のみも含む)
□ 治療効果を示唆する対比表現がない
□ 実在しない医師・スタッフの生成画像を使っていない
□ 実際には行っていない診療場面の画像がない
□ 実際には設置していない設備が写り込んでいない
□ 認証・受賞・資格に似せた図形を使っていない
■ STEP5 費用
□ 費用が紙面の主役になっていない
□ 割引・キャンペーン・期間限定価格を強調していない
□ 自由診療の費用を載せる場合、必要な説明が同一媒体内にあるか
■ STEP6 最終
□ 院内の責任者が全文を読んだ
□ 判断に迷う箇所を、保健所または自治体の医療広告担当窓口に相談した
STEP6の2項目を飛ばしません。AIも本記事も、個別の広告物が適法かを判断できません。医療広告の相談窓口は自治体に置かれています。迷ったら出す前に聞きます。
7. 判断フローチャート:どのツールで作るか
Q1. 作ろうとしている媒体は、患者が自ら求めて入手するものか?
├─ NO(ポスティングチラシ、看板、駅広告、SNS広告バナー)=群B
│ │
│ └→ Q2. 院内に、医療広告の可否を判断できる人がいるか?
│ ├─ NO → 言語関与度L0〜L1のツールに限定する。
│ │ テンプレートに、人が書いた文言だけを載せる
│ │ (L0:無料のテンプレート配布サービス)
│ │ (L1:AIバナーツール。文言は人が入力する)
│ └─ YES → L2〜L3も使える。ただしプロンプト③で点検し、
│ チェックリスト24項目を通す
│
└─ YES(自院サイト、QRから開くページ、希望者に配るパンフレット)=群A
│
└→ Q3. 限定解除の要件を、その媒体内で満たせるか?
(自由診療の内容・費用、主なリスク・副作用、問い合わせ先の記載)
├─ YES → 情報量を載せる設計にする。
│ バナーは「入口」と割り切り、詳細は遷移先に置く
└─ NO → 群Bと同じ範囲に収める。
要件を満たせない状態で情報を広げない
【共通】
どの経路でも、入稿前チェックリスト24項目を通す。
判断に迷う箇所は保健所・自治体の医療広告担当窓口に相談する。
8. バナーとチラシで設計を変える
同じ内容でも、媒体で構成が変わります。
群Bのポスティングチラシ
紙は手に取って読みます。ですが載せられる情報の範囲は限られます。主役は「どこに、いつ、何科があるか」になります。
【推奨する版面構成(A4縦)】
上部30%:ビジュアル(空間・光。人物や診療場面は描かせない)
中部40%:医療機関名/診療科目/伝えたい事実(1〜2点)
下部30%:診療時間表/所在地/電話番号/アクセス/管理者氏名/地図
下部30%は毎回同じになります。この帯をテンプレートとして固定してしまうと、以後の制作で必須記載の抜けが起きなくなります。
群Aの自院サイトのバナー
バナーは入口です。バナー上で説明を尽くそうとしません。遷移先のページで限定解除の要件を満たし、バナーは診療科目と導線だけを担います。
この分担が崩れるのは、バナーに費用や施術名を大きく載せたときです。バナー単体で広告として完結してしまい、遷移先の説明が「同一媒体内の記載」として扱えるかが曖昧になります。バナーは絞ります。
9. ツールでは解決しないこと
1つ目は、可否の判断です。どのツールも医療広告ガイドラインの判定機能を持っていません。生成AIに点検させても、最終判断にはなりません。院内の確認者を1人決め、その人が全文を読む工程を必ず残します。この工程を省いた瞬間に、内製化はリスクに変わります。
2つ目は、素材そのものです。実在しない医師の生成画像は使えません。院内・スタッフの写真は撮影するしかありません。撮影時には、写り込む患者の同意、個人が特定される情報の管理、掲示物の写り込みに注意します。AIで作れるのは背景と装飾までです。
3つ目は、集患の設計です。チラシの反響は、デザインより「誰に、いつ配るか」で決まります。新規開院なら商圏の徒歩圏、季節性のある診療科なら時期です。ツールを入れると制作は速くなりますが、配布設計は変わりません。速く作れるようになった分を、配布先の検討に回すほうが効きます。
10. ドヤバナーAIを他社と同じ基準で評価する
自社サービスなので、はっきり書きます。
向いている場面
自院サイトやSNSのバナーを、診療時間の変更や休診案内のたびに作り直したいとき
文言は院内で決まっていて、レイアウトだけ速く作りたいとき(言語関与度L1で運用できます)
同じ内容で複数サイズのバナーを揃えたいとき
向いていない場面
医療広告ガイドラインのチェックを期待するとき。判定機能は持っていません。NG表現の検知はしません
紙のチラシを印刷所に入稿するとき。CMYK・トンボ付きPDFを直接出せないため、別ソフトでの組み直しが必要になります
医療専用テンプレートを期待するとき。汎用のバナー生成ツールであり、診療科別のテンプレート集は持っていません
料金
月9,980円(税込)の統一プランで全14サービスが使い放題です。無料版は月15枚までです。まず無料版で、休診案内のバナーを1枚作ってみるのが判断として早いです。文字がレイヤーとして残るか、必須記載を入れる余白を確保できるかを確認します。
11. FAQ
Q1. AIが作ったチラシは、医療広告ガイドラインに適合していますか。
適合を保証するツールは存在しません。AIは「それらしい広告表現」を出すよう学習されており、医療広告で禁じられる比較優良表現や効果の断定は、むしろ出やすいです。AIの出力は下書きとして扱い、入稿前チェックリストを人が通します。判断に迷う箇所は保健所・自治体の医療広告担当窓口に相談してください。
Q2. 症例写真をチラシに載せたいのですが、どうすればよいですか。
