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案件管理・工数管理ツール比較20選|粗利が見えるのは

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ドヤプロマネ

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案件のタスク・進捗・収支をまとめて管理し、プロジェクト運営を効率化します。

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結論を先に書きます。案件別の粗利を出すには3つのデータが要ります。①案件ごとの売上、②メンバーごとの原価単価、③案件ごとの投下時間です。ほとんどのプロジェクト管理ツールは③しか持ちません。だから工数は記録できるのに粗利が出ません。ツール比較で見るべきは機能一覧ではなく、「そのツールに①②③のどれが欠けているか」です。


この記事の前提と、料金表記のルール

  • 掲載した料金はすべて各社の公式サイト(料金ページまたは公式ヘルプ)で確認した数値です。確認日は2026年8月5日。

  • 公式ページが動的表示やアクセス制限で金額を取得できなかったものは、推測で埋めずに「公式ページで金額を確認できなかった」と書きました。

  • ドル建て価格は表示額をそのまま載せています。税抜・税込の別は、公式ページに記載があるものだけ明記しました。

  • 他社ツールを否定的に評価しません。 各社が公式に明示している仕様と、設計思想の違いとして整理します。

対象は、受託や案件単位で仕事を受ける会社(Web制作、システム開発、広告代理店、コンサル、士業事務所、建設・設備工事など)の経営者と管理職です。従業員数10〜100名規模を想定しています。


なぜ「工数は取れているのに粗利が出ない」のか

工数管理ツールを入れた会社から、決まってこの相談が来ます。

「入力は回っている。でも、A案件が黒字なのか赤字なのかが分からない」

原因ははっきりしています。粗利の計算式に必要な変数が、ツールの中に揃っていないからです。

【案件別の粗利】= 案件の売上 −(案件に投下した時間 × その人の原価単価)− 外注費 − 直接経費

必要なデータ:
  ① 案件の売上(受注金額)
  ② メンバーごとの原価単価(1時間あたりのコスト)
  ③ 案件ごと・メンバーごとの投下時間
  ④ 外注費・直接経費

一般的なプロジェクト管理ツールが標準で持っているのは、③だけです。

  • ①の売上:見積・受注情報は営業側にあり、プロジェクト管理ツールには入っていません

  • ②の原価単価:給与情報なので、そもそも全員が見られるツールには置きたくありません

  • ④の外注費:会計ソフトか請求管理システムにあります

つまり、データが3〜4箇所に分かれています。 これを毎月手作業で突き合わせるから、集計が終わるころには翌月になっています。


独自の分類軸:3系統に分けて考える

ツールを機能一覧で比べても、この問題は解けません。「そのツールがどのデータを起点に設計されているか」で分類します。

系統A:受発注・会計起点型

設計の起点:見積・受注・請求。つまり①売上を最初から持っています。

工数はあとから紐づけます。売上が先にあるので、原価さえ入れば粗利が出る構造になっています。

向く会社:受注金額が案件ごとに明確で、見積から請求までを1本で管理したい会社。

弱点:タスク管理・進捗管理の機能は簡素なことが多いです。開発チームの日常業務ツールとしては物足りない場合があります。

系統B:工数計測起点型

設計の起点:時間の記録。③投下時間を精緻に取り、②原価単価を掛けて金額に変換する設計になっています。

多くの製品が「請求単価(billable rate)」と「原価単価(cost rate)」を別々に持てます。この2つを分けて持てるかが、粗利が出るかどうかの分かれ目です。

向く会社:時間で売る仕事(コンサル、士業、制作、保守運用)。時間あたりの採算を見たい会社。

弱点:①売上(受注金額)は手入力またはインポートになることが多いです。 見積・請求の機能は補助的です。

系統C:タスク管理起点型

設計の起点:タスクと進捗。③投下時間は記録できますが、②原価単価を持つ仕組みは標準では持たない製品が多いです。

金額に変換する部分は、CSVエクスポート後の集計、または数式カラムの自作に委ねられます。

向く会社:まず進捗と担当を可視化したい会社。粗利より納期管理が優先課題の会社。

弱点:粗利を出そうとすると、必ずツールの外に出る作業が発生します。


【一次コンテンツ】3ピース診断チェックリスト

そのままコピーして使えます。自社の現状で①②③④がどこにあるかを埋めます。 空欄が出た項目が、ツール選定で埋めるべきピースです。

■ 3ピース診断シート

【① 案件の売上(受注金額)】
  今どこにある? ______________________
  □ 見積・請求システムにある
  □ 営業担当のExcelにある
  □ 会計ソフトにしかない(受注時点では未登録)
  □ 契約書にしかない(データ化されていない)

