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ChatGPTで商談前リサーチ|4工程のプロンプト全文

結論から書きます。ChatGPTに「この会社について調べて」と投げると、会社概要の焼き直しが返ってきます。商談で使えるのは、事実の抽出・変化の検出・仮説化・質問化を4回に分けて回したときだけです。この記事では相手企業のURL1本を起点にした4工程のプロンプトを全文掲載します。あわせて、ChatGPTに情報を渡す3つの経路の使い分けと、どこまでChatGPTで足りてどこから足りなくなるかを示します。


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商談前の企業調査や論点整理をAIで効率化し、提案準備の質とスピードを高めます。

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この記事で分かること

  • ChatGPTの企業調査が浅くなる3つの原因と、その回避方法

  • 情報の渡し方3経路(手貼り/ブラウジング/ファイル添付)の使い分け

  • 4工程のプロンプト全文(そのままコピペして使えます)

  • 出力をそのまま信じないための検査チェックリスト

  • ChatGPTで足りるケースと、足りなくなる5つの条件

  • 商談前リサーチを行う手段11種の比較表(2026年8月6日時点の公式情報で確認)


1. ChatGPTの商談前リサーチが浅くなる3つの原因

まず、なぜ「調べて」だけでは使えないのかを分解します。原因が分かれば、プロンプトを4つに割る理由も納得できます。

原因1:事実と解釈を同時に頼んでいる

「この会社の課題を教えて」という依頼は、事実の収集と、そこからの推論を1回で要求しています。生成AIは推論を優先するので、事実が薄いまま結論だけが立派に出ます。結果として「DX推進が課題と考えられます」のような、どの会社にも当てはまる文章が返ります。

対策は単純で、1回目は事実だけを出させます。解釈を禁止します。事実の棚が埋まってから、初めて解釈を頼みます。

原因2:「今」ではなく「平均的な姿」を答えている

企業の課題は、直近12か月に何が変わったかに宿ります。新拠点、新事業、採用職種の変化、値上げ、社長交代、資本業務提携。ところが「どんな会社か」と聞くと、AIは創業年・事業内容・企業理念という静的な情報を並べます。これは商談で一切使えません。相手も自分の会社概要は知っているからです。

対策は、変化だけを抜き出す工程を独立させることです。

原因3:自社の商材と接続していない

相手の課題を100個並べても、自社が解けない課題は商談で使えません。よくある失敗は、AIが出した「人材不足」「後継者問題」といった大きな課題を、そのまま提案の枕に使ってしまうことです。相手からすると「それで、あなたは何ができるんですか」となります。

対策は、自社の提供価値を先に定義してから仮説を作らせることです。工程3で扱います。


2. 独自の分類軸:ChatGPTに情報を「どう渡すか」で3経路に分かれる

商談前リサーチのプロンプト記事は多いですが、情報の渡し方によって出力の質と再現性がまったく変わるという点はあまり書かれていません。ここを整理しておくと、あとのプロンプトが効きます。

経路A:手貼り(本文をコピーして貼る)

相手企業のサイト本文、プレスリリース、採用ページのテキストを自分でコピーし、プロンプトの中に貼り付ける方式です。

  • 長所:AIが読んだ範囲が完全に確定します。同じテキストを貼れば、出力のブレが最も小さいです。読み込みの失敗が起きません

  • 短所:貼る作業が発生します。1社あたり5〜10分かかります。長すぎると1回の入力に収まりません

経路B:ブラウジング(URLを渡してAIに読ませる)

URLを渡して、その場でWebを読ませる方式です。

  • 長所:貼る手間がありません。関連ページまでたどってくれることがあります

  • 短所:どのページを読んだかが毎回変わります。JavaScriptで描画されるページや、ログインが必要なページは読めないことがあります。読めなかったのに読んだ体で書かれると、事実誤認がそのまま通過します

経路C:ファイル添付(PDF・資料を渡す)