医療法施行規則第1条の9第2号は、治療等の内容・効果について患者等を誤認させるおそれがある治療前後の写真等を禁止広告としています。厚生労働省のQ&Aには、手術前のみ・手術後のみの写真についても誤認させるおそれがある表現に該当するため広告できない旨の記載があります。ポスティングチラシ(群B)では、この論点を避ける構成にするのが実務的です。自院サイト等で扱う場合の可否と条件は、ガイドライン本体と事例解説書を確認し、自治体の窓口に相談してください。
Q3. 無料ツールだけでクリニックのチラシは作れますか。
作れます。無料のテンプレート配布サービスには医療・薬局カテゴリのテンプレートが多数用意されており(パワポンでは医療・薬局カテゴリに123件の掲載を確認)、PowerPointで編集できます。費用がかかるのは制作ではなく印刷と配布です。制作に月額を払う判断は、作る枚数が増えてからで遅くありません。
Q4. 患者さんからいただいたお礼の手紙を、チラシに載せてもよいですか。
医療法施行規則第1条の9第1号は、患者その他の者の主観または伝聞に基づく治療等の内容・効果に関する体験談を禁止広告としています。院が広告物に掲載する時点で、それは院の広告になります。掲載は避け、院内掲示や別の形での感謝の伝え方を検討してください。個別の判断は自治体の窓口に相談します。
Q5. 「〇月〇日 開院」「駐車場8台」といった情報は載せてよいですか。
開院日、駐車場の台数、診療時間、アクセスといった客観的な事実は、広告できる事項の範囲で扱われます。問題になるのは、事実に「最新」「充実」「安心」といった評価語を足したときです。AIにコピーを書かせると、この評価語が自動的に付いてきます。プロンプト①の禁止事項リストは、それを止めるためのものになります。
Q6. 群Aと群Bで原稿を作り分けるのは手間がかかりませんか。
作り分けるのは全体ではなく、「群Bでも載せられる中核部分」を先に作り、群Aではそこに説明を足すという順序にします。中核部分(医療機関名、診療科目、診療時間、所在地、連絡先)はどちらでも共通で使えます。この設計にすると、チラシとサイトのバナーで内容がずれることもなくなります。
12. まとめ:最初にやる3つのこと
いま作る媒体が群Aか群Bかを判定します。判定基準は「患者が自ら求めて入手するか」です
必須記載欄(院名・所在地・電話・診療科目・診療時間・管理者氏名)を固定した版面テンプレートを1つ作ります。以後の制作でここは触りません
院内の確認者を1人決め、入稿前チェックリスト24項目を印刷して渡します
この3つが決まっていれば、どのツールを使っても事故は起きにくいです。逆に、この3つがないまま生成AIで量産を始めると、確認の追いつかない広告物が増えます。
文言は院内で決まっていて、レイアウトだけ速く作りたいなら
診療時間の変更、休診案内、開院告知。文言は院内で決まっていて、あとはバナーの形にするだけ。その条件ならドヤバナーAIが候補になります。文字がレイヤーとして残るため、必須記載を後から足せます。無料版は月15枚まで使えるので、まず休診案内を1枚作って確認すれば大丈夫です。有料は月9,980円(税込)で全14サービスが使い放題になります。
なお、医療広告ガイドラインの適否判定機能は持っていません。確認は院内の手順で担保してください。
ドヤバナーAI:https://doya-ai.surisuta.jp/banner/dashboard
本記事で参照した一次情報(すべて2026年8月6日確認)
内容 | URL |
|---|---|
医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)/厚生労働省 | https://www.mhlw.go.jp/content/001683594.pdf |
医療広告等ガイドラインに関するQ&A/厚生労働省 | https://www.mhlw.go.jp/content/001683595.pdf |
医療広告ガイドラインに関するQ&A(平成30年8月作成)/厚生労働省 | https://www.mhlw.go.jp/content/000371812.pdf |
医療法における病院等の広告規制について/厚生労働省 | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kokokukisei/index.html |
医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第6版)/厚生労働省 | https://www.mhlw.go.jp/content/001683116.pdf |
パワポン 医療・薬局カテゴリ(アスクル) | https://ppon.askul.co.jp/category/job/hospital |
ラクスル デザインサービス一覧 | https://raksul.com/guide/design/ |
Adobe Express 料金 | https://www.adobe.com/jp/express/pricing |
Recraft 料金・生成物の権利に関する記載 | https://www.recraft.ai/pricing |
ChatGPT 料金 | https://openai.com/chatgpt/pricing/ |
本記事は一般的な整理であり、個別の広告物が医療広告等ガイドラインに適合するかの判断ではありません。個別の判断は、所在地の保健所または自治体の医療広告担当窓口、および医療広告に詳しい専門家に相談してください。料金・仕様は改定されるため、契約前に各社の公式サイトで最新の内容を確認してください。