【② メンバーの原価単価】
  今どこにある? ______________________
  □ 算出済みで、一覧表がある
  □ 給与データはあるが、時間単価に換算していない
  □ 全員一律の平均単価を使っている
  □ 算出していない
  ※ 算出していない場合、どのツールを入れても粗利は出ない

【③ 案件ごと・メンバーごとの投下時間】
  今どこにある? ______________________
  □ プロジェクト管理ツールに記録されている
  □ 個人のExcel・スプレッドシートにある
  □ 勤怠システムにはあるが案件別に分かれていない
  □ 記録していない

【④ 外注費・直接経費】
  今どこにある? ______________________
  □ 案件番号と紐づけて管理している
  □ 会計ソフトにあるが案件別に分かれていない
  □ 発注書と請求書を人が突き合わせている

【集計の現状】
  □ 案件別粗利を出すのに毎月 ____ 時間かかっている
  □ 集計できる人は ____ 名
  □ 集計結果が出るのは、月末から ____ 営業日後

診断結果の読み方

  • ②が空欄:ツール選定より先に、原価単価を算出します。 ここが無いと、どんなツールを入れても金額は出ません。給与・法定福利費・間接費配賦から時間単価を出す作業が先です

  • ①と③が別のツールにある:系統A(受発注起点型)または、①をインポートできる系統Bを選びます

  • ③だけがある:現状は系統Cのツールを使っている状態です。粗利まで出したいなら系統AかBへの移行、または併用を検討します

  • 集計に毎月4時間以上/集計できる人が1名:ツール導入の投資回収がしやすい状態です。 人件費換算で年間20万円前後の作業が発生しています


比較表①:系統A(受発注・会計起点型)と自社サービス

列は「①売上を持てるか」「②原価単価を持てるか」「粗利集計がツール内で完結するか」「課金単位」「料金」「欠点」。

ツール

①売上

②原価単価

粗利集計はツール内で完結するか

課金単位

料金(公式サイト確認・2026年8月5日)

欠点(必ず読む)

★注力 ドヤプロマネ(自社)

持てる

持てる

完結します。 案件の進捗・収支・人件費を製品内で一元管理

スペース単位(人数課金なし)

ドヤマーケAI 統一プラン 月9,980円(税込)で全14サービス使い放題。無料版あり

ソースコード管理やプルリクエスト連携といった開発者向け機能を持ちません。 大企業向けの高度な予実分析(EVM等)も持ちません。会計ソフトとの自動連携は用意していません

board

持てる(見積・受注・請求が主機能)

発注・原価の登録に対応

売上と原価を同じ場所で管理できます。 案件ごとの粗利を把握する設計

アカウント単位(プラン別料金はユーザー1名分ではなくアカウント全体の金額と公式ヘルプに明記)

Personal 月1,200円(1ユーザー・個人のみ)/Basic 月2,400円(3ユーザーまで)/Standard 月4,900円(15ユーザーまで)/Premium 月7,900円(50ユーザーまで)。51名以上は1名につき月300円追加。いずれも税抜(https://the-board.jp/helps/help_about_price/)

工数の詳細な入力・集計機能は主軸ではありません。 支払方法はクレジットカードのみで、請求書払い・銀行振込・年払いに非対応と公式ヘルプに明記。有料オプション(月500〜800円)が別途あります

クラウドERP ZAC

持てる

持てる

案件別の収支管理を行うERP

公式ページに記載なし

公式サイトに料金の記載がなく、金額を確認できませんでした(https://www.oro.com/zac/ の問い合わせ窓口で要確認)