決算短信、有価証券報告書、統合報告書、先方からもらった資料をファイルで渡す方式です。

  • 長所:一次情報そのものを読ませられます。数値の根拠が明確になります

  • 短所:非上場企業には該当資料がありません。ファイル数の上限があります

ChatGPTのプロジェクト機能では、1プロジェクトあたりのファイル数上限が Free で5、Go・Plus で25、Pro・Edu・Business・Enterprise で40 と公式ヘルプに明記されています(同時アップロードは全プラン10ファイルまで)。※出典:OpenAI Help Center「Projects in ChatGPT」(2026年8月6日確認)

経路の使い分け表

工程

推奨経路

理由

①事実の抽出

A(手貼り)+C(ファイル)

読んだ範囲を確定させたいからです。ここで誤ると全工程が汚染されます

②変化の検出

B(ブラウジング)+A

プレスリリース一覧・採用ページは更新が速いです。ただし読めた範囲を必ず申告させます

③課題仮説

経路不問(追加情報を入れない)

①②で集めた材料だけで考えさせます。ここで新たにWebを読ませると根拠が混ざります

④質問への変換

経路不問

材料は③まででそろっています

この使い分けが結論です。「URLを渡せば全部やってくれる」という期待を捨て、工程ごとに渡し方を変えます。工程1と2で事実の質が決まり、工程3と4は文章の整形に近いです。


3. 【全文掲載】4工程のプロンプト

以下はすべてそのままコピーして使えます。【】 の部分だけ差し替えます。

工程0:最初に1回だけ入れる前提指示

新しいチャット(またはプロジェクトの指示欄)の冒頭に置きます。これを入れるか入れないかで、以降の出力の締まり方が変わります。

あなたはBtoB法人営業の商談準備を支援するアシスタントです。
以下のルールを、このスレッドのすべての応答で守ってください。

【厳守ルール】
1. 私が貼ったテキスト、添付したファイル、あなたが実際に閲覧できたページに
   書かれていた内容だけを「事実」として扱う。
2. 事実として書く文には、必ず出所を [出所: ページ名/ファイル名] の形式で付ける。
3. 出所を付けられない内容は「事実」欄に書かない。必要なら「推測」欄に分けて書き、
   なぜそう推測したかの根拠を1行で書く。
4. 数値(売上・従業員数・拠点数・年月)は、出所が確認できないものは
   「未確認」と書く。概算や「〜程度」で埋めない。
5. 一般論(例:「DX推進が求められている」「人材不足が課題」)は書かない。
   その企業に固有の記述だけを書く。
6. 閲覧を指示されたページを読めなかった場合は、
   冒頭に「【閲覧できなかったURL】」として必ず列挙する。黙って推測で補わない。
7. 私が次の工程を指示するまで、勝手に次の工程へ進まない。

理解したら「準備完了」とだけ返してください。

工程1:事実だけを抽出して台帳にする

【工程1:事実の抽出】

以下は商談相手の企業に関する材料です。
この材料に書かれている事実だけを抽出し、下記の台帳形式で出力してください。
解釈・評価・提案は一切書かないでください。

---
【企業名】〇〇株式会社
【材料1:コーポレートサイト会社概要】
(ここに本文をコピーして貼る)

【材料2:サービス/製品ページ】
(ここに本文をコピーして貼る)

【材料3:採用ページ(募集職種一覧を含む)】
(ここに本文をコピーして貼る)

【材料4:ニュース/プレスリリース一覧(直近12か月分)】
(ここに日付とタイトルをコピーして貼る)
---

【出力形式】

## A. 会社の基本情報
| 項目 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 設立 | | |
| 資本金 | | |
| 従業員数 | | |
| 拠点 | | |
| 代表者 | | |
| 上場区分 | | |

