DX・システム

プロジェクト管理ツールをAIで自作する【2026年版】案件ごとの収支まで見える形にする

受託や制作の現場で、こんな状態になっていないでしょうか。タスクの進捗はプロジェクト管理ツールで見ている。案件の採算はスプレッドシートで別に管理している。そして両方を突き合わせる人がいない。

この記事では、その2つを1つにしたプロジェクト管理ツールをClaudeで自作した記録をまとめます。案件ごとの収支が、タスクの進捗と同じ画面で見えるという点が、既存ツールとの違いです。

30秒で分かる結論

  • ガントチャート、カンバンボード、時間管理、収支管理、メンバー管理、レポートまで実装できた

  • この領域は比較的すんなり作れる。データを自社で入力するタイプのツールだから

  • 肝はタイムシート。作業時間を入力すると、時給換算で人件費に反映される

  • 結果として、プロジェクトごとの原価・売上・利益が把握できる

  • ただし、NotionやAsanaを使いこなせているなら、そちらのほうがコストは低い

既存ツールに足りなかったのは「いくらかかっているか」

Backlogのようなプロジェクト管理ツールは、何が・誰の担当で・どこまで進んでいるかを見るのに優れています。一方で、その案件が採算に乗っているかは別管理になりがちです。

受託や制作では、進捗より採算のほうが経営判断に直結します。想定より工数がかかっている案件を、終わってから気づくのでは遅い。だからこの2つは同じ場所にあるべきだ、というのが今回の出発点でした。

既存ツールでも工数管理の機能はありますが、上位プランだったり、別サービスとの連携が前提だったりします。自社に必要な指標を1つ足すためだけに、契約を上げるのは割に合いません。ここが自作の動機になります。

依頼と、出来上がった機能

Backlogのようなプロジェクト管理ツールを作りたいです。

ただし、単なるタスク管理ではなく、
プロジェクトごとの案件単価や収支まで管理できる仕様にしたいです。

設計から一緒に考えてください。

実装できたのは次の6つです。

  • ガントチャート

  • カンバンボード

  • 時間管理(タイムシート)

  • 収支管理

  • メンバー管理

  • レポート

プロジェクトを作り、その中にタスクを追加していきます。タスクには開始日と担当者を割り当て、カンバンで進捗を動かします。ここまでは一般的なプロジェクト管理ツールと同じです。

肝はタイムシートと時給換算

このツールで中心になるのが、作業時間の記録です。

タスクに対して「このマーケティングタスクに3時間かかった」と入力します。メンバーごとに時給を設定してあるため、入力した時間がそのまま人件費として収支に反映されます。

あとは顧客管理側で売上を入れておけば、プロジェクトごとに原価・売上・利益が並びます。メンバーの総稼働時間も集計されるので、誰にどれだけ負荷がかかっているかも同じ場所で見えます。

やっていることは単純です。時間の記録と、単価の掛け算。それだけですが、進捗と同じ画面にあることに意味があります。別のスプレッドシートに転記する運用にすると、まず続きません。

この領域は自作が向いている

作ってみて、この種のツールは比較的すんなり形になりました。理由ははっきりしています。扱うデータをすべて自社で入力するからです。

外部から企業情報を集めてくる必要も、他社のデータベースに依存する必要もありません。器を作れば、中身は自分たちで埋められます。人事情報や商談履歴と同じ構造です。

加えて、自作なら欲しい指標を後から足せます。案件区分ごとの利益率、外注費の内訳、想定工数と実績の差。既存ツールで実現しようとすると設定の制約に当たる項目でも、自社ツールなら依頼するだけで追加できます。

それでも既存ツールを選ぶべきケース

正直に書くと、無条件におすすめはしません。

  • すでにNotionやAsanaを使いこなしている … 品質が高く、他の用途も1つにまとめられる。コスト面でも有利になりやすい

  • 社外メンバーやクライアントと共有する必要がある

  • モバイルアプリでの利用が前提になっている

  • 作った人が抜けたときに保守できる人がいない

とくに1つ目は重要です。既存ツールで足りているなら、自作する理由はありません。自作が効くのは「既存ツールでは表現しにくい自社固有の指標がある」場合に限られます。

三森の実務メモ:このシリーズを通して、自作の向き不向きがかなり整理できました。自社でデータを入力するタイプは向いていて、外部データを集めて価値にしているタイプは向いていない。プロジェクト管理は前者の典型でした。そのうえで最後に効いてくるのは、その指標を毎日入力し続けられるかです。タイムシートは、入力されなければただの空の器になります。作れるかどうかより、運用が続く設計かどうかを先に考えたほうが、失敗が減ります。