ERPのため導入設計と初期構築の工数が大きいです。 数名規模の会社が短期間で導入する製品ではありません

クラウドログ

案件情報として保持

損益管理機能内で扱う

損益管理をプラン内機能として提供。プロジェクト・メンバー・業務項目単位で集計

ユーザー単位+基本料金

ベーシックプラン 1ユーザー月額600円〜+基本料金/プレミアムプラン 1ユーザー月額1,500円〜+基本料金。初期費用あり(https://www.crowdlog.jp/pricing/)

「基本的には12か月が最低利用期間」と公式FAQに明記されています。 初期費用と基本料金の金額は公式ページに記載がなく、問い合わせが必要です

Excel/Googleスプレッドシートでの自作(比較の基準値)

持てる

持てる

完結する(作れば)

無料〜既存契約内

追加費用なし(既存のOffice/Workspace契約の範囲)

入力の担保ができません。 更新が止まる、数式が壊れる、作った人が退職すると誰も直せません。10名を超えると破綻しやすいです


比較表②:系統B(工数計測起点型)

この系統の見どころは、「請求単価」と「原価単価」を分けて持てるか、そして採算・利益率の分析がどのプランから使えるかです。ここがプラン差になっている製品が多いです。

ツール

請求単価/原価単価

採算・利益率の分析

無料で試せるか

料金(公式サイト確認・2026年8月5日)

欠点(必ず読む)

Toggl Track

Freeは請求単価なし。Starter以上で請求単価に対応

Premium以上で収益性分析(Profitability)に対応

Free(無期限無料)/Starter・Premiumは30日間トライアル(カード不要)

Free $0/Starter $9/ライセンス/月/Premium $14/ライセンス/月(初年度、以降 $18/月)/Enterprise 個別(https://toggl.com/track/pricing/)

収益性分析はPremium以上です。 Starterでは請求単価は持てますが利益率は出ません。Premiumは初年度価格と2年目以降で金額が変わります

Harvest

Teams・Enterpriseで「請求単価と原価単価」の両方を設定可能(各人がいくらで請求し、いくらのコストか)

利益率レポート(Profitability reporting)はEnterprise以上。 クライアント別・案件別・タスク別・チーム別のマージン追跡

Free $0(1シート・2案件)

Free $0/Teams $9/シート/月(年払い $108/シート/年)/Enterprise $14/シート/月(年払い $168/シート/年)/Enterprise Plus 個別(https://www.getharvest.com/pricing)

利益率レポートはEnterpriseプランのみです。 Teamsでは単価は設定できますがマージン分析は使えません。請求書・案件・クライアント・タスクの追加分が従量課金されます

Everhour

Team以上でコストレート(原価単価)に対応。 Freeにはなし

Team以上で予算管理と収益性追跡に対応

Free $0(5シートまで)/14日間トライアル(カード不要)

Free $0(5シートまで)/Team $8.50/ユーザー/月(年払い、最低5シートから)/Custom 個別(最低50シート)(https://everhour.com/pricing)

Freeプランには連携機能・予算管理・請求書・原価管理がありません。 Teamは最低5シートからの契約です

TimeTracker RX(オンプレミス版)

工数の計測・集計が主軸

配員計画および採算管理はオプション機能(V2リリース予定)で、価格は公開されていません

90日間の無料評価版あり

Professional 年38,940円(月換算3,245円)/Standard 年19,470円(月換算1,623円)。5ライセンス単位での購入が必要です。 クラウド版の料金は公開されていません(https://www.timetracker.jp/price/)

5ライセンス単位でしか購入できません。 クラウド版と採算管理オプションの金額が公開されておらず、見積が必要です

この系統を選ぶときの最重要チェックポイントを1つだけ挙げます。

「利益率・収益性の分析機能が、どのプランから使えるか」を必ず確認してください。 Harvestは利益率レポートがEnterprise、Toggl TrackはProfitabilityがPremium以上と公式に明記されています。下位プランで契約してから「粗利が出ない」と気づくパターンが最も多いです。


比較表③:系統C(タスク管理起点型)

この系統の共通点は、③投下時間は記録できますが、②原価単価を標準機能として持たないことです。粗利を出すには、CSVエクスポート後の集計か、数式カラムの自作が必要になります。

ツール

工数(時間)の記録

原価単価の保持

課金単位

料金(公式サイト確認・2026年8月5日)

欠点(必ず読む)

Backlog

課題ごとに予定時間・実績時間を記録。集計はCSV/Excelエクスポート後に行う設計

標準機能としては持ちません

スペース単位

フリー 0円/スターター 月2,700円(年30,780円)/スタンダード 月16,000円(年182,400円)/プレミアム 月27,000円(年307,800円)/プラチナ 月75,000円(年855,000円)(https://backlog.com/ja/pricing/)

予定時間・実績時間はプロジェクト設定で「チャートを使用する」が必要で、スタンダードプラン以上です。 人件費単価を保持する仕組みは持ちません

Lychee Redmine

タイムマネジメント機能で記録

プレミアム以上でコストマネジメント・EVMを提供

ユーザー単位+固定のクラウド利用料

フリー 0円/スタンダード 900円/プレミアム 1,400円/ビジネス 2,100円(1ユーザー月額・税別、購入は10ユーザー単位)+クラウド利用料 5,000円/月〜(有料プラン共通)(https://lychee-redmine.jp/plan/)

有料プランは10ユーザー単位でしか購入できず、クラウド利用料が別途かかります。 少人数では総額が上がります

Redmine(本家・OSS)

Time tracking を主要機能として公式に明示

標準では持ちません(プラグインで拡張)

―

無料(GNU General Public License v2 のオープンソース)(https://www.redmine.org/)

サーバー構築・運用・バージョンアップを自社で行う必要があります。 情報システム担当がいない会社には運用負荷が高いです

Jooto

予実管理機能はビジネスプラン以上

人件費単価を保持する機能は公式ページに記載なし

ユーザー単位

無料プラン 0円(1名)/スターター 年間契約417円・月額契約500円/ビジネス 年間契約980円・月額契約1,300円(1ユーザー月額・税抜)/タスクDX 要問い合わせ(https://www.jooto.com/pricing/)

無料プランは1名までです。 予実管理はビジネスプランが必要で、別途初期費用が発生すると公式ページに注記があります

Asana

作業量の可視化は上位プランで提供

案件別原価の算出は標準機能として案内されていません

ユーザー単位

Personal 0円(2ユーザーまで)/Starter 年額請求 1,200円・月額請求 1,475円/Advanced 年額請求 2,700円・月額請求 3,300円(1ユーザー月額)/Enterprise 要問い合わせ(https://asana.com/ja/pricing)

原価管理を目的に導入すると費用対効果が合いにくいです。 日本語での原価・粗利の帳票は用意されていません

monday.com

時間記録に対応

数式カラム等で自作すれば計算は可能です。標準の原価管理機能としては提供されていません

ユーザー単位

無料 $0(最大2ユーザー)/ベーシック $9/スタンダード $12(1ユーザー月額・年間払い、米ドル建て)(https://monday.com/pricing)

料金が米ドル建てのため為替で総額が変動します。 原価管理はテンプレートの作り込みが前提で、設計を担う人が必要です

Wrike

時間記録に対応

標準の原価管理機能としては案内されていません

ユーザー単位

Free $0/Team $10/Business $25(1ユーザー月額、米ドル建て、年間請求)/Pinnacle・Apex は個別見積。Teamは2〜15ユーザー、Businessは5〜200ユーザー。14日間無料トライアル(カード不要)(https://www.wrike.com/ja/price/)

日本語ページでも料金は米ドル建て表示です。 プランごとに利用可能なユーザー数の範囲が決まっています

ClickUp

Unlimited以上でネイティブの時間記録。Business以上で「請求可能時間(billable time)」に対応

請求単価の設定はBusiness以上。原価単価の標準機能は公式ページで確認できず

ユーザー単位

Free Forever $0/Unlimited $7(年払い)・$10(月払い)/Business $12(年払い)・$19(月払い)/Enterprise 個別。AIは別建てで Brain AI $9・Everything AI $28(1ユーザー月額)(https://clickup.com/pricing)