## B. 事業と収益源
- 提供している製品/サービスを箇条書きで列挙(材料に書かれているものだけ)
- それぞれについて「誰に売っているか」が材料に書かれていれば併記
- 主力と読み取れる根拠(掲載順・ページ数・事例数など)があれば記載

## C. 顧客と実績
- 明示されている導入企業・取引先・業界
- 事例ページの本数と、最も新しい事例の掲載日

## D. 組織の状態(採用ページから読み取れる事実のみ)
| 募集職種 | 想定部門 | 雇用形態 | 出所 |
|---|---|---|---|
(募集がない場合は「募集掲載なし」と書く)

## E. 直近12か月の発表事項
| 年月 | 発表内容 | 種別(新製品/提携/資金調達/組織/拠点/受賞/その他) | 出所 |
|---|---|---|---|

## F. 未確認項目
材料からは確認できなかったが、商談準備上は知りたい項目を列挙してください。
(例:主要取引先の業界構成、直近の売上規模、意思決定者の役職名)

【禁止事項】
- 材料にない数値を書かない
- 「〜と考えられる」「〜だろう」を事実欄に書かない
- 業界動向の一般論を足さない

工程1の出力を見て、F欄(未確認項目)が多い場合は材料を足します。ここで手を抜くと、以降がすべて空想になります。

工程2:変化だけを取り出す

【工程2:変化の検出】

工程1で作成した台帳をもとに、この企業の「直近12か月の変化」だけを取り出してください。
静的な情報(創業年、企業理念、事業内容そのもの)は書かないでください。

【変化として扱うもの】
- 新しく始めたこと(新製品、新サービス、新拠点、新事業部)
- やめたこと・縮小したこと(サービス終了、拠点統合の告知)
- 人の動き(役員交代、組織改編、採用職種の新設)
- 外部との関係の変化(提携、出資、M&A、大口導入事例)
- 発信の変化(オウンドメディア開始、更新頻度の増減、展示会出展)

【出力形式】

## 変化の一覧
| # | 時期 | 変化の内容 | 種別 | 出所 | この変化が示唆する社内の動き(1行・推測と明示) |
|---|---|---|---|---|---|

## 採用から読む組織の変化
募集職種の構成から、どの機能を強化しようとしているかを3行以内で。
「募集職種そのもの」を根拠として明示すること。
募集掲載がない場合は「判断材料なし」と書く。

## 変化が見当たらない場合
発表事項が乏しい場合は、無理に変化を作らず
「直近12か月で公開情報上の目立った変化なし」と書き、
その事実自体が示唆すること(例:既存事業の安定運用に注力している可能性)を
1行だけ書いてください。

【厳守】
- 「示唆」欄は必ず推測であることを明示する
- 変化が0件でも捏造しない

「変化が見当たらない場合」の指示を必ず入れます。これがないと、AIは何かを見つけたことにしてしまいます。

工程3:自社の商材と接続した課題仮説を3本作る

ここで初めて自社の情報を入れます。順番が逆だと、自社に都合のいい事実だけを拾う出力になります。

【工程3:課題仮説の生成】

工程1の台帳と工程2の変化一覧だけを材料に、課題仮説を作ってください。
新たにWebを閲覧しないでください。材料を追加しないでください。

【私の会社が解ける課題の範囲】
- 提供しているもの:【例:BtoB向けの〇〇を効率化するSaaS】
- 解決できる課題:【例:担当者が属人的に持っている情報を共有できない、
  作業に時間がかかる、外注費が高い、など具体的に3〜5個】
- 解決できない課題:【例:人を採用する、法的な判断をする、など。必ず書く】
- 提供価値が最も大きくなる顧客の条件:【例:担当者が1〜3名、月に〇件以上の処理がある】

【出力形式】

## 課題仮説(3本)
各仮説について以下を書いてください。

### 仮説N:(1文で言い切る)
- **根拠となる事実**:工程1・2のどの行か(出所つきで2つ以上)
- **この課題が発生している業務**:どの部署の、どんな作業か
- **痛みの大きさの推定**:時間/金額/リスクのどれで効くか。数値は「未確認」と書いてよい
- **自社が解ける範囲**:上記の「解決できる課題」のどれに当たるか
- **自社では解けない部分**:正直に書く
- **この仮説が外れているとしたら、その理由**:反証を1つ必ず書く

## 仮説の優先順位
3本を「商談で最初に出す順」に並べ、その理由を1行ずつ。

【厳守】
- 根拠となる事実を2つ以上示せない仮説は出さない。2本しか作れなければ2本でよい
- 「解決できない課題」に該当する仮説は作らない
- 一般論(DX、人材不足、働き方改革)を仮説の主語にしない