動画で学ぶ

Claudeへの依頼から、完成したツールのカンバン・タイムシート・収支画面までを、操作つきで確認できます。

【AI開発】月額SaaSは不要?Claudeでプロジェクト管理ツールを自作してみた!

<iframe width="1280" height="720" src="https://www.youtube.com/embed/de_RTv-LFHY" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen loading="lazy"></iframe>

よくある質問(FAQ)

Q. 既存のプロジェクト管理ツールから移行できますか?

進行中の案件を抱えたまま移すのは負担が大きくなります。新しい案件から使い始めて、並行期間を設けるほうが現実的です。過去案件は集計結果だけ引き継ぐ、という割り切りも有効です。

Q. メンバーに作業時間を入力してもらえますか?

ここが最大の課題です。入力項目を増やさないこと、タスクの画面からそのまま入力できることが条件になります。入力されない前提なら、収支管理の機能自体が成立しません。

Q. 時給はどう設定すればいいですか?

実際の給与をそのまま使うと、閲覧権限の問題が出ます。職種や等級ごとの標準単価を設定して運用するほうが、扱いやすく揉めにくくなります。

Q. 外注費も管理できますか?

項目を追加すれば管理できます。自作の利点はここで、必要になった時点で足せます。最初から全部作ろうとせず、運用しながら増やすほうが定着します。

Q. Notionで代替できませんか?

できる場合が多いです。データベース機能で工数と単価を持たせれば、近いことは実現できます。すでにNotionが社内に定着しているなら、まずそちらで試してから自作を検討してください。

まとめ:作れるかより、入力が続くか

プロジェクト管理ツールは自作できました。ガントチャート、カンバン、タイムシート、収支管理まで一通り動きます。自社でデータを入力するタイプのツールなので、この領域は自作と相性が良いと言えます。

ただし成否を分けるのは実装ではありません。タイムシートが毎日入力され続けるかです。入力されなければ、収支管理は空の器のままです。既存ツールで足りているなら無理に置き換えず、「自社にしか必要ない指標がある」ときにだけ自作を検討する。それがこのシリーズを通しての結論です。

記事をシェア

Writer /

この記事の著者

Katuski.Mitsumori

三森 捷暉(みつもり かつき)

著者プロフィールはこちらから↓
 /author/mitsumori
BtoBマーケティング × SEO × AI活用 専門家|株式会社スリスタ 代表

BtoBマーケティング、SEO、コンテンツマーケティング、生成AI活用を専門とするマーケター/事業責任者です。
2021年、新卒第1号として株式会社Piece to Peace(CarryMe)に入社し、広報・マーケティング・デザイン・コンテンツ制作を横断的に担当。SEO記事、比較記事、ホワイトペーパー、ウェビナー、広告施策を組み合わせた商談創出の仕組み化を推進してきました。

その後、株式会社スリスタ(設立:2025年3月14日/代表:三森 捷暉)を設立。
現在はスリスタにて、AIを活用したマーケティング業務の自動化・省力化に注力しています。

スリスタでは、SEO記事制作、比較記事、一次情報設計、バナー制作、構成案作成といったマーケティング業務を、ユーザーが「選ぶだけ」「スワイプするだけ」で進められる設計思想をもとに、AIツールとして実務レベルで実装。
マーケティングを「1人でも回せる状態」にするための仕組みづくりを行っています。
ウェビナー・登壇実績
CarryMe主催ウェビナー
URL:https://carryme.jp/webinar58_20251126_ntt_webinar
絶対に失敗しないためのタクシー広告しくじり発表会
PR TIMES掲載イベント
URL:https://carryme.jp/agent/seminar-event/webinar23_20240417_taxi_ads_webinar/