AI機能が別料金体系です。 無料プランの時間記録はトライアル扱いと公式ページに記載されています

Notion

データベースとして自作すれば記録可能

自作前提

ユーザー単位

Free $0/Plus $10/Business $20(1ユーザー月額、日本語ページでも米ドル建て表示)/Enterprise 個別(https://www.notion.com/ja/pricing)

工数管理の専用機能ではありません。 すべて自作になるため、設計者の力量に成果が依存します

Zoho Projects

Premium以上で Time Logs・Timesheets、Project Budget&EVM を提供と公式ページに記載

Premium以上の予算機能内で扱う

ユーザー単位

Free(5ユーザーまで・3プロジェクト)/Premium/Enterprise/Ultimate の4段階。公式ページから各プランの金額を確認できませんでした(https://www.zoho.com/projects/pricing.html で要確認)

金額が公式ページ上で確認できないため、問い合わせまたは実際のサインアップ画面での確認が必要です

Jira

時間記録に対応

標準の原価管理機能としては案内されていません

ユーザー単位

10ユーザーまで無料で開始でき、Standard/Premium/Enterprise へ拡張と公式ページに記載。具体的な金額は公式ページから確認できませんでした(https://www.atlassian.com/ja/software/jira/pricing で要確認)

開発チーム向けの設計です。 非エンジニアの管理職が原価集計に使う想定ではありません


判断フローチャート

文章でも書きます。

Q1:メンバーの原価単価(1時間あたりのコスト)を算出済みか → NO:ここで止まります。ツールを選ぶ前に原価単価を出します。 給与+賞与+法定福利費+通勤費に間接費配賦を足し、年間の案件投下可能時間で割ります。この数字が無いと、どのツールでも粗利は出ません → YES:Q2へ

Q2:案件の受注金額を、システム上で案件と紐づけて管理しているか → NO:系統A(受発注起点型)を選びます。 売上がExcelや契約書にしかない状態で工数ツールだけ入れても、毎月の突き合わせ作業が残ります → YES:Q3へ

Q3:時間で売る仕事か(コンサル・士業・制作・保守運用) → YES:系統B(工数計測起点型)です。 ただし利益率分析が使えるプランを必ず確認します。Toggl Track は Premium 以上、Harvest は Enterprise 以上、Everhour は Team 以上と公式に明記されています → NO:Q4へ

Q4:開発チームの日常業務ツール(Backlog、Jira等)を変えたくないか → YES:系統Cは残し、粗利集計だけ別で持ちます。 現場の入力先を変えると入力が止まります。工数の実績だけをエクスポートして集計する運用にします → NO:系統Aへの統合を検討します


「入力が続かない」問題は、ツールの機能では解決しない

ここは正直に書きます。案件別粗利が出ない最大の原因は、ツールの機能不足ではなく、工数入力が続かないことです。

入力が止まる典型パターンは3つあります。

パターン1:入力の粒度が細かすぎる

15分単位で作業分類を10種類から選ばせる設計にすると、1日の入力に5分かかります。5分かかる作業は続きません。

対策は、入力項目を「案件」と「時間」の2つに絞ることです。作業分類は後から必要になったら足します。最初から完璧な分類を作ると、誰も入力しなくなります。

パターン2:入力した数字が誰にも使われない

入力した本人が「これは何のためか」を理解していない状態が最も危険です。 入力しても何も起きないなら、入力しません。

対策は、月次で「案件別の粗利」を全員に共有することです。 自分の入力が数字になって返ってくると、入力の精度が上がります。数字を経営層だけで抱えると、入力は必ず止まります。

パターン3:間接業務の行き場がない

会議、社内作業、営業同行、採用面接。これらを記録する先がないと、メンバーは適当な案件に付けます。すると案件別の数字が汚れます。

対策は、「間接」という受け皿の案件を最初から作っておくことです。 そして間接の比率が全体の何%かを把握します。ここが3割を超えているなら、案件の粗利計算に使う稼働率の前提を見直す必要があります。

ツールでは解決しない部分

はっきり書いておきます。次の3つは、どのツールを入れても解決しません。

  1. 見積の精度:見積が甘ければ、粗利が見えたところで赤字は防げません。見えるのは「赤字であること」だけです

  2. 要件追加の握り:追加作業を無償で受けてしまう文化は、ツールでは変わりません。契約と交渉の問題です

  3. 原価単価の合意:「自分の単価がいくらで計算されているか」を巡る社内の納得感。ここを説明せずに数字だけ出すと、現場が反発します

ツールは「見える化」までしかやりません。 見えた後に何をするかは、経営の判断です。


【一次コンテンツ】導入前に用意する3つのマスタデータ

どのツールを選んでも、この3つを先に用意しておくと導入が1〜2週間短縮されます。そのままCSVヘッダとして使える形で書きます。

マスタ1:案件マスタ

案件コード,案件名,顧客名,受注日,受注金額(税抜),契約形態,想定原価,担当PM,ステータス
2026-001,〇〇社サイトリニューアル,〇〇株式会社,2026-04-10,3800000,一括請負,2400000,山田,進行中
2026-002,△△社 保守運用,△△株式会社,2026-04-01,180000,月額保守,90000,佐藤,進行中

契約形態の欄を必ず入れてください。 一括請負と月額保守では粗利の見方が変わります。月額保守を案件単位で見ると、毎月の粗利がゼロに近く見えてしまいます。

マスタ2:メンバー単価マスタ

社員コード,氏名,職種,契約形態,原価単価(円/時),請求単価(円/時),稼働率想定
E001,山田,PM,正社員,6500,12000,0.70
E002,佐藤,デザイナー,正社員,5300,10000,0.80
E003,鈴木,コーダー,業務委託,4800,4800,1.00

原価単価と請求単価を必ず分けて持ちます。 系統Bのツールはこの2つを別々に設定できる設計になっています。業務委託は発注単価がそのまま原価になります。

この単価マスタは、閲覧権限を分けて管理してください。 全員が見られる場所に置くと、給与の推測につながります。

マスタ3:作業区分マスタ

区分コード,区分名,案件紐付,備考
D01,要件定義,必須,
D02,設計,必須,
D03,制作・開発,必須,
D04,テスト・検証,必須,
D05,修正対応,必須,追加要件の検知に使う
I01,社内会議,不要,間接
I02,営業・提案,不要,間接
I03,採用・教育,不要,間接
I04,その他社内業務,不要,間接

区分は最初は10個以内に抑えます。 増やすのは運用が回ってからでいいです。「修正対応」を独立させておくと、要件追加がどれだけ発生しているかが数字で見えます。 これは見積精度の改善に直結します。


移行のタイミングと、並行運用の期間

ツールを入れ替えるとき、進行中の案件をどう扱うかで必ず揉めます。

推奨する進め方はこうです。

時期

やること

注意点

移行1ヶ月前

3つのマスタデータを作る。単価マスタは経営層で確定させる

単価の算出根拠を文書化しておく

移行1ヶ月前

新規案件から新ツールに登録開始

進行中案件は移さない

移行月

新旧を並行運用。進行中案件は旧ツール、新規案件は新ツール

二重入力は発生する。1ヶ月と割り切る

移行月の締め

旧ツールの最終締めを行い、CSVで全データをエクスポートして保管

解約前に必ずエクスポートする

移行1ヶ月後

旧ツールの新規入力を停止。閲覧のみに切り替え

解約は3ヶ月後でいい。焦らない

移行3ヶ月後

旧ツールを解約

過去データの参照要件を確認してから

進行中案件を移行しないのが要点です。 期の途中で案件データを移すと、移行前後で工数の粒度が変わり、粗利の数字が連続しなくなります。新規案件から切り替えれば、その案件は最初から最後まで同じ基準で測れます。


ドヤプロマネを選ぶ条件と、選ばないほうがいい条件

自社サービスなので、中立を装わずに書きます。

ドヤプロマネ(https://doya-ai.surisuta.jp/promane)は、案件の進捗・収支・人件費を製品内で一元管理するツールです。ドヤマーケAIの統一プラン月9,980円(税込)に含まれ、他13サービスも同じ料金で使えます。無料版があります。

選ぶ条件 - 案件別の粗利を、ツール内で完結させたい(CSVエクスポート後の集計をやめたい) - 人数課金を避けたい。 メンバーが増えても月額が変わらない構造がいい - 従業員10〜50名規模で、ERPを導入するほどの体制はない - 案件管理以外にも、記事作成・営業リスト・スライド生成などAIツールを複数使う予定がある(統一プランで全部入る)

選ばないほうがいい条件

正直に書きます。次に当てはまるなら、他のツールを選ぶべきです。

  • ソースコード管理・プルリクエスト連携が必要 → 開発者向け機能を持ちません。Backlogや Jira の代替にはなりません

  • EVM(アーンドバリュー分析)など高度な予実分析が必要 → 大企業向けの分析機能は持ちません。Lychee Redmine のプレミアム以上や OBPM 系の製品を検討すべきです

  • 見積・受発注・請求まで1本にしたい → 見積・請求の専用機能では board のような製品のほうが素直です

  • 会計ソフトとの自動連携が必須 → 連携機能を用意していません

「案件別の粗利を、少人数の会社が、追加の人数課金なしで見る」ことに寄せた設計であり、機能の網羅性とはトレードオフになっています。


FAQ

Q1. 無料のツールだけで案件別の粗利は出せますか

出せます。ただし条件があります。 無料で使えることを公式サイトで確認できたのは次のとおりです(2026年8月5日確認)。

  • Toggl Track:Free $0(無期限。ただし請求単価は Starter 以上、収益性分析は Premium 以上)

  • Harvest:Free $0(1シート・2案件まで)

  • Everhour:Free $0(5シートまで。ただし原価単価・予算管理・収益性追跡は Team 以上)

  • Backlog:フリー 0円(10ユーザー・1プロジェクト)

  • Jooto:無料プラン 0円(1名)

  • Redmine:完全無料(GPLv2のオープンソース。サーバー構築は自前)

  • Wrike/ClickUp/Notion/monday.com/Zoho Projects:いずれも無料プランあり(ユーザー数や機能に制限)

  • ドヤプロマネ:無料版あり

注意点は「原価単価と収益性分析は有料プランに置かれている製品が多い」ことです。 無料プランで工数を貯めても、金額に変換する機能が無料枠の外にあるケースがあります。契約前に、利益率・収益性の機能がどのプランからかを必ず確認してください。

Q2. Excelで自作するのと、ツールを買うのはどちらが得ですか

判断基準は3つあります。

  1. 人数:10名を超えると、Excelの同時編集と集計が破綻しやすいです

  2. 集計時間:毎月の集計に4時間以上かかっているなら、人件費換算で年間20万円前後。ツール代を上回ることが多いです

  3. 属人性:集計できる人が1名しかいないなら、その人の休職・退職がそのままリスクになります

逆に、5名以下で案件数が月10件以下なら、Excelで十分回ります。 ツールを入れる理由がありません。無理に導入すると、入力の手間だけが増えます。

Q3. 課金単位(ユーザー単位かアカウント単位か)は、どれくらい効きますか

3年後の人数で試算すると差がはっきり出ます。

例えば1ユーザー月1,000円のツールを考えます。導入時10名なら月10,000円ですが、30名に増えれば月30,000円になります。工数管理は「入力する人が多いほど価値が出る」性質の機能なので、対象人数は増えやすいです。

一方、board はプラン別料金がアカウント全体の金額であると公式ヘルプに明記されています(Standard 月4,900円で15ユーザーまで、Premium 月7,900円で50ユーザーまで、いずれも税抜)。ドヤプロマネもスペース単位で人数課金がありません。

導入時の人数ではなく、2〜3年後の人数で総額を比較してください。

Q4. 原価単価はどうやって決めればいいですか

基本の考え方はこうなります。

【年間の総コスト】= 給与総額(月給×12+賞与)+ 法定福利費 + 通勤費 + 間接費配賦
【年間の案件投下可能時間】= 年間所定労働時間 × 案件稼働率
【原価単価】= 年間の総コスト ÷ 年間の案件投下可能時間

案件稼働率を100%にしないでください。 社内会議、営業、採用、教育の時間があるため、実務では70〜80%程度に置くことが多いです。ここを100%で計算すると、単価が過小になり、すべての案件が黒字に見えてしまいます。

法定福利費の料率や間接費の配賦基準は会社ごとに異なります。税務・会計上の取り扱いについては、顧問税理士に確認してください。

Q5. 進行中の案件データは移行すべきですか

移行しないほうがいいです。 期の途中で移すと、移行前後で工数の入力粒度が変わり、その案件の粗利が連続した数字になりません。

新規案件から新ツールに登録し、進行中案件は旧ツールで完了させます。 並行運用の1ヶ月は二重入力が発生しますが、データの整合性を保つコストとしては安いです。

Q6. 導入して何ヶ月で数字が使えるようになりますか

最短で3ヶ月、実務で使えるのは6ヶ月目からと見ておきます。

  • 1ヶ月目:入力の習慣づけ。数字はまだ信用できない

  • 2〜3ヶ月目:入力漏れが減る。案件間の比較が可能になる

  • 4〜6ヶ月目:見積工数と実績工数の乖離パターンが見えてくる。ここから見積精度の改善に使える

「入れた翌月から経営判断に使える」と期待すると失望します。 最初の3ヶ月は、数字を集めるのではなく入力を定着させる期間だと割り切ります。


何から始めるか

実行順に3つ書きます。

  1. 3ピース診断シートを埋めます。 ①売上・②原価単価・③投下時間・④外注費が今どこにあるかを書き出します。空欄が埋めるべきピースです

  2. 原価単価を算出します。 ②が無ければ、どのツールでも粗利は出ません。ツール選定より先にここをやります

  3. 利益率分析が使えるプランを確認します。 系統Bのツールは、収益性の機能が上位プランに置かれていることが多いです。契約前に必ず確認します

そのうえで、案件別の粗利をツール内で完結させたい、人数課金を避けたい、従業員10〜50名規模でERPを導入する体制はないという条件なら、ドヤプロマネ(https://doya-ai.surisuta.jp/promane)が候補になります。統一プラン月9,980円(税込)で全14サービスが使え、無料版で先に試せます。開発者向け機能や高度な

予実分析が必須要件なら、この記事の比較表③から選んだほうがいいです。ドヤプロマネ

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この記事の著者

Katsuki.Mitsumori

三森 捷暉(みつもり かつき)

著者プロフィールはこちらから↓
 /author/mitsumori
ドヤマーケ運営・ドヤAI開発者|株式会社スリスタ 代表

ドヤマーケの運営者であり、AIツール群「ドヤAI」の開発者です。専門はBtoBマーケティング、SEO、コンテンツマーケティング、生成AI活用。
2021年、新卒第1号として株式会社Piece to Peace(CarryMe)に入社し、広報・マーケティング・デザイン・コンテンツ制作を横断的に担当。SEO記事、比較記事、ホワイトペーパー、ウェビナー、広告施策を組み合わせた商談創出の仕組み化を推進してきました。

その後、株式会社スリスタ(設立:2025年3月14日/代表:三森 捷暉)を設立。
現在はスリスタにて、オウンドメディア「ドヤマーケ」を運営しながら、記事作成・バナー・スライド・営業リストなどのマーケティング業務をAIで進める「ドヤAI」を開発しています。

スリスタでは、SEO記事制作、比較記事、一次情報設計、バナー制作、構成案作成といったマーケティング業務を、ユーザーが「選ぶだけ」「スワイプするだけ」で進められる設計思想をもとに、AIツールとして実務レベルで実装。
マーケティングを「1人でも回せる状態」にするための仕組みづくりを行っています。

YouTubeでは、AI活用の実務を発信する「【ドヤAI】ミツモリ」と、世の中のSaaSをAIで実際に作ってみる「SaaSは死にましぇん【AI開発】」を運営しています。
ウェビナー・登壇実績
CarryMe主催ウェビナー
URL:https://carryme.jp/webinar58_20251126_ntt_webinar
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