反証を必ず書かせるのが要点です。反証がある仮説は、商談で「外れていたら引っ込める準備」ができています。反証を書かせないと、外れたときに固執して場が壊れます。

工程4:商談で使う質問と冒頭30秒に変換する

【工程4:商談の質問への変換】

工程3の仮説を、商談でそのまま使える質問と発話に変換してください。

【出力形式】

## 1. 冒頭30秒の発話案(2パターン)
- パターンA:仮説を先に置く型(120字以内)
- パターンB:観察した事実だけを置いて相手に語らせる型(120字以内)
※どちらも「御社の課題は〇〇だと思います」という断定は使わないこと
※話し言葉で書くこと

## 2. 確認質問(7問)
| # | 質問文(そのまま読める話し言葉) | 検証したい仮説 | この質問で聞き出したい事実 | 相手が答えにくい場合の言い換え |
|---|---|---|---|---|
※7問のうち、最低2問は「仮説が外れていた場合に気づける質問」にすること
※Yes/Noで終わる質問は2問までにすること

## 3. 聞いてはいけない質問
公開情報を読めば分かること、答えても相手に得がないこと、
初回で聞くと不信を招くことを3つ挙げ、理由を1行で。

## 4. 想定される切り返し
相手から出そうな懸念を3つ挙げ、それぞれに
「事実で返す一言(30字以内)」を付けてください。
自社が持っていない実績を前提にした返しは書かないこと。

【厳守】
- 質問文は書き言葉にしない。声に出して読める日本語にする
- 自社の実績・数値を勝手に作らない。必要な箇所は【要差し替え】と書く

3-5. 材料を集める5分の手順(工程1の前にやること)

プロンプトの前段で詰まる人が多いので、材料集めの順番も書いておきます。相手企業のコーポレートサイトを開いてから、この順に見ていきます。

  1. 会社概要ページ(1分):設立・資本金・従業員数・拠点。この4つだけコピーします。企業理念はコピーしません

  2. サービス/製品の一覧ページ(1分):見出しだけをコピーします。掲載順がそのまま社内の優先順位を表していることが多いです

  3. 採用ページの募集職種一覧(1分):職種名と雇用形態だけです。ここが最も情報量が多いです。営業を採っているのか、エンジニアを採っているのか、バックオフィスを採っているのかで、いま強化したい機能が読めます

  4. ニュース/プレスリリース一覧(1分):直近12か月分の日付とタイトルだけです。本文は開きません。タイトルで十分に変化が読めます

  5. 導入事例ページ(1分):事例の本数と、最新の掲載日です。事例が2年前で止まっていれば、コンテンツに手が回っていない状態が読めます

本文を全部コピーしようとしないことが要点です。見出し・日付・職種名だけで、工程1の台帳はほぼ埋まります。5分を超えるようなら、集めすぎています。

なお、上場企業が相手ならこの5つに加えて、EDINET(金融庁の開示書類閲覧システム)で直近の有価証券報告書を1本落とし、経路C(ファイル添付)で渡します。事業等のリスクと、セグメント別の売上構成だけで、仮説の精度が一段上がります。非上場企業なら、gBizINFO(経済産業省の法人データ提供サイト)で補助金の採択履歴と各種届出を確認します。どちらも公的なサイトで、法人データを公開する目的で運営されています。


4. 【コピペ可】出力検査チェックリスト(商談に持ち込む前の10項目)

4工程を回しても、そのまま持ち込んではいけません。印刷するか、テキストエディタに貼って、1項目ずつ潰します。所要3〜5分です。

■ 商談前リサーチ出力の検査チェックリスト(10項目)

【事実の検査】
□ 1. 出力に含まれる固有名詞(人名・製品名・拠点名)を1つずつ
     相手企業の公式サイトで検索し、実在を確認した
□ 2. 数値(従業員数・売上・設立年・拠点数)はすべて
     出所が示されている。示されていない数値は削除または「未確認」に変えた
□ 3. 「閲覧できなかったURL」の申告があるか確認した。
     申告がないのにURLを渡した工程がある場合、読めたかどうかを直接聞き直した
□ 4. 直近12か月の発表事項の日付を、実際のプレスリリース一覧と突き合わせた

【解釈の検査】
□ 5. 課題仮説の根拠が、すべて工程1・2の行に紐づいている
□ 6. どの企業にも当てはまる文(DX、人材不足、業界再編)が
     仮説の主語になっていない
□ 7. 各仮説に反証が書かれている

【自社との接続の検査】
□ 8. 「自社では解けない部分」が空欄になっていない
□ 9. 提案の根拠に、自社が実際には持っていない実績・数値が混ざっていない
     (【要差し替え】が残っていないか)

【当日の運用】
□ 10. 質問7問のうち、仮説が外れていた場合に気づける質問が2問以上ある

→ 1つでも埋まらない項目があれば、その工程に戻る。
   特に項目1・2・9は、埋めずに商談へ持ち込むと信用を失う種類の欠陥。

5. 4工程を1つのチャットで回すか、分けるか

実務でよく迷う点なので、判断基準を書きます。

回し方

向いている状況

注意点

1スレッドで工程1→4を連続

1社を深く準備します。工程1の材料が多いです

会話が長くなると初期の指示が効きにくくなります。工程3の冒頭で厳守ルールを再掲します

工程ごとに別スレッド

複数社を並行して準備します

前工程の出力を貼り直す手間が増えます。代わりに指示の効きは安定します

プロジェクト機能に前提を保存

毎週同じ形式で準備します

工程0の内容をプロジェクト指示欄に入れておくと、毎回貼らずに済みます

週に3件以上の新規商談があるなら、工程0をプロジェクトの指示欄に保存する形が最も手数が少ないです。プロジェクトはOpenAI公式ヘルプで「無料・有料を問わず全プランで利用可能」と記載されています(2026年8月6日確認)。


6. ChatGPTだけで足りるケースと、足りなくなる条件

ChatGPTを貶して自社ツールへ誘導するのは不誠実なので、正直に線を引きます。

6-1. ChatGPTだけで十分なケース

  • 商談が月に数件です。1件あたり15〜20分の手貼りが苦になりません

  • 担当者が1人です。準備の質を自分だけで担保できます

  • 相手企業が上場企業です。有報・決算短信というファイルが手に入るので、経路Cで精度が出ます

  • 提案内容が毎回大きく変わります。テンプレート化する意味が薄いです

この条件に当てはまるなら、上の4工程をそのまま使えば大丈夫です。追加の道具はいりません。

6-2. 足りなくなる5つの条件

  1. 毎回、自社情報を貼り直しています。工程3の「私の会社が解ける課題の範囲」は毎回同じなのに、スレッドを変えるたびに貼る必要があります。月20件なら20回貼ります

  2. 出力の形がブレます。同じプロンプトでも、日によって表の列が増減します。準備資料として社内で回覧できません

  3. チームで再現できません。プロンプトをNotionに貼って共有しても、実際に使う人によって差し替え方が違い、出力の質が揃いません

  4. リサーチ結果が残りません。商談後に「あのとき何を根拠に提案したか」を追えません。次回訪問時にゼロから作り直すことになります

  5. 貼る材料を集める工程が残ります。4工程のうち、実は最も時間を食うのは「相手サイトの本文をコピーする作業」です。プロンプトを磨いてもここは短くなりません

5番目が本質です。プロンプトの改善で削れるのはAIが考える時間であって、人間が材料を集める時間ではありません。


7. 比較表:商談前リサーチを回す手段11種

比較の列は「材料集めまで担ってくれるか/出力形式が固定されるか/チームで同じ結果を再現できるか」に絞りました。機能の網羅性ではなく、上の6-2で挙げた詰まりどころに直接答える列にしています。

料金はすべて2026年8月6日に公式サイト/公式ヘルプで確認しました。確認できなかったものは正直にその旨を書きます。

手段

注力

材料集め

出力形式の固定

チーム共有

料金(公式確認)

欠点(必ず1行)

ドヤ商談準備

★注力

URLを入れるとリサーチ〜課題仮説〜提案資料まで一括生成

固定された工程で出ます

同一アカウント基盤で共有

月9,980円(税込)で全14サービス使い放題。無料版あり

大手向けの与信情報・詳細財務データは持ちません。企業データベース製品の代替にはなりません

ChatGPT Business

-

人が貼ります(ブラウジングは可)

都度ブレます

プロジェクト共有は可能

$25/席・月(月払)、$20/席・月(年払)、最低2席。「既定でワークスペースのデータを学習に使わない」と公式明記

材料集めの工数は減りません。出力の形式統一はプロンプト運用に依存します

ChatGPT 個人プラン(Free/Go/Plus/Pro)

-

人が貼ります

都度ブレます

個人利用が前提

料金は公式料金ページ上で動的表示され、テキストとして金額を確認できませんでした。契約前に公式ページで必ず確認してください

プランごとの上限差があります。プロジェクトのファイル上限はFree5件/Go・Plus25件/Pro等40件

Microsoft 365 Copilot

-

社内ファイル・メールは参照可。社外Webの体系収集は別途

都度ブレます

組織テナント単位

¥2,698/ユーザー・月相当(年払)と公式サイトに表示(既存Microsoft 365への追加)

相手企業の外部情報を体系的に集める用途は主目的ではありません

Perplexity(Pro)

-

出典つきでWebを収集

都度ブレます

個人利用中心

公式の料金ページを直接取得できず、金額を確認できませんでした。公式サイトで確認してください

出典は出ますが、商談用の台帳形式に整えるのは自分の仕事です

Google の生成AI有料プラン(AI Pro/Ultra 等)

-

Web収集は可

都度ブレます

Workspace契約なら組織単位

公式ページで日本円の金額をテキストとして確認できませんでした。公式ページで確認してください

商談準備向けの定型出力は用意されていません

NotebookLM

-

自分が入れた資料の範囲で回答

資料に紐づくので比較的安定

共有機能あり

公式サイト上でプランと上限をテキスト確認できませんでした。公式ページで確認してください

材料を自分で集めて入れる前提です。集める工程は残ります

SPEEDA

-

企業・業界データを網羅的に保有

データベースとして一貫

組織契約

公式サイトに金額の掲載がなく、問い合わせ制(公式の問い合わせ導線を確認)

料金が公開されておらず、少人数チームで試しに入れる形にしにくいです

FORCAS

-

企業データと類似企業抽出

データベースとして一貫

組織契約

2026年8月6日時点で forcas.com はユーザベースのSPEEDAサイトへ転送されます。金額は非公開で問い合わせ制です

ターゲティング用途が主で、1社の商談台本を作る道具ではありません

帝国データバンク 企業概要データベース(COSMOS2)

-

与信・財務を含む企業情報

データベースとして一貫

組織契約

公式サイトの当該ページに金額の記載がなく、問い合わせ制

課題仮説や質問文の生成は行いません。人が読んで解釈する必要があります

gBizINFO(経済産業省)

-

法人番号・補助金・届出・財務情報を公開

データとして一貫

誰でも参照可

政府の法人データ提供サイトです。利用料の記載はなく、CSV/JSON/APIでの取得に対応しています

掲載は公的に届け出られた情報に限られ、事業の中身までは分かりません

EDINET(金融庁)

-

有価証券報告書等の開示書類

開示様式で一貫

誰でも参照可

金融庁の開示書類閲覧システム

提出義務のある企業に限られます。非上場の中小企業は対象外です

※上表のうち、金額を確認できなかった項目については推測値を入れていません。契約前に各社の公式ページで確認してください。

この表から読み取れる3つの事実

  1. 材料集めまで担う手段と、考える工程を担う手段は別のレイヤーにあります。企業データベース系は前者、生成AI系は後者です。片方だけでは商談準備は終わりません

  2. 無料で使える公的データは、実は情報の質が高いです。gBizINFOとEDINETは商談準備の基礎資料として十分に使えます。ただし「読んで解釈する」工程は人か生成AIが担う必要があります

  3. 料金が公開されている手段は多くありません。企業データベース系はほぼ問い合わせ制で、比較検討の初期段階では総額が読めません


7-5. 商談フェーズごとに、リサーチの深さを変える

4工程を毎回フルで回す必要はありません。商談のフェーズによって、必要なリサーチの深さはまったく違います。ここを揃えずに「全部きっちり調べる」と決めると、準備が終わらずアポの数が落ちます。

フェーズ

目的

回す工程

目安時間

この段階で調べても意味がないこと

初回アポの打診(メール・フォーム)

開封して読んでもらう理由を作ります

工程1のE欄(直近の発表事項)だけ

3分

財務の細部。まだ読む相手が誰かも分かりません

初回商談

仮説をぶつけて反応を見ます

工程1→2→3

20分

提案の具体的な金額。要件が固まっていません

2回目以降(要件整理)

相手の言葉で語られた課題を裏取りします

工程3を作り直します(材料に商談メモを足します)

15分

公開情報の再確認。もう相手から直接聞けます

提案・見積

稟議で使われる言葉に合わせます

工程4のみ(相手の社内向け)

10分

新しい課題仮説。ここで仮説を増やすと商談が戻ります

2回目以降は、材料の主役が公開情報から商談メモに変わります。工程1の材料欄に、前回の議事録を貼ります。これで仮説の精度は公開情報だけのときより明確に上がります。逆に言えば、初回商談の準備にどれだけ時間をかけても、相手が話してくれた1行には勝てません。

もう一点あります。初回アポの打診段階では、工程1のE欄(直近12か月の発表事項)だけで十分です。「先月の〇〇の発表を拝見しました」の1行があるかないかで、開封後の反応が変わります。ここに20分かける必要はありません。


8. ツールでは解決しない部分

正直に書きます。ここを飛ばすと、道具を入れても商談は変わりません。

8-1. 「何を聞くか」より「どう聞くか」

工程4で7問の質問を作っても、読み上げるだけでは相手は本音を出しません。相手が答えを持っていない質問を投げたときに、その場で質問を捨てられるかどうか。これはリサーチの精度とは別の能力です。

8-2. 仮説が外れたときに引っ込められるか

準備に時間をかけた人ほど、自分の仮説に固執します。商談開始5分で仮説が外れたと分かったとき、用意した資料を閉じて相手の話を聞ける人だけが受注します。準備の質を上げるほど、この危険は増します。

8-3. 相手の社内事情は公開情報に載らない

誰が反対しているか、去年どのベンダーで失敗したか、予算がどこに付いているか。商談準備で最も価値のある情報は、リサーチでは絶対に出てきません。それは商談中に聞くしかありません。リサーチの目的は、その質問をする権利を得ることにあります。

8-4. 提案の中身そのもの

課題仮説が正確でも、自社の解決策が弱ければ受注しません。リサーチはあくまで的を絞る作業であって、矢の性能を上げるものではありません。


FAQ

Q1. ChatGPTの無料版でも、この4工程は回せますか

回せます。4工程はいずれも通常のテキスト入出力で完結する設計にしてあります。プロジェクト機能も公式ヘルプ上「無料・有料を問わず全プランで利用可能」と記載されています(2026年8月6日確認)。ただしプロジェクトに置けるファイル数は無料プランで5件が上限と明記されており、資料を多く入れる使い方には向きません。また無料プランはメッセージ数やアップロード数に上限があると公式に記載されているため、1日に何社も回す場合は途中で止まる可能性があります。

Q2. 相手企業の情報をChatGPTに入力していいですか

公開情報と、機密ではない自社情報に限るのが安全な線引きです。判断の基準を3つ書きます。

  1. 相手企業の公開ページの本文は、誰でも読める情報なので入力して構いません

  2. 先方から受け取った資料(見積書、仕様書、社内資料)は、NDAの対象になっていることが多いです。契約書の秘密保持条項を読み、第三者サービスへの入力が許されるかを確認します。判断できなければ入力しません

  3. 個人情報(担当者の氏名・連絡先・名刺情報)は入れません。リサーチの精度に寄与しないうえ、社内規程に抵触する可能性があります

法人としての取り扱いは、プランによって前提が変わります。OpenAIはChatGPT BusinessおよびEnterpriseについて「既定でビジネスデータを学習に使わない」と公式に明記しています(2026年8月6日確認)。個人プランについては設定によって挙動が変わるため、公式のデータ管理設定を確認したうえで、社内のAI利用ルールに従ってください。最終的な可否判断は自社の情報管理責任者に確認します。

