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【改善記】「Web流入の内訳は?」上司の質問に凍り付いた私が、HubSpot分析を“武器”に変えたAI活用術

プロローグ:月次報告会で凍り付いた、あの日

「レポートに表示された『Webからの流入』が、全体の50%を占めています」

月次のマーケティング報告会。私がモニターに映し出されたHubSpotのダッシュボードを指しながらそう報告した瞬間、会議室の空気がわずかに冷えたのを肌で感じました。

役員の一人が、静かに口を開きます。 「なるほど。で、その“Webからの流入”の内訳、つまり、具体的にどのコンテンツが貢献して、どんなお客様が来ているのかな?」

「……それは、現在分析中でして…」

言葉を濁すのが精一杯でした。頭の中は真っ白。HubSpotにはデータが溢れているのに、その中から相手が求める「示唆」を何一つ引き出せない。データと向き合っているはずが、いつの間にかただ数字を眺めているだけになっていたのです。

この記事は、そんな悔しい経験をした私が、HubSpotの分析精度を劇的に向上させ、データについて自信を持って語れるようになるまでの、試行錯誤の全記録です。もしあなたが過去の私と同じように「データはあるのに、自信を持って語れない」と悩んでいるなら、きっとこの逆転のストーリーが役に立つはずです。

HubSpot分析を“武器”に変えたAI活用術

なぜ私のHubSpot分析は「カオス」だったのか?3つの悲劇

あの日の報告会での惨敗。原因は明確でした。私の管理するHubSpotのデータ、特に「流入経路」に関するデータが、完全な「カオス」状態に陥っていたのです。

悲劇1:無法地帯と化した「UTMパラメータ管理シート」

私のチームには、スプレッドシートで作られた“UTM管理簿”がありました。しかし、いつしか誰も更新しなくなり、広告担当者が各自のルールでUTMを発行する無法地帯に。「google」と「Google」、「facebook」と「FB」が混在し、同じキャンペーンですら正確な数値を追えなくなっていました。

:無法地帯と化した「UTMパラメータ管理シート」

悲劇2:「どの記事が?」に答えられない、解像度の低い参照元データ

役員に指摘された通りです。「Webからの流入」と大きく一括りにされたデータからは、必死で書き上げたどのブログ記事がコンバージョンに貢献したのか、全く読み取れませんでした。これでは、次にどんなコンテンツに注力すべきか、勘に頼るしかありません。

「どの記事が?」に答えられない、解像度の低い参照元データ

悲劇3:手入力頼みで成果が見えない、展示会などのオフライン施策

時間とコストをかけて実施した展示会。獲得した名刺は、一件一件手作業でスプレットシートにインポートし、「リード獲得元:2025年〇〇展示会」と手入力していました。当然、入力ミスや漏れが発生し、オンライン施策との正確な比較もできませんでした。

手入力頼みで成果が見えない、展示会などのオフライン施策

一筋の光明。答えはHubSpotの「依存型フィールド」と「AI」にあった

「もうダメだ…」と諦めかけていた夜、私はある逆転の発想にたどり着きます。

それは、HubSpotの「依存型フィールド」でデータの入力規則を統一し、その最も厄介な「分類ルールの設計」そのものをAIにやらせてしまおう、というものでした。

これまでのカオスなUTMやキャンペーン名のリスト。これを人間が整理するのは絶望的です。しかし、AIなら、この混沌の中から法則性を見つけ出し、最適な分類構造を提案してくれるかもしれない。

「カオスなデータを整理する」のではなく、「カオスなデータから、AIに“正解の構造”を生成させる」。この発想の転換が、すべての始まりでした。

【試行錯誤の全記録】私が実践したAI連携、4つのステップ

ここからは、私が実際に構築したプロセスを、失敗談も交えながらご紹介します。

STEP1:【設計編】AIに“分析の設計図”を描かせる新発想

まず、私が取り組んだのは、これまでの最大の悩みであった「流入経路マップ(分析の階層構造)」の作成です。しかし、今回はゼロから頭を悩ませることはしませんでした。

やったことは、ただ一つ。 HubSpotからエクスポートした、過去1年分のカオスなキャンペーン名やUTMソースのリスト(CSVファイル)を、そのままChatGPTに投げ込んだのです。

そして、こう指示しました。

STEP1:【設計編】AIに“分析の設計図”を描かせる新発想

【実際に使ったプロンプト例】 あなたは優秀なデータアナリストです。 以下のマーケティングキャンペーンのリストを分析し、レポート作成と効果測定に最も適した「大分類・中分類・小分類」からなる階層構造を提案してください。

#条件: ・表記の揺れ(例: Google/google)は、すべて統一してください。 ・明らかにテスト用のキャンペーンは除外してください。 ・最終的なアウトプットは、親子関係がわかるリスト形式で提示してください。

#キャンペーンリスト: [ここにCSVの中身を貼り付け]

数分後、AIが提示した回答を見て、私は思わず声を上げました。そこには、自分では到底思いつかなかった、見事に整理された分析の「設計図」が描き出されていたのです。これまでバラバラだった施策が、ロジカルな親子関係で再定義されていました。