Q3. URLを渡したのに、内容が明らかに間違っています

ページを読めていない可能性が高いです。工程0のルール6(閲覧できなかったURLを申告させる)を入れておくと検出できます。それでも怪しい場合は、そのページ本文を手で貼る経路Aに切り替えます。JavaScriptで描画されるサイト、ログインが必要なページ、PDFのみの資料は読めないことがあります。

Q4. 同じプロンプトなのに、日によって出力の形が変わります

生成AIの性質上、完全な固定はできません。安定させる方法は3つあります。第一に、出力形式をMarkdownの表として具体的に指定します(列名まで書きます)。第二に、工程を分けて1回の依頼を小さくします。第三に、工程0の厳守ルールを工程3の冒頭でもう一度貼ります。それでも列が増減する場合は、出力後に自分で整える前提で運用します。社内の定型資料として毎回同じ形が必要なら、プロンプト運用ではなく形式が固定される道具に切り替えたほうが早いです。

Q5. 非上場の中小企業が相手だと、材料が集まりません

集まらないのが普通です。その場合の優先順位を書きます。①採用ページの募集職種(何を強化しようとしているかが最も出ます)、②サービスページの更新(新しいメニューが増えていないか)、③代表者のSNSや取材記事、④gBizINFOでの届出・補助金採択の有無、⑤取引先として名前が出ている企業のプレスリリース。この5つで足りなければ、仮説を作らずに「聞きに行く」と決めます。材料がない状態で作った仮説は、商談で外れる確率が高いです。

Q6. 4工程を全部やる時間がありません。削るならどれですか

削るなら工程2(変化の検出)ではなく、工程4(質問への変換)を削ります。質問は経験があれば頭の中で作れますが、変化の検出は材料を読まないとできません。優先順位は 工程1 > 工程2 > 工程3 > 工程4 です。時間が10分しかないなら、工程1と2だけ回して、直近12か月の発表事項を頭に入れて商談へ行きます。それだけでも「調べてきた人」として扱われます。


材料を集める工程ごと短くしたい場合

ここまでの4工程は、プロンプトを磨けば誰でも回せます。ただし、相手サイトの本文をコピーして貼る作業だけは、プロンプトでは短くなりません。月に20件以上の新規商談があり、毎回この貼り付けが発生していて、なおかつ準備資料の形式をチームで揃えたい——この3つが同時に当てはまるなら、URLを起点に材料収集から課題仮説、提案資料までを一続きで生成するドヤ商談準備が候補になります。月9,980円(税込)の統一プランで、ドヤマーケAIの全14サービスを同じ料金で使えます。無料版があるので、まず自社の商談1件で上の4工程と比べてみてください。

商談が月に数件で、貼る手間が苦にならないなら、この記事のプロンプトをそのまま使えば大丈夫です。道具が必要になるのは、同じ作業が繰り返し発生し始めてか

らです。

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この記事の著者

Katuski.Mitsumori

三森 捷暉(みつもり かつき)

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BtoBマーケティング × SEO × AI活用 専門家|株式会社スリスタ 代表

BtoBマーケティング、SEO、コンテンツマーケティング、生成AI活用を専門とするマーケター/事業責任者です。
2021年、新卒第1号として株式会社Piece to Peace(CarryMe)に入社し、広報・マーケティング・デザイン・コンテンツ制作を横断的に担当。SEO記事、比較記事、ホワイトペーパー、ウェビナー、広告施策を組み合わせた商談創出の仕組み化を推進してきました。

その後、株式会社スリスタ(設立:2025年3月14日/代表:三森 捷暉)を設立。
現在はスリスタにて、AIを活用したマーケティング業務の自動化・省力化に注力しています。

スリスタでは、SEO記事制作、比較記事、一次情報設計、バナー制作、構成案作成といったマーケティング業務を、ユーザーが「選ぶだけ」「スワイプするだけ」で進められる設計思想をもとに、AIツールとして実務レベルで実装。
マーケティングを「1人でも回せる状態」にするための仕組みづくりを行っています。
ウェビナー・登壇実績
CarryMe主催ウェビナー
URL:https://carryme.jp/webinar58_20251126_ntt_webinar
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