実際利用している流入経路図

STEP2:【HubSpot設定編】AIの設計図をHubSpotに実装する

設計図さえできてしまえば、あとは実装するだけです。STEP1でAIが生成した階層構造をそのままHubSpotの「依存型フィールド」に設定していきます。

AIが作った「大分類」のリストを親プロパティに、「中分類」をその子プロパティに…というように、淡々とコピー&ペーストしていく作業です。あれだけ悩んでいた分類設計が、嘘のようにスムーズに進みました。

HubSpotの「依存型フィールド構築」について
実際のHubSpotに実装する画面

STEP3:【自動化編】外部ツール不要!HubSpotワークフローで“自動仕分けマシン”を構築する

さて、ここからが本番です。新しく作ったフィールドに、今後入ってくるリード情報をどうやって自動で振り分けるか。当初、私はZapierのような外部ツールとの連携を考えていました。しかし、追加コストもかかるし、できればHubSpot内で完結させたい…。

そこで私が活用したのが、HubSpotの「ワークフロー」機能です。

これは、「もし〇〇という条件を満たしたら、△△というアクションを実行する」という命令を、無限に設定できるHubSpotの心臓部とも言える機能。これを使って、人間顔負けの“自動仕分けマシン”を構築したのです。

実際のHubspot_振り分け画面

■ ワークフロー設定のイメージ

  • トリガー: コンタクトが新規作成されたとき

  • アクション(if/then分岐):

    もし「最初の参照元ドメイン」に google が含まれ、かつ「UTMミディアム」が cpc なら…

    プロパティ「流入経路(中分類)」の値を「Google広告」に設定する

    もし「最初の参照元ドメイン」に facebook.com が含まれ、かつ「UTMミディアム」が social なら…

    プロパティ「流入経路(中分類)」の値を「Facebook(オーガニック)」に設定する

    もし「UTMキャンペーン」に 25_spring_sale が含まれるなら…

    プロパティ「流入経路(小分類)」の値を「2025年春のセール」に設定する

この分岐を、STEP1でAIが設計した分類ルールの数だけ、地道に設定していきます。

正直、この作業は少し骨が折れます。しかし、一度完成させてしまえば、このワークフローは24時間365日、文句一つ言わずに正確無比な仕分け作業を黙々と実行してくれる、最高のパートナーになります。AIのように曖昧な情報をよしなに判断はしてくれませんが、ルールさえ決まっていれば、その実行精度は100%です。

【自動化編】外部ツール不要!HubSpotワークフローで“自動仕分けマシン”を構築

STEP4:【可視化編】これが見たかった!本当に意味のあるレポートが完成するまで

すべての設定が終わり、データが自動で構造化され始めると、最後はHubSpotのレポート機能で成果を可視化します。

「流入経路(小分類)別の商談化率」というカスタムレポートを作成し、マーケティングチームのダッシュボードに表示させた時、私は思わず声が出ました。これまで分厚い霧の中にあった各施策の真の成果が、誰の目にも明らかなグラフとなって、そこに映し出されていたのです。それはまさに、私があの報告会で提示したかった、本当に意味のあるデータでした。

エピローグ:過去の私と同じ悩みを持つ、あなたへ

あの日、会議室で凍り付いていた私に、もし今の私が声をかけるなら、こう言うでしょう。 「大丈夫。君が今見ているそのカオスなデータは、宝の山に変わる」と。

今回ご紹介した方法は、少し手間がかかるかもしれません。しかし、一度仕組みを構築すれば、それはあなたのマーケティング活動を支える、強力な羅針盤になります。

  • カオスなデータに絶望し、UTM管理簿をそっと閉じてしまう前に。

  • 「分析中なので…」と、苦しい言い訳をしてしまう前に。

まずは自社の「データカオス」を直視し、理想の分析の形を思い描くことから始めてみませんか。完璧じゃなくて大丈夫。その一歩が、あなたを「データに自信が持てないマーケター」から、「データで未来を語れるマーケター」へと変える、最初のきっかけになるはずです。


ドヤれるマーケティングメディア「ドヤマーケ」では、今回のような実体験に基づくBtoBマーケティングのノウハウ発信のほか、マーケティング戦略の立案から実行、デザイン制作までを“まるなげ”でご支援するサービスも提供しています。

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(記事執筆者の三森が担当いたします!))

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記事担当ライター

Katuski.Mitsumori

三森 捷暉(みつもり かつき)

著者プロフィールはこちらから↓
/author/mitsumori-katsuki

BtoBマーケティング × SEO × AI活用 専門家|株式会社スリスタ 代表

BtoBマーケティング、SEO、コンテンツマーケティング、生成AI活用を専門とするマーケター/事業責任者です。
2021年、新卒第1号として株式会社Piece to Peace(CarryMe)に入社し、広報・マーケティング・デザイン・コンテンツ制作を横断的に担当。SEO記事、比較記事、ホワイトペーパー、ウェビナー、広告施策を組み合わせた商談創出の仕組み化を推進してきました。

その後、株式会社スリスタ(設立:2025年3月14日/代表:三森 捷暉)を設立。
現在はスリスタにて、AIを活用したマーケティング業務の自動化・省力化に注力しています。

スリスタでは、SEO記事制作、比較記事、一次情報設計、バナー制作、構成案作成といったマーケティング業務を、ユーザーが「選ぶだけ」「スワイプするだけ」で進められる設計思想をもとに、AIツールとして実務レベルで実装。
マーケティングを「1人でも回せる状態」にするための仕組みづくりを行っています